効果抜群?!「内観療法」という自己を発見する方法
(本日のお話 2452字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日の祝日は、
キャリアコンサルタントの試験勉強でした。
あと10日ということで
過去問題を問いてみましたが
自分の得意分野と苦手分野が
なんとなくわかった気がします。
(今更ですが・・・汗)
あるデータによると、
過去問を2~3年分解くと
「合格率が83%」となるとのこと。
あまり時間もないので
まずは3年分の過去問題は取り組もう、
と思った祝日でした。
*
さて、本日のお話です。
そんなキャリアカウンセリングの
お勉強の中で
「カウンセリングの理論」
について、
面白いものがありました。
その内容とは
『内観療法』
なるものです。
今日はそのお話についての学びと気づきを
皆様にご共有させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは
【効果抜群?!「内観療法」という自己を発見する方法】
それでは、どうぞ。
■昔からたいへん
お世話になっている会社様で
『内観研修』
なるもの研修として
行っている会社があります。
やることは
・ホテルに一人一部屋ずつ入る
・自分の幼少期からの思い出を振り返る
・時折、全体であつまって
講師から進捗を確認される
・両親にお世話になったことなどを
ひたすらに振り返っていくことで
他者への感謝や、発見が生まれる、
そんなワークですよ、
、、、そんなことを以前
教えていただき、
「なるほど、
そういったワークもあるのか!」
と緩やかに
その存在を認知しておりました。
■その他でも、
あまり詳しくありませんが
座禅やヴィパッサナー瞑想など、
”ひたすらに、
自らの内側に目を向けていく”
ことによる気付きは
想像以上に大きいようで、
それゆえに廃れることなく
体験される人がいるのだろう、
と思っています。
■一方、
それらがどのような理論に
基づいているのか?
そしてそれが
どのようなルーツにあるのか?
などはあまり知られていません。
ゆえに
「瞑想=怪しい」
みたいに安易になってしまうのも、
なんとなくいただけない気もします。
■そんな中、
今回キャリアコンサルタントの
試験問題の中に、
『内観療法』
というキーワードが出てきたのでした。
よくわからず、
見事に間違えたので
そこから論文を調べてみたところ、
先述の内観研修の元となる
歴史やルーツが詳細に書かれており、
面白い!と一人高揚しておりました。
■ちなみに
『内観療法』とは何か?
について、論文
川原隆造.(2002).”内観療法の原理と応用.”心身医学 42 (6): 355–62.
では、このように説明していました。
**
「内観療法」は1941年に
吉本伊信により確立された治療です。
はじまりは、
浄土真宗の一派で行われた
修行法「身調べ」から始まった
仏法に近づくための精神修養法であったとのこと。
この「身調べ」で迷いをなくし、
悟りに至った吉本氏は
そこ得られた幸福感を
より広げていこうと考えました。
しかし、
宗教的色彩が強かったため、
(実際、宗教の精神修養法であるため)
宗教色をなくし、
かつ簡易化することで
『内観療法』
として発展をさせ、
家庭・学校・職場の
精神衛生面の向上に応用されていったとのこと。
詩人の石川啄木が
10日間集中してこれを行ない、
カタルシスと思われる爽快感を得たことから
旋風を起こした、、、
そんなエピソードも書かれていました。
■では、この「内観療法」、
具体的に何を行うのでしょうか?
その特徴は、
2つの構造からできています。
***
<内観療法の進め方>
1)「内観3項目」について考える
・「お世話になったこと」
「して返したこと(お返ししたこと)」
「ご迷惑をかけたこと」
を年代区分ごとに回想していく。
2)集中力を高める
○時間的条件として
15~16時間/1日 × 約7日間
1~2時間おきに面接を行う
○空間的条件として
入院、屏風又はカーテンで遮蔽、
行動・対人接触の制限を行う
3)治療者への関わり方
○謙虚で厳格な対応(父性的構え)
礼儀正しく・いたわり・慈しみの態度(母性的構え)で接する
○症状や病理には触れない(不問)
○個別性と集団性がある場を用意する
***
とのこと。
■あくまでも
始まりは「療法」です。
ゆえに、入院もあります。
そして集中できる環境で
過去から時代区分ごとに、
内観3項目を考えていくと、
最初は漠然として思い出せなかった
幼少期からの体験が、
次第に鮮明に昨日の事のように
思い出せるようになる、とのこと。
ちなみにポイントは
・「お世話になったこと」→2割
「して返したこと(お返ししたこと)」→2割
「ご迷惑をかけたこと」→6割
の比率で考えるとのことで、
特に「ご迷惑をかけたこと」
に重きをおいて考えることが
重要であるとのこと。
■その理由は、
”迷惑をかけたこと”
とは
”相手の立場に立たない限り
正しく考えることはできない”
からです。
そうやって
過去を振り返っていくと、
・自分が目を背けてきた
自己中心的態度
であったり、
・母や近親者から受けてきた愛情の数々
に思いを馳せることになる
といいます。
その結果として
「畏敬を込めた”他者の認識”」
を獲得でき、また
「他者視点を得ることによる
”新たな自己発見”」
の道が開ける、
そんなメカニズムを持つのが
内観療法である、
とのことでした。
■論文によると、
その効果についてこうまとめられています。
”治療過程では、
・恩愛感と自責感の情動体験、
・他者視点と我執からの解放
が見られる。
したがって内観療法では、
・人格面の成長と協調性
が認められる”
とのことでした。
■確かに精神的な世界は
手触り感がなく、
なにそれ、怪しい、、、
と思われた方もいるかもしれません。
ただ、心理療法としては
この論文の調査によると
・88例中73例(83%)が著めて効果あり、
・軽快は8%、中断と不変が9%。
と90%の症例に効果があり、
また
平均2.8年の観察期間を持っても
23例中16例(70%)が著効であった、
とありました。
■とのことで、本日は
心理療法の一つの
「内観療法」とその効果について
まとめさせていただきました。
私も、
他者の認識と自己の発見、
あるいは石川啄木の感じた
カタルシスと思われる爽快感、
を感じてみたいな、思いましたし
機会があれば1週間くらい
やってみたいと感じました。
(余談ですが、
3,4日目がかなり苦痛だそうです)
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
親孝行はあらゆる行いの根本である。
李滉
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