「強み」になかなか注目できないのには、理由があった
(本日のお話 2040字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は3件のコーチング実施。
また夜は、今週末に控えている
キャリアカウンセリングのロープレを、
キャリコンとして社内外に活躍している
指導者の方にお付き合い頂きました。
(Oさん、ありがとうございました!)
19日、実技試験も頑張りたいと思います。
*
さて、本日のお話です。
今日もポジティブ・コーチングを
テーマにお届けしたいと思います。
その中で、
「なぜ人は問題ばかり
注目してしまうのか?」
この理由について
書かれていたお話が
興味深いものでしたので、
皆様にご共有できればと思います。
それでは、早速まいりましょう!
タイトルは
【「強み」になかなか注目できないのには、理由があった】
それでは、どうぞ。
■「人のいいところを見ましょう」
というのは、
道徳的な観点でも、
あるいは人間関係を上手に形成する上で、
大切であると
しばしば言われることと思います。
*
私もこれまでの経験から、
ある研修においては
「”美点凝視”が大事です」
と表現されたのを聞きましたし、
また別のワークショップでは
「GoodとMottoを3:1くらいで
フィードバックしましょう」
と表現されるのも
聞いておりました。
■そして、
その言葉は共感しますし、
納得がいくものでもあります。
「強みや良い特徴を見つける」
これは悪いことではない、
と思えます。
もちろん、誰しもが
欠点があるものですが
「強みや良い特徴を見つけ、
それらを承認する」
ことは、
・自己肯定感を高め、
何かに取り組む意欲を生み出す
・伝えあった
お互いの関係性が良くなる
という効果もあります。
ゆえに、
上手に使えば、
決して損はないことだろう、
と思うのです。
■しかし、
そうは分かっていても、
なかなか”いいところ”を見つけるのは、
簡単ではないようす。
確かに、
自分自身を振り返り思います。
特に身近な人(家族や自分自身、同僚)など
気を許す人であればあるほど
いいところよりも
「ココが欠点だよな」
とつい思ってしまいます。
頭ではわかっていても
”反射的、本能的に
そう思ってしまう”
強力な力を感じるのです。
■ではなぜ、
”「強み」ではなく
「欠点」に注目してしまうのか”
このことについて、
以下のような理由が考えられる、
と述べられています。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<人が「強み」に注目しない理由>
1,人間は進化の過程で、問題を警戒するようになった
(=生き残るためには、リスクや問題に警戒するほうが重要だった)
2,問題は多くの場合、差し迫って感じられる
3,社会規範により、人は謙虚でなければならないと教えてきた
(=強みをオープンにひけらかすのは感じが悪いと思われる)
4,人は、自分の強みを知っているとは限らない
5,成長する部分は、「強みより弱みである」と信じている事が多い
※以下参考の上、一部編集
『ポジティブ・コーチングの教科書: 成長を約束するツールとストラテジー』
ロバート・ビスワス=ディーナー (著) の第二章です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
■たしかに、
言われてみれば納得です。
人間が狩猟民族として
サーベルタイガーの脅威や
荒れ狂う洪水の兆候に敏感にならなければ
生き延びられなかった時代。
(たぶん、そんな時代があったはず、、、)
そんなシーンを想像すると
「問題重視型DNA」ともいえるようなものが
我々に組み込まれていてもおかしくありません。
■ゆえに、
・問題は大きく見えるし、
問題を注目してみてしまう
ことが自然と起こるわけです。
加えて、
「自分、こんな強みあるんスよ!」
と声高に言うのは、
一部のロックスターか、
空気を読めない人のみが許される、
”謙虚であることが是とされる
社会規範に反すること”
とみなされかねません。
多くの人は
自分の強みや良い特徴を
堂々と言うことをはばかる傾向があるものです。
■そして更にいえば、
「欠点」を挙げる言葉は豊富に
思い浮かぶものの、
(例えば、
時間にルーズ、だらしない、雑、
やりきらない、怠惰、配慮不足 etc)
一方、
「強みや良い特徴」
を言葉にするのは
意外と難しかったりするかもしれません。
(例:正確である、マメである、
勤勉である、努力できる、etc)
やってみるとわかりますが、
欠点のほうがいろんな表現があるように
感じさせられます。
■そんな風に、
「強みや良い特徴」は
注目することのメリットもある一方、
なかなか注目しない・できないという
逆向きの引力もある、
と感じられるのでは
ないでしょうか。
■時代はサーベルタイガーの時代とは
少し変わってきており、
承認に対する研究や
ポジティブな関わり方に関する知見も、
増えつつあります。
そんな中で、
「強みに注目しない理由」
を一歩引いてみると、
我々が人を見るとき、
あるいは自分自身を見るときに、
意図的に欠点ではなく
「強みや良い特徴」に係数をかけることの必要性が、
感じられるのかもしれません。
私も、家族に対して、
特にこの傾向を自覚しつつ
「強みや良い特徴をみて
かつ、感謝する」
を心がけたい、などと思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
お互い長所欠点をよく知り合い、
そして欠点を補い合う。
そこから共同の仕事の発展が生まれる。
松下幸之助
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