ポジティブ・コーチングとは何か? ー『ポジティブ・コーチングの教科書』まとめ(1)
(本日のお話 2160字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
また午後は10キロのランニング。
夜は打ち合わせ&懇親会でした。
*
さて、本日のお話です。
前からじっくり読みたいと
思っていた本がありました。
それが
『ポジティブ・コーチングの教科書: 成長を約束するツールとストラテジー』
ロバート・ビスワス=ディーナー (著)
でございます。
本書は
ポジティブ心理学に基づくコーチングの第一人者による
人材育成における「強みの伸ばし方」について
書かれている一冊になります。
今日から一週間くらいで
この本を章ごとにまとめていきたいと思います。
それではまいりましょう!
タイトルは
【ポジティブ・コーチングとは何か? ー『ポジティブ・コーチングの教科書』まとめ(1)ー】
それでは、どうぞ。
■ポジティブ心理学。
どんなものも表と裏があるもの。
以前、知人に勧められて読んだ
『ハッピー・クラシー ー「幸せ」願望に支配される日常』
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/11083/
というアンチ・ポジティブ(!)な著書にて
ポジティブ心理学の”もうひとつの側面”、
たとえば、
・ポジティブ心理学が
「学問」と取り扱われることによる
利権を得た人たちのお話
・ポジティビティがイデオロギーとなり
あらゆる問題の原因ををポジティブな心の姿勢に求める
社会的な圧力になること
・そして、社会問題(貧困、格差、医療、その他)が
真正面から向き合われなくなってしまうこと
などなどを読んでから、
ポジティブ心理学について
冷静な観点を持とうと
距離を置いていた自分がいました。
■、、、が改めて、
「その副作用も含めて
正しく理解をして使うこと」
はメリットがあることであろう、
と思いまして、
この本を丁寧に読み解いていきたい、
と思った今日この頃。
■という前置きを含めてですが
本著書では
そんなポジティブ心理学を
「コーチング」としてどのように活用するのか、
というエクササイズや
アセスメントについてまとめています。
第一章では、
・ポジティブ心理学の概略
・ポジティブ心理学とコーチングの関係
などについて書かれています。
まず、ポジティブ心理学とは、
このような特徴を持つとされます。
以下、引用いたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ポジティブ心理学の概略>
1,ポジティブ心理学は人がうまくいっている状況や、
最高の状態にある時に注目する。
2,ポジティブ心理学は、ネガティブなことを無視して
ポジティブなことだけに注目するのではない。
ネガティブ感情、失敗、問題、その他の不快感もみな、
人生の自然で重要な一部と考える。
3,ポジティブ心理学は、科学である。
従って、実証、計測、テストなどを重んじる。
また、応用科学でもある。個人的・社会的生活をよりよくするための、
現実的な介入を生み出すものである
4,ポジティブ心理学の介入の方法は、概してポジティブなものである。
人々の苦痛を和らげることや、普通以下から正常に戻すことではなく、
”さらに”よい状態にすることに注目する。
ポジティブ心理学は、人を「+3から+5に引き上げる」という言い方をされる。
※P8ー9から一部引用
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とのこと。
■繰り返しですが、
ポジティブ心理学は、
・「うまくいっているとき」「最高の状態」に注目する。
かといって「ネガティブ感情」を無視するわけではない。
・科学である。特に応用科学で
現実的な個人・社会生活を”より”よくするものである
という前提を持つのがポイントです。。
■では、
ポジティブ心理学とコーチングの関係を述べると、
”ポジティブ心理学のコーチングと
通常のコーチングとの違いは
明確に定義されていない”
そうです。
2016年の著書が出版された当時であり
それから定義は進んでいるかもしれません。
ただ、このあたりは比較的曖昧なようす。
■そんな背景もあるので
「私、ポジティブ心理学をベースにした
コーチングやってます」
と簡単に誰でも言えてしまうともいえ、
著者はそれは、
ちょっとおかしいんでないか?
と疑問を呈しているようです。
よって、
ポジティブ・コーチングが
「正式な職業」になるようにするには、
6つの領域を抑える必要がある、
といいました。
それが以下のお話です。
***
<ポジティブ心理学コーチングを正式な職業にするために>
1,資格認定を受けること
(=博士過程、他ペンシルバニア大学など)
2,ポジティブ心理学の最新情報を得る
(=ポジティブ心理学の学会誌を定期購読する)
3,個人の強みの表れに注意を払う
(=クライアントの強みを見つけて「ラベリング」する。
そのために強みについてのボキャブラリーを習得すること)
4,定評のあるポジティブ心理学アセスメントを使う
(=科学であるため、厳密なテストを使うことが望ましい。
例:「人生満足度尺度(SWLS)」など)
5,コーチングの方法についてクライアントとよく話し合う
(=問題を探すのではなく、解決策を探そうとする、と握る)
6,パラダイムの転換を起こす
(=強みを取り入れると、コーチ、クライアント
双方が楽しめ、元気づけられる)
***
とのこと。
■やはり
・最新の情報を得る、
・勉強して、学位を取る、
などなど「学び続ける」ことは
当然ながら大事です。
またその他の特徴として
・強みに注目する
・アセスメントを使う
こともポジティブ心理学コーチングの
特徴であるとのこと。
■今後、
ポジティブ心理学を活用した
研究が進むにつれて、
またその学位をとる学生が増えるにつれて
コーチングが職業としての自然な選択になるだろう、
そのように著者は述べています。
■もちろん
”ポジティブな姿勢だけ”
”強みにだけ”
に答えを求めてはいけませんが、
一つの武器として
この強みを伸ばすという視点を持つことは
マイナスにはならないのであろう、
そんなことを思いつつ
第一章を読みました。
ということで明日は「強みを活かす」という
テーマで第二章に続けたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
行動は必ずしも幸福をもたらさないかもしれないが、
行動のないところに幸福はない。
ベンジャミン・ディズレーリ
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