今週の一冊『ファシリテーション入門 <第2版>』
(本日のお話 2443字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、大学院の修士論文に相当する
プロジェクト報告書の「口頭試問」でした。
そしてこれをもって、
大学院の2年間のカリキュラムが
全て終了いたしました。
この振り返りのお話は改めて、
お伝えできればと思います。
(実に、密度の濃い時間でした)
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
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『ファシリテーション入門 <第2版>』
堀公俊 (著) /日本経済新聞出版
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です。
■ファシリテーション。
話し合いを支援する役割として
ワークショップなどで、
「ファシリテーター」と呼ばれる人がいます。
それは、
”集団による知的相互作用を促進する働き”
とのこと。
ちなみに、ファシリテーターの「facil」とは
ラテン語で easy と同じ意味で、
「容易にする」「円滑にする」だそうです。
すなわち、
人々が集まった場面で
知的な活動を容易にできるように支援する、
それがファシリテーターの役目と言われます。
■人が集まる場面では、
色々なことが起こります。
会議、ミーティング
研修、ワークショップ。
さまざまな形態がありますが、
集まった人は、
それぞれ感情や意見、価値観があり
またそれぞれの立場もあります。
ゆえに、
その多様性ゆえに、
素晴らしい創造性を発揮し、
相乗効果をもたらすことができます。
人は、集まることで
偉大なことを成し遂げることができるものです。
*
一方、一つのことを話し合い、
決めようとしても、逆の作用が働くこともあります。
例えば、
・「同調圧力」が働いたり、
・「評価を懸念」して発言できなくなったり
・自分の発言より他の人の発言を
優先させたほうがいいと「遠慮」したり
・誰かが話すからまあいっか、と
「社会的手抜き」が起こったり
・立場が上の部長がいるがゆえに、
「忖度」して発言ができなくなる
などなど。。。
人が集まるゆえの
グループ・ダイナミクス(集団力学)は
良い意味でも悪い意味でも働きます。
■さて、ではその中で、
どのような働きかけをすれば、
”集団による知的相互作用を促進する”
ポジティブな働きが生まれるのか?
それを行うのが
ファシリテーターであり、
その実践について
理論と実践の両面から網羅的に
わかりやすく整理して頂いているのが
今回ご紹介の本となります。
■率直な感想ですが、
1)理論的な背景をわかりやすく、
まとめていただいている
2)実践に必要なステップを整理しつつ、
役立つフレームを紹介いただいいる
3)ゆえに、実践者の知識と技術の整理にもなり、
入門者にはファシリテーションの指針となる
素晴らしい書籍だと感じました。
何度も読み返したい、そう思いました。
■以下、書籍の紹介、
ならびに目次について
ご紹介させていただきます。
(ここから)
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『ファシリテーション入門 <第2版>』ご紹介
累計10万部のロングセラー、待望の新版!
本書は2004年7月に刊行した『ファシリテーション入門』の改訂版です。
『ファシリテーション入門』は
入門用テキストとして多くの企業や大学で採用され、
当該分野の標準テキストといえるまでになりました。
ファシリテーションとは、
集団による問題解決、アイデア創造、合意形成、教育・学習、変革、自己表現・成長など、
あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きです。
その役割を担う人がファシリテーターであり、
日本語では「協働促進者」または「共創支援者」と呼びます。
ファシリテーションの最大の特徴は、
情報や意見などの内容、コンテンツではなく、
進行や関係といった過程、プロセスを舵取りするところにあります。
改訂版では、多彩なファシリテーションの技法や応用のなかで、
すべての活動の基本となる「話し合い」(会議)のファシリテーションに焦点を当て
その理論と実践スキルを紹介していきます。
最新の知見を盛り込み、第一版を全面的にアップデートしました。
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目次『ファシリテーション入門 <第2版>』
第1章 協働を促進するファシリテーションの技術
1,従来型リーダーシップとマネジメントの限界
2,プロセスを舵取りするファシリテーター
3,ファシリテーションがもたらす3つの効果
第2章 発展するファシリテーションの応用分野
1,ファシリテーションの発展の流れ
2,多彩な分野での応用が広がる
3,ファシリテーターに求められる技術
第3章 場のデザインのスキル ー場を作り、つなげる
1,チーム活動の場をデザインする
2,7つの基本プロセスを使いこなす
3,話しやすい場を作る
第4章 対人関係のスキル ー受け止め、引き出す
1,「聴く力」で共感して分かち合う
2,「応える力」で認めて勇気づける
3,「観る力」で場を読んで投げ返す
4,「訊く力」で引き出して深める
第5章 構造化のスキル ーかみ合わせ、整理する
1,意見のロジックを整理する
2,議論を「見える化」して整理する
3,フレームワークで構造化する
第6章 合意形成のスキル ーまとめて、分かち合う
1,合理的で納得感のある決定をする
2,協調的に対立を解消する
3,成果を分かち合い学習につなげる
第7章 ファシリテーションの実践に向けて
1,会議を変えれば、組織が変わる
2,ファシリテーター・マインドを培う
※引用:Amazon本の紹介より
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(ここまで)
とのこと。
■私(紀藤)自身、組織開発で
ファシリテーションを行わせていただいていますが
意識している、
あるいは無意識であった
「場作り」から「合意形成」までの
各フェーズの流れとポイントについて
フレームワークと解説を交えて、
網羅的に、理論を踏まえて、
丁寧に記述されていることに驚きました。
ゆえに、
ファシリテーションについての
知識の整理とアップデートが
理論と実践の両面から行えた感覚を持てました。
■ただし、入門とあるように、
知ることと
自然とできることは
万里の隔たりがあります。
幅広い内容なので、
今後も逐次見直しながら、
自分の身体知化するくらい
刷り込んでいきたい本だな、、、
そんなことを感じた次第です。
ファシリテーションを行う人、
マネジメントに携わる人にも
ぜひおすすめの一冊です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<今週の一冊>
『ファシリテーション入門 <第2版>』
堀公俊 (著) /日本経済新聞出版
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