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3250号 2023年1月15日

今週の一冊『人生はあなただけのものじゃない』

(本日のお話 2455字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、
大学院の論文の口頭試問に向けて
同期の仲間とのフィードバック会。

また1ヶ月に1度のピアノの習い事と、
夜は勉強会仲間との新年会でした。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は

=========================

『人生はあなただけのものじゃない』

トム・ラス(著)、林田レジリ浩文 (翻訳)
ディスカヴァー・トゥエンティワン


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です。

■「もし明日死ぬとしたら、
大切な人に今日、何ができますか?」

書籍の帯から、
ど真ん中な問いを投げかけてくれる本です。

大学院での学びが
(卒業できればですが)
終わろうとしているこの頃、

「果たして自分は
これから何を提供できるのだろう」

ということを、
日々考えております。

■書き上げた論文の
最後の「あとがき」に、

”自分がいかにありたいか?
生きていきたい人生とは?”

という問いを述べる部分がありました。

一旦、書いてみたものの、

書いたことは、
本当にそうなのだろうか、

と頭の中で思い描いては
実はちょっと違う感じもする、、、

そんなちょっとした
モヤがかかった心境が続いています。
(提出後ではありますが、、、汗)

■そんな中で

『人生はあなただけのものじゃない』

なんて、

素直さMAXの書籍のタイトルが
目に飛び込み、

加えて、それが
ストレングス・ファインダーを開発した
ドン・クリフトン博士の孫で、

『さあ、才能に目覚めよう
新版ストレングス・ファインダー2.0』

の著書でもあるトム・ラス氏の本、
ということで手にとって見たのでした。

■読んだ感想を述べると、

「めちゃ真っ直ぐな本・・・」

と率直に思いました。

翻訳もあるのだろうと思いますが、
このトム・ラス氏の

「様々な人に、世の中に
生かされて今の自分がある」

という、

人生に対する、
謙虚かつ感謝の姿勢が
一貫してにじみ出ていることが
印象的なのでした。

■、、、というのも、
トム・ラス氏の背景があります。

彼は、16歳の時に、

「あと20年生きられないだろう。
そしてその20年も大変辛いものになるだろう」

と難病の宣告を受けます。

遺伝子による難病で、
身体に次々に腫瘍ができるという病気でした。

実際にトム・ラス氏は
その通りに数え切れないほどの病気になり、

腎臓がん、
網膜の病変(目)による失明、
膵臓神経内分泌腫瘍、副腎の腫瘍、
脊髄の腫瘍、、、

そのように病魔が広がり、
想像を絶する痛みも抱えながら
これまで生きてきた、

となります。

そして、この本は
彼、43歳で書いた本となります。

すなわち、
36歳で亡くなると言われた彼が
その余命を超えて書いた本になるのです。

ゆえに、シンプルだけれど
言葉に重量がある、、、

そんな感覚を受けました。

■彼は著書にて
このように述べていました。

以下、引用します。

**

「痛みとの闘いや、
これからどうなるのだろうという恐怖との闘い。
そう言うと、苦しいことばかりだと思う人もいるかもしれない。

しかし、僕の周りにいる人達はいつも親身になってくれて、
彼らのおかげで良いこともたくさんあった。

どうしても病気に意識がいきそうなときも、
自分に恵まれているものに目を向けようとしてくれたからだ。

(中略)

また、どうしても付け加えたいのは、
僕のような難病に苦しむ人々の生活を少しでも良くし、
一日でも長生きできるように努力を続けてくれている、
世界中の優秀で使命感を持った研究者たちへの感謝だ」

(P68)
**

とのこと。

もちろん、

そのような病と遭遇しながら
治療を続けることを可能にしたり、

仕事を続けることが可能であった
環境的要因もあると思います。

(実際に難病になって
治療が受けられない人もいる、
という視点もあります)

■しかしながら、

このように難病の中に居て、

純粋にこのような言葉を
紡ぐことができるというのは、
真似できるものではない、

と率直に私は感じました。

そんな、彼は
その人生の軌跡にて、

「祖父(ドン・クリフトン氏)に
末期がんが見つかった時に、
生きているうちに感謝を伝えたい」

と手紙を書いて、

相手にまごころを込めた
メッセージを伝えることができる「強み」を知った、

そこからストレングス・ファインダーの
伝道者としての道を歩み始めた、
と語られたり、

誰かとつながることを大事。
特に身近な家族などではそう。

だから、
相手の話に耳を傾ける事が大事だし、
自分はスマフォを見ながら相手と話すことはしていない、
皆さんはどうですか?

、、、と問いかけるなどされていました。

■一つ一つのエピソードは、
1人称の、どこかで聞いたことがある
話の一つかもしれません。

まあ、そういうのも
あるかもしれませんね、
で片付けることも可能ですが、

一方、一人の生き方、
真摯な姿勢の一旦に触れると、

「自分は何をしていくのか、
何を大切に生きて行くのか」

を改めて問われるような気がします。

■概念的に言えば、

「死の概念に触れる機会があると、
生をより深く味わうようになる」

という死に触れることによる成長を経た

(例:心的外傷後成長=
事故や病気などの出来事が心に傷跡を残すが、
それゆえに人間的に成長することがある、とするもの)

著者の事語りからの学び、
とも言えそうです。

温度があって、考えさせられます。



ということで以下、
本書の目次のご紹介です。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

自分を超えたものを見つけるとき、
あなたの人生はもっとシンプルで、
生きやすいものとなるーー (本文より)

【目次】
はじめに
あなただけの人生の意味を見つけよう

第1部
自分を超えて残るものを見つけよう
・人は永遠には生きられない
・才能や強みに目を向ける
・自分以外のものに興味をもつ
・できることに集中する
・人生は短いことに気づく

第2部
大切な人たちにあなたができる限りのことをしよう
・物事をポジティブに受け止める
・身近な人たちとの時間を大切にする
・スマフォを置いて、相手の話を聞く

第3部
あなたがいなくなった後にも残るものは何かを考えよう
・自分の強みを生かせるものを探す
・人生に自分のありったけを詰め込む
・チャンスが訪れたら逃さない
・相手が生きているうちに感謝を伝える
・誰かの未来に良い影響を与える
・どんな小さなことにも心を込める

第4部
貢献の人生を生きよう
・身近な人に何ができるか考える
・強みや才能で周りに貢献する
・仕事に対する向き合い方を変える
・自分が去った後に残るものは何か考える

第5部
僕は今日、あの人に何ができるだろう?
・あなたに影響を与えた人について考える

※Amazon本の紹介より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

タイトル通り、あり方を
考える機会を提供してくれる一冊でした。

ストレングス・ファインダーが好きな人は、
その背景情報も含めて、
興味深く読める一冊かと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『人生はあなただけのものじゃない』

トム・ラス(著)、林田レジリ浩文 (翻訳)
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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