今週の一冊『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』
(本日のお話 2856/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日は17キロのランニング。
その他、読書など。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、
お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
本日のタイトルからすると
「ちょっと私には関係ないな、、、」
と思ってしまう方も、
少なくないかもしれません。
しかし、実に奥深い、
”人体の構造について”
理解が進む稀有な本でございます。
ということで、ご紹介してまいりたいと思います!
今週の一冊は、
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『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』
トーマス マーク (著), トム マイルズ (著), ロバータ ゲイリー (著),
小野 ひとみ (監訳), 古屋 晋一 (翻訳)/春秋社
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です。
■個人的な話ですが、
小学生の頃、数年習っていたピアノを
コロナ禍になってから
趣味としてピアノを再開しました。
そして現在、
来月3月に行われる
「ピアノの発表会」に向けて、
淡々と練習しております。
■演奏する曲は
『革命』(ショパン)
というもので、正直
かなりムズイです。。。
私にとっては背伸びした曲ですが
格好良い曲なのでぜひチャレンジしてみたい、
ということで選曲。
かれこれ10ヶ月くらい練習しておりますが、
これがまだまだ聴かせられるレベルではなく、
革命的なほどのヘタっぷりです。
別の意味で、曲を表現しております。
■月1のレッスンの中で
先生に相談します。
「もう、指が疲れちゃって
最後までスタミナが持たないですわ・・・」
すると、先生から
フィードバックがあります。
「たしかに、力が入っていますよね。
ひじと、手首も
もっと柔らかく使ったほうが
良いと思いますよ。
あ、そうだ! そういえば
こういう本があって・・・」
と紹介された本が、
今週ご紹介の一冊でした。
■その本、早速注文し、
開いて見ると中身に驚きました。
、、、というのも、
図解付きの大判の本ですが、
ピアノの鍵盤の絵はほぼゼロ。
全編を通じて、
「人体の骨の構造」
「人体の筋肉の構造」
のリアルな絵がひたすら書かれています。
小学校のとか中学校の
化学室にあった人体模型のアレが
絵で書かれている感じです。
■最初は、
・頭蓋骨
・脊椎
・骨盤
・大腿骨
など腕と関係ないところから始まります。
そして、
・胸骨
・鎖骨、肩甲骨
・腕
・手首
・指
と、全身の構造をひたすら
仔細に説明をしていきます。
真ん中くらいまで、
「手」の話にすら触れないのです(汗)
頭、下半身、、、
それが最終的に
手・指の動きにどのように
働きかけていくのか、
それらを解説をしています。
■そして、
この書籍のキーワードが
【ボディ・マッピング】
なる言葉です。
これは何なのか?というと、
自分が体を動かすとき
”体がどのように動くかの
自分のイメージ”
を意味します。
■例として一つ挙げます。
例えば、
”歩く”
をイメージしてみて下さい。
*
まず、多くの方は、
下半身とは”腰骨のあたり”から
始まるとイメージされていると思います。
(腰骨を触ってみてください)
そして、たぶん
「腰骨から下が”足”」として
足を動かすイメージを
お持ちなのではないでしょうか。
■、、、しかし、実は違います。
その腰骨は”骨盤”なのです。
人体の構造的には
上半身に属します。
では、どこからが下半身なのか?
すなわち脚なのか?
それを確かめるために、
こんな方法があります。
(よろしければ
一緒にやってみてください)
1,まず、腰骨に親指を当てます。
2,親指を当てたまま、その手の人差し指を
下に伸ばします。
3,そして歩いてみます。
その時に、”人差し指の感覚”に注意を払います。
4,すると、人差し指の下の骨が
ちょうつがいのように動いている事に気づきます
5,そこが「大転子」という呼ばれる
大腿骨と骨盤をつなぐ関節になります。
そして、そこから下が「脚」なのです。
すなわち、脚は
私たちがイメージしているよりも、
”もっと下から始まっている”
ということです。
■と、いうように、
「自分の頭の中にある
実は誤った体のイメージ」
を
「実際の、正しい体の
動き方のイメージ」
に変えていく。
このことによって
自然に、無理なく、
人体の仕組みに沿った形で
体を動かす、コントロールすることが
できるようになる。
それが
【ボディ・マッピング】
という、本書で伝えたい
メッセージなのです。
■以前、百獣の王こと、
抜群の運動神経を誇る
タレントの武井壮さんが
こんな事を言っていました。
彼が出ている番組で、
番組の人が、本人に
こんな質問をしました。
「なぜ、そんなに
あらゆる運動種目をすぐに
習得することができるのか?」
というもの。
対して、武井壮さんは、
「なぜなら自分は、
自分の体がどのように動くのか
正しく理解をしているから」
と答えていました。
■曰く、
「例えば、腕を真っ直ぐ、
平行に伸ばそうとするとき、
多くの人はやや内側に入るイメージを持ちます。
しかし、実際はそれよりもちょっとだけ
後ろの感覚で行うと正しく平行になるんです。
こうした感覚を一つずつ
修正していくんです」
そんなお話を語っていました。
、、、そして、
このボディ・マッピングの話を
読んだときに、まさに全く同じ話じゃん、
と合点が行きました。
(大げさかもしれませんが、
武井壮さんの持つ体のイメージを
習得するための本、
と勝手に解釈しています)
■自分の体を効率的かつ、
リラックスして動かすイメージを持つこと。
自分の体の動き方を
その連動がどのように起こるのかを、
正しく知ること。
その認知が置き換わっただけで、
緊張もないため、持久力もパワーも
格段に高まります。
体も動かしやすくなるし、
故障も痛みも出なくなります。
■私(紀藤)は、この本を読んで、
ボディ・マッピングを試すことで
ピアノというよりも、
・ランニングが
楽に走れるようになった
・パソコンのタイピングが
正しく、より早く打てるようになった
などの影響がありました。
ピアノはもっと繊細なので
練習が必要ですが、
ボディ・マッピングの効果は
すごいな、、、と驚きました。
■ということで以下、
書籍のご紹介です。
(ここから)
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コナブルのボディ・マッピングによる「身体の上手な使いかた」。
この本は、いつも譜面台に置いて使ってみてください。
痛みやコリに悩まされず、快適で、思い通りの演奏が可能になります。
人間の身体の基本構造と機能(動き方)、
全身に6ヶ所あるバランス・ポイントをおさえたあと、
いよいよピアニスト大注目の「腕」「肩」「手と指」を詳しく解説。
大きな見やすいイラストは、
見ているだけで目からウロコの発見がたくさんあります。
指先から全身まで、
カラダにできること・できないことをしっかり理解し、
無理をしない/させない使いかたをマスターしましょう。
簡単にできるエクササイズ、
足も使うオルガニストに向けた説明もついています。
※Amazon本の紹介より引用
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(ここまで)
もしこのような「体のお話」にご興味がある方は、
ピアノの経験有無に関わらず
有益な情報が得られる一冊になるかと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<今週の一冊>
『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』
トーマス マーク (著), トム マイルズ (著), ロバータ ゲイリー (著),
小野 ひとみ (監訳), 古屋 晋一 (翻訳)/春秋社
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