「丸いくぎは丸い穴に。」ー人と職業のマッチング理論のお話ー
(本日のお話 1953字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
さて、本日のお話です。
本日もキャリアについての学びをテーマに
お届けさせていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは
【「丸いくぎは丸い穴に。」ー人と職業のマッチング理論のお話ー】
それでは、どうぞ。
■「丸いくぎは丸い穴に」。
これは、”職業指導の父”とも呼ばれた
パーソンズ(Parsons,F.:1854~1908)の
有名な言葉です。
今から100年以上も前の1909年に
職業指導の元になる考えとして、
『職業の選択』を著します。
そして、それは、
「特性・因子理論」と呼ばれる
キャリアの理論の原型となりました。
■人と職業のマッチング。
当たり前の考えかもしれません。
でも、この
「丸いくぎは丸い穴に」
という考え、
意外と出来ていない場合も、
少なくないようにも思えます。
■例えば、
自分の特性が「○」であったとします。
しかし、
自分が入った組織(会社など)で
求められているものは「□」でした。
真面目であるほど
周りからの期待になんとか答えようと
「□」になろうと頑張ります。
自分の「○」の柔らかい特徴を削り、
カチっとして四角くなろうとする。
でも、元々、自分は○。
だから、いくら削っても、
やっぱり丸く再生してしまう。
そして、その都度、
落ち込んでしまう。。。
「なんで自分は、
皆のようにカクカクできないのだろう」
、、、と。
■こういうときは
「○」が求められる環境にいけば
自分の「○」と”適合”するのですが、
環境を選ぶのではなく、
環境に自分を合わせようとしすぎることは
少なくないように思います。
(特に日本ではそう)
■では、そんな中で、
仕事において、
どのように選択をすればよいのか。
パーソンズが語る
「マッチング理論」
(=個人の特性と職業に求められる能力が
マッチしていればいるほどよいとする考え)
を目指すとしたときに、
どのような点に気をつけるとよいのでしょうか。
以下、
・3つの指針と7つの要素
について提示されていますので、
ご紹介させていただきます。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<人と職業の適合のための3つの指針>
1)自分自身(適正、能力、興味、目標、強み、弱みなど)について
はっきり理解すること
2)仕事(仕事の内容、求められる要件、有利な点・不利な点、
報酬、就職の機会、将来性など)について情報を得ること
3)上記について、合理的な推論をし、人と仕事のマッチングをすること
<人と職業の適合のための「7つの要素」>
1)個人資料の記述
2)自己分析
3)選択と意思決定
4)カウンセラーによる分析
5)職業についての概観と展望
6)推論とアドバイス
7)選択した職業への適合のための援助
※引用元:浅野浩美(2022).『キャリアコンサルタント・人事パーソンのためのキャリアコンサルティング』.労務行政, p49-50
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■なるほど。
・自分を知り、
・仕事を知り、
・合理的な推論をする。
そのために、
・自分自身の分析を行い
・他者からも分析を行ってもらい
・仕事の今とこれからの分析をする。
実にシンプルです。
就活の基礎的な話ともいえそうです。
■さて、
この話は1900年代から始まり、
当時は情報の流通も、
仕事や働く人の多様性も
今よりも限定的でした。
現在は、
転職のサービスも増えて
自己分析などのツールも機会も
以前よりも手軽にできるようになっています。
加えて、働く環境も
仕事の多様性、組織の多様性、
組織のミッションや風土なども、
多岐にわたるようになってきました。
ゆえに、今は、
「丸いくぎを丸い穴」
はある程度叶えられているとしても
それよりも更に進んだ、
「複雑な鍵を、複雑な鍵穴に」
というような、
複雑性を加味したマッチングが求められており
それでようやく満足できるような時代になった、
ようにも個人的に感じております。
■もしかすると、
完全にフィットする場所を見つけることは、
青い鳥症候群のような
理想郷を見つけ続けようとする
現実逃避のような姿に
見えるのかもしれません。
しかし時代が変わり、
「より自分にあった場所」を求めることは、
必ずしも悪いことではない、
となりつつあるようにも思います。
*
その当事者が
・人のせい、環境のせいにせず、
自分が変えられることにフォーカスをできる
・自分の専門性を育ててきている
・その上で、自分自身の強みを活かそうと思える
そんな状況であれば
”自分という「鍵」にあう
「鍵穴」を探していく”
こうした発想も有用だと思いますし、
それが見つかったとしたら
自らの幸福度も高めつつ
自分の能力ももっと発揮する
きっかけになり得るのだろう、
などと思った次第です。
■もちろん
鍵と鍵穴がハマれば
それで全てOKという
シンプルな話でもありませんが、
一つの要素として
重要な考えだな、と思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
わけのわかった人は、自分を世の中に適合させる。
わからず屋は自分に世の中を適合させようと頑張る。
だから全ての進歩はわからず屋のおかげである。
バーナード・ショー
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