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3263号 2023年1月28日

カウンセリングってなんだ? ーキャリアにおけるカウンセリングの理論(前編)ー

(本日のお話 2543字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

さて、本日のお話です。

本日も引き続き、
キャリアについての学びのおすそ分けを
お届けできればと思います。

今日からは、

「カウンセリングの理論&技法」

のお話に入っていきたいと思います。

それでは早速参りましょう!

タイトルは、

【カウンセリングってなんだ? ーキャリアにおけるカウンセリングの理論(前編)ー】

それでは、どうぞ。

■キャリアをテーマにして、
人を支援する手法は実に様々です。

例えば、

”キャリアコーチング”

という手法が、
コーチングの本では
紹介されています。

はたまた、米国では

”キャリアカウンセリング”

と呼ばれています。

そして日本において
国家資格となっているものは

”キャリアコンサルティング”

であります。

■うーん、悩ましい。

コーチング
カウンセリング
コンサルティング。

文字面の印象は違うものの、
一体何がどう違うのか、、、?

それぞれの言葉が
何を意味しているのか、

について、
なんとも掴みどころがない印象もあります。

■ある本では

・コーチング= 「解決」に焦点 × 「問い(ask)」が中心
・カウンセリング= 「問題」に焦点×「問い(ask)」が中心
・ティーチング= 「解決」に焦点 ×「教える(Tell)」が中心
・コンサルティング= 「問題」に焦点 ×「教える(Tell)が中心

という切り分け方もされています。
(伊藤,2010)

ただ、これも一つの切り分け方のため
一概には言えなさそうです。
(諸説あり、ですね)

■では、その中で
一体「カウンセリング」とは
果たしてどういう意味なのか?

まず、カウンセリングという言葉に
フォーカスをして、

どのようなことが言われているのか
整理をしてみたいと思います。

以下、書籍から参考にしつつ、
まとめてみます。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【カウンセリングとは】

○カウンセリングの定義

・カウンセリングとは、言語的および
非言語的コミュニケーションを通じて
行動の変容を試みる人間関係である。(國分, 1996)

○カウンセリングの基本理論

1)精神分析論(精神分析)
2)自己理論(来談者中心療法)
3)行動理論(行動療法)

の3つが基本となっている。

続いて、
論理療法・ゲシュタルト療法・交流分析、
新しい動きとして、社会構成主義を入れたカウンセリング、
などがある。

○カウンセリングの理論に共通していること

・”(クライアントへの)理解の重要性”が共通している。

1)「何を言っているか」ではなく
「何を言おうとしているか」に留意する

2)話している内容だけではなく、
話をしているプロセス(雰囲気、文脈)に留意をする

3)何に悩んでいるかだけでなく、
その人全体をみることが重要である

※引用元:浅野浩美(2022).『キャリアコンサルタント・人事パーソンのためのキャリアコンサルティング』.労務行政 p.84-86
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とのこと。

■なるほど。

・カウンセリングの定義
・カウンセリングの理論に共通していること

などでは

「対話を通じたクライアントの行動変容」
「クライアントに対する理解が重要」

とされているのですね。

コーチングでいっていることと
共通していることも含まれるようです。

あえてコーチングとの違いをみると、

”個人の成長や発達を促すもの”

がコーチングの共通の定義とされている
(西垣,2022)

とのことで、
若干のニュアンスの違いが
あるようにも思われます。

■つぎに、

・キャリアカウンセリング
・キャリアコンサルティング

の違いについて、
以下見てみたいと思います。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【キャリアカウンセリングとは】

○キャリアカウンセリングについて

・カウンセリングというと、
心理的な問題や悩み、症状などを解決するために行われるもの
と理解されている人もいるかもしれない。

・しかし、カウンセリングの中には「育てるカウンセリング」もあり
キャリアカウンセリングは、その代表的なものである(p,84)

○キャリアカウンセリングの定義

・「個人のキャリア形成を支援するためのカウンセリング」(木村, 2016)
「人を育て、能力開発を支援するためのカウンセリング」(宮城, 2009)
「職業生活に焦点をあてたカウンセリング」(渡辺, 2001)
などと、さまざまに定義される。

○キャリアコンサルティングとの違い

・キャリアコンサルティングは、日本では
職業能力開発促進法2条5項において

「労働者の職業の選択、職業生活設計又は
職業能力の開発及び、関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」

と定義されている。

・厚生労働省(2002)の報告書には

アメリカで「キャリアカウンセリング」と呼称されているものとほぼ同義だが
1,カウンセリングという用語が心理的療法を想起させること
2,キャリアカウンセリングという用語の多義性
3,日本におけるニーズ
を考慮して、キャリアコンサルティングと称する

と記載されている。

※引用元:浅野浩美(2022).『キャリアコンサルタント・人事パーソンのためのキャリアコンサルティング』.労務行政 p.88-89
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。

■ほうほう。

・「育てるカウンセリング」があり
キャリアカウンセリングはそのなかの代表

・キャリアカウンセリングと
キャリアコンサルティングはほぼ同義

なのですね。

■、、、と、

カウンセリングの定義や理論
その背景について見てきました。

言ってしまえば、
細かい話かもしれません。

「定義や理論など
別に実務には関係ないよね」

と思われる方も、いるかもしれません。

(自分の中のもう一人もそう言っている)

ただ面白いなと思うのが、

こうした用いられている言葉について

・どういう背景で生まれて
・どういう定義がされており
・どういう行動が付随するのか

を注意してみると、

その世界観を、
よりリアルに捉えることができるようになる、

とも感じます。

■私たちは

言葉を用いて思考して、
言葉によって概念を分け、
頭の中で整理をします。

「言葉の定義を知る」

ことで理解が深まるのも、
きっとそういうことなのだろうな、

、、、そんなことを思った次第。

ということで、

カウンセリングの具体的な理論、

1)精神分析論(精神分析)
2)自己理論(来談者中心療法)
3)行動理論(行動療法)

などについては、次に続けたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

人間というのは、わが身のことになればおのれを甘やかし、
たやすく騙されてしまう。

マキャヴェッリ

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