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3307号 2023年3月14日

ポジティブ・コーチングとは何か? ー『ポジティブ・コーチングの教科書』まとめ(1)

(本日のお話 2160字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。
また午後は10キロのランニング。

夜は打ち合わせ&懇親会でした。



さて、本日のお話です。

前からじっくり読みたいと
思っていた本がありました。

それが

『ポジティブ・コーチングの教科書: 成長を約束するツールとストラテジー』
ロバート・ビスワス=ディーナー (著)


でございます。

本書は
ポジティブ心理学に基づくコーチングの第一人者による
人材育成における「強みの伸ばし方」について
書かれている一冊になります。

今日から一週間くらいで
この本を章ごとにまとめていきたいと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは

【ポジティブ・コーチングとは何か? ー『ポジティブ・コーチングの教科書』まとめ(1)ー】

それでは、どうぞ。

■ポジティブ心理学。

どんなものも表と裏があるもの。

以前、知人に勧められて読んだ

『ハッピー・クラシー ー「幸せ」願望に支配される日常』
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/11083/

というアンチ・ポジティブ(!)な著書にて

ポジティブ心理学の”もうひとつの側面”、
たとえば、

・ポジティブ心理学が
「学問」と取り扱われることによる
利権を得た人たちのお話

・ポジティビティがイデオロギーとなり
あらゆる問題の原因ををポジティブな心の姿勢に求める
社会的な圧力になること

・そして、社会問題(貧困、格差、医療、その他)が
真正面から向き合われなくなってしまうこと

などなどを読んでから、

ポジティブ心理学について
冷静な観点を持とうと
距離を置いていた自分がいました。

■、、、が改めて、

「その副作用も含めて
正しく理解をして使うこと」

はメリットがあることであろう、

と思いまして、

この本を丁寧に読み解いていきたい、
と思った今日この頃。

■という前置きを含めてですが

本著書では
そんなポジティブ心理学を
「コーチング」としてどのように活用するのか、

というエクササイズや
アセスメントについてまとめています。

第一章では、

・ポジティブ心理学の概略

・ポジティブ心理学とコーチングの関係

などについて書かれています。

まず、ポジティブ心理学とは、
このような特徴を持つとされます。

以下、引用いたします。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ポジティブ心理学の概略>

1,ポジティブ心理学は人がうまくいっている状況や、
最高の状態にある時に注目する。

2,ポジティブ心理学は、ネガティブなことを無視して
ポジティブなことだけに注目するのではない。
ネガティブ感情、失敗、問題、その他の不快感もみな、
人生の自然で重要な一部と考える。

3,ポジティブ心理学は、科学である。
従って、実証、計測、テストなどを重んじる。
また、応用科学でもある。個人的・社会的生活をよりよくするための、
現実的な介入を生み出すものである

4,ポジティブ心理学の介入の方法は、概してポジティブなものである。
人々の苦痛を和らげることや、普通以下から正常に戻すことではなく、
”さらに”よい状態にすることに注目する。
ポジティブ心理学は、人を「+3から+5に引き上げる」という言い方をされる。

※P8ー9から一部引用
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とのこと。

■繰り返しですが、

ポジティブ心理学は、

・「うまくいっているとき」「最高の状態」に注目する。
かといって「ネガティブ感情」を無視するわけではない。

・科学である。特に応用科学で
現実的な個人・社会生活を”より”よくするものである

という前提を持つのがポイントです。。

■では、

ポジティブ心理学とコーチングの関係を述べると、

”ポジティブ心理学のコーチングと
通常のコーチングとの違いは
明確に定義されていない”

そうです。

2016年の著書が出版された当時であり
それから定義は進んでいるかもしれません。

ただ、このあたりは比較的曖昧なようす。

■そんな背景もあるので

「私、ポジティブ心理学をベースにした
コーチングやってます」

と簡単に誰でも言えてしまうともいえ、

著者はそれは、
ちょっとおかしいんでないか?
と疑問を呈しているようです。

よって、

ポジティブ・コーチングが
「正式な職業」になるようにするには、
6つの領域を抑える必要がある、

といいました。

それが以下のお話です。

***

<ポジティブ心理学コーチングを正式な職業にするために>

1,資格認定を受けること
(=博士過程、他ペンシルバニア大学など)

2,ポジティブ心理学の最新情報を得る
(=ポジティブ心理学の学会誌を定期購読する)

3,個人の強みの表れに注意を払う
(=クライアントの強みを見つけて「ラベリング」する。
そのために強みについてのボキャブラリーを習得すること)

4,定評のあるポジティブ心理学アセスメントを使う
(=科学であるため、厳密なテストを使うことが望ましい。
例:「人生満足度尺度(SWLS)」など)

5,コーチングの方法についてクライアントとよく話し合う
(=問題を探すのではなく、解決策を探そうとする、と握る)

6,パラダイムの転換を起こす
(=強みを取り入れると、コーチ、クライアント
双方が楽しめ、元気づけられる)

***

とのこと。

■やはり

・最新の情報を得る、
・勉強して、学位を取る、

などなど「学び続ける」ことは
当然ながら大事です。

またその他の特徴として

・強みに注目する
・アセスメントを使う

こともポジティブ心理学コーチングの
特徴であるとのこと。

■今後、

ポジティブ心理学を活用した
研究が進むにつれて、

またその学位をとる学生が増えるにつれて
コーチングが職業としての自然な選択になるだろう、

そのように著者は述べています。

■もちろん

”ポジティブな姿勢だけ”
”強みにだけ”

に答えを求めてはいけませんが、

一つの武器として
この強みを伸ばすという視点を持つことは
マイナスにはならないのであろう、

そんなことを思いつつ
第一章を読みました。

ということで明日は「強みを活かす」という
テーマで第二章に続けたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

行動は必ずしも幸福をもたらさないかもしれないが、
行動のないところに幸福はない。

ベンジャミン・ディズレーリ
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