カウンセリングにおける5つのアプローチとは? ーキャリアにおけるカウンセリングの理論(中編)ー
(本日のお話 4156字/読了時間5分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は家族で外出。
夕方からは3名の方との
オンラインミーティングでした。
色々な方の人生譚を聞かせていただくのは、
実に勉強になります。
*
さて、本日のお話です。
今日は(も)キャリアをテーマに、
皆様に学びのおすそ分けをさせていただければと思います。
本日は
「キャリアカウンセリングの理論(中編)」
ということで、
※前編はこちら
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4408300/
「カウンセリングの様々なアプローチ」について
ご紹介していきたいと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは
【カウンセリングにおける5つのアプローチとは?
ーキャリアにおけるカウンセリングの理論(中編)ー】
それでは、どうぞ。
■キャリアについて
カウンセリング(相談)をするためには
キャリアの理論を知る必要があります。
加えて、人を支援するための
「カウンセリングの理論」
も大きく関わっており、
この内容についても網羅的に知る必要がある、
とされています。
たしかに、人が人を支援する上で
”人間をどのように
理解しようとしているのか”
という立場によって、
用いられるアプローチが変わってくることは
想像に難くありません。
(例えば、
「感情面」を重視するか
「認知面」を重視するか
「行動面」を重視するか、
によって、手法は変わりそうです)
■そして、
多くのカウンセリングの理論家が、
それぞれの立場から、
アプローチを提唱してきました。
実際、「めっちゃ多い」のですが(汗)
多岐にわたる
それぞれ代表的なものを
並べて整理してみると、
「カウンセリングって、
具体的に何をするのさ?」
「どんなアプローチがあって、
どんな特徴があるのさ?」
について疑問も解消され、
かつ、選択肢の幅も広がるように思います。
■、、、ということで
どんな
キャリアカウンセリングの
アプローチがあるのか?
を見ていきたいと思います。
まず、
「古くからあるカウンセリング理論」として
以下の2つが挙げられています。
第一に、
○「精神分析理論」
(フロイト:1856~1939)
・人間の心を解釈する精神分析の治療法をカウンセリングに応用した。
無意識のものを意識化するなどを通して、
問題行動や症状を生じさせると考えられる人格の変容を目指す。
があり、そして第二に、
○「特性・因子理論」
(ウィリアムソン:1900~1979)
・”心理テスト”を用いたカウンセリングの基礎理論のこと
人には個人差、職業には職業さがあるが、
両者を適合させることが可能であり、重要である、といしている。
があるとのこと。
精神分析とかフロイトは有名ですし、
心理テストを使った、
職業と自分のマッチングなどは
就職活動などでも活用されています。
なんとなく、馴染みがあるものにも思えますね。
■そして、
より深く見ていくと
「キャリアにおけるカウンセリングの
5つのアプローチ」
へと続いていきます。
それは以下の5つです。
1)「行動的アプローチ」・・・行動を重視
2)「感情的アプローチ」・・・感情の果たす役割を重視
3)「認知的アプローチ」・・・信念などの思考を重視
4)「包括的・折衷的アプローチ」・・・上記アプローチの包括的・折衷的なもの
5)「社会構造主義的アプローチ」・・・人の認知は社会的に構築されるという立場に立つ
とのこと。
■種類だけで5つあって、
クラクラしそうですが、
さらにココに具体的な手法が入って、
わけわかめ感がでそうですが、
根気強く、まずは1)~3)のアプローチを
見ていきたいと思います。
以下、まとめてみました。
文字量も用語も多いので、
まあ、こんな感じねーと
サラリと見ていただければと存じます。
(ここから)
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【キャリアにおけるカウンセリングの5つのアプローチ(1~3まで)】
<(1)行動的アプローチ>
(特徴)
・行動主義をその基礎におくアプローチ。
・行動主義は、人は白紙の状態で生まれてきて、色々なことを学習すると考える。
・行動は条件付の結果であると考え、問題行動は学習の結果であるとする。
(行動アプローチの方法)
・行動カウンセリングでは
学習理論に基づき、行動面にアプローチする働きかけを行い、
行動手科学的方法を用いて問題行動を修正したり、症状を除去したりする。
・具体的には、以下の3つのステップである。
1,不適応の原因となっているクライエントの行動を発見し、分析する
2,クライエントと話し合って目標を設定し、計画を立てる
3,目標と計画に基づいて、働きかけを行い、不適応状況を改善し、評価する
(行動アプローチの具体的技法)
○『系統的脱感作法』
(ウォルピ:1915~1998)
・段階的に(=系統的)、敏感でなくなる(=脱感作)ことを
目指すアプローチである。
・不安階層表を作成し、これに基づきリラクゼーションを行いつつ、
段階的に、不安をなくしていく。
○『アサーション・トレーニング』
・どうして自己表現できないのかを明らかにした上で、
自分の意見、感情、権利を抑圧せずに
適切に表現できるように訓練する
***
<(2)感情的アプローチ>
(特徴)
・感情の果たす役割を重視する、感情的アプローチの代表は
ロジャースの来談者中心カウンセリングとされる(木村, 2018)
(感情的アプローチの方法)
・1940年代に精神分析学や指示的カウンセリング、
行動主義的な心理学の人間観に対して反論し、打ち立てられた。
・カウセリングの基本的態度として
「無条件の肯定的配慮」「共感的理解」「自己一致」を重要視する。
・自己理論(=個人の受け取り方や意味付けによって、認知された世界は決まる)という立場をとる。
(行動アプローチの具体的技法)
○『来談者中心カウンセリング』
(ロジャース:1902~1987)
・クライアントのあるがままを受け入れつつ
「自己概念」と「経験」が一致する方向へ援助する。
他の多くの心理療法などに取り入れられている。
**
<(3)認知的アプローチ>
(特徴)
・ビリーフ(信念)などの思考を重視するアプローチ。
(認知的アプローチの特徴)
・自らの認知の歪みや認知の固定化を、理解し、改善する
出来事の受け止め方などを論理的に書き換えることなどで
問題行動や不適応を解決しようとするアプローチ。
(認知的アプローチの具体的技法)
○『交流分析』
(バーン:1910~1970
・人と人との関わり方を中心に考えられた心理療法。
・ステップは、1,構造分析、2,交流パターン文政、3,ゲーム分析、4,脚本分析 をおこなう。
・精神分析の流れを組み、「今、ここ」の感覚を重視し、より現実的なアプローチを行う。
(東大式エゴグラムなども含む)
○『論理療法』
(エリス:1913~2007)
・ABC(DE)理論
・ある出来事(A: Activating Event)の結果(C:Consequence)によって起こる感情は、
その出来事をどう受け止めるかという信念(B:Belife)によって生じる。
・それに対して、反論(D:Dispute)し、ビリーフを論理的に書き換えることにより
不適応を治療するという効果(E:Effect)を得られるとする。
○『認知療法』
(ベック:1921~2021)
・認知の歪みに焦点を当てることによって、精神疾患を治療する手法。
・認知の歪みには「自動思考」と「スキーマ」という二つのレベルがある。
・「自動思考」:ある状況下で瞬間的に浮かぶ考え(例:上手くできないかもしれない)
「スキーマ」:”認知的な構え”で、より深いレベルのもの(例:何でも完全でなければいけない)
・認知の歪みの代表的なものとして、以下のようなものがある。
*「全か無か思考」(完璧でないと意味がないなど極端な二者択一思考)
*「極端な一般化」(女性は感情的だなど極端な決めつけをする)
*「自己関連付け」(関係ないことまで自分に関連付けて判断する)
*「恣意的な推論」(根拠もないのに信じ込んでしまう)
*「拡大視・縮小視」(気になっていることだけを重要視し、それ以外を軽視する)
○『ゲシュタルト療法』
(パールズ:1893~1970)
・ゲシュタルトとは、ドイツ語で「かたち」「全体性」という意味である。
・ゲシュタルト療法では、「図」(知覚される部分)と「地」(背景になる部分)に気づくこと、
「今、ここ」を重視することによって、認知の固定化による問題行動を解決しようとする
・エンプティ・チェア(誰も座っていない椅子に話しかける)、
ドリームワーク(夢の中のメッセージに気づく)などのユニークなワークがある
※引用元:浅野浩美(2022).『キャリアコンサルタント・人事パーソンのためのキャリアコンサルティング』.労務行政 p.87-101
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(ここまで)
とのこと。
予測していましたが、
やっぱり、試験勉強の
ノートみたいになってしまいました、、、(苦笑)
■ただ、こうしてみると
月並みな感想ではあります
広範なアプローチがあることに気が付きます。
そしてそれぞれ、
概念を短く理解するだけでも、
「確かに、
それぞれのアプローチを試すと
今抱えている問題解決に繋がりそう」
と思えるものあると感じます。
■例えば、私(紀藤)のツボでは
『認知療法』の”認知の歪み”は
とても好き(?)です。
よくある認知の歪み、
*「全か無か思考」(完璧でないと意味がないなど極端な二者択一思考)
*「極端な一般化」(女性は感情的だなど極端な決めつけをする)
*「自己関連付け」(関係ないことまで自分に関連付けて判断する)
*「恣意的な推論」(根拠もないのに信じ込んでしまう)
*「拡大視・縮小視」(気になっていることだけを重要視し、それ以外を軽視する)
なんかは、
「うわー、あるある(汗)」
と思ってしまいました。。。
また、
「来談者中心カウンセリング」などの、
肯定の姿勢、共感の姿勢などは、
今の1on1やコーチングに繋がる
傾聴や承認の姿勢に続くものにも感じられます。
■と、知識は知識に過ぎませんが、
「今大切にされている面談方法」
もやはりそこにはルーツがあります。
そして、
・それらのルーツを知ること
・ルーツの違いを知ること
で自らが実践する上でも、
より意図して用いることができるようになる、
とも思えます。
また一つの方法ではなく、
いくつかの手法を網羅的に知ることは
視野狭窄に陥らず、
必要に応じて、適切な手法を選び、
提供できるようになる、
とも感じました。
■ということで、
まだ前半でございます。
明日は後半の
4)「包括的・折衷的アプローチ」
5)「社会構造主義的アプローチ」
に続けたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
人が変わるためには、自分についての意識を
変える事が必要だ。
アブラハム・マズロー
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