「強み」に注目することには、科学的根拠があった
(本日のお話 2553字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、午後から
人事系の独立した小規模経営者の方、
合計10名ほどでの「戦略合宿」でした。
また夜は別の会合での懇親会。
奮闘している他者のお話は
実に刺激になります。
自分ももっと頑張ろう!
と思いました。
(皆様、ありがとうございました!)
*
さて、本日のお話です。
今日も引き続き、
ポジティブ・コーチングをテーマに
お届けできればと思います。
本日のテーマは
”強みの研究”
に関するお話です。
”理論や研究”というと、
この言葉だけで説得力が生まれる気がします。
そんな力を、ぜひ上手く
使いこなしたいもの。
それでは、早速まいりましょう!
タイトルは
【「強み」に注目することには、科学的根拠があった】
それでは、どうぞ。
■ちょうど昨晩の話。
上場企業でCHROをされている方と、
会食の帰り道、話をしていました。
その中で何気なく
このようなお話がありました。
「やっぱり理論は大事ですよね。
何か人事系の施策を
展開するときでも、
”この考え方(理論など)を元にすると・・・”
と言われると、なんか説得力があるんですよね」
■曰く、
前任のCHROの方は
MBAを持たれており、
経営陣に施策を提案する際も、
「”経営学などの理論”をベースにして
なぜこの施策を行うのか?」
を説明しており、
そこにとても説得力があった、
だから理論は大事だなと思う、
、、、そんなお話でした。
確かに
”「理論」には
人を説得するパワーがある”
のは、皆様も
実感として納得できることでは
ないでしょうか。
■誰かを動かす上では、
「感情」と「理性」
どちらのアプローチも大事です。
人が判断する際は、
理性だけではなく「感情」も
大きく影響してきます。
情熱を持って、
感情を伴って伝えることは
誰かの心を動かしますし、
”乗ってみようかな”
という気にもさせる力があります。
■しかしながら、
より多くの人を巻き込もう、
説得をしようとするのであれば、
”感情的なアプローチ”だけでは不十分です。
熱っぽく語っても、
それがあまり響かない
合理的な人も当然います。
そうすると、
価値観が合う人は良くても、
そうではない人にとってはまるで響かない、
ともなり得ます。
しかし、
多様な考え、価値観の人を含めて
巻き込もうとするのであれば、
そこには「合理性」が必要になります。
■ゆえに、
知性や論理に訴えかける
”理性的なアプローチ”も重要なのです。
・それを行う合理的な理由は?
・どのようなメリットがあるのか?
・何を根拠にそれが言えるのか?
などを
順序立てて、
事実とデータを元に
伝えることができると、
より多くの方を納得させ、
動かすことが可能になるものです。
■まあ、当たり前といえば
めちゃくちゃ当たり前の話。
しかし、
この両者(感情と理性)の
アプローチのバランスをとるのは
意外と難しいことも。
特に、事実やデータは
どこにいけばそれがあるのか
知っている人は知っているけれど、
わからない人はずっとわかりません。
ゆえに、(わからないので)
・情熱で一点突破を試みる
↓
・冷静に突き返されて玉砕
となるシーンも
しばしばあるかもしれません。
(はい、自分の事です)
■ゆえに、
上手に科学的根拠を
装填する必要があります。
そしてこれは、
「強みに注目したアプローチを
職場内に紹介する」
という場面でも同じです。
例えば、よくある話が、
・ストレングス・ファインダーを受けてみて
とても良かった
・ゆえに、職場内でも展開をさせたい
と思うとき、
「強みを認め合ったほうが、
なんかいいじゃないですか」
と伝えて玉砕する、
という話はしばしば聞きます。
■もし話を持っていくのでも
何かしらの
”根拠となる説得材料”
が欲しいわけです。
そして、その説得材料として
「強みの先行研究がある」
ので、これも使わない手はありません。
■と、だいぶ前置きが
長くなってしまいましたが、
「強みについての先行研究」について
以下のようなことが
これまで言われております。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<強みの先行研究の>
○パフォーマンスが高まる
・業績の良いマネジャーは、強みに注目する傾向がある。
業績の悪いマネジャーに比べ、彼らは生産性の高い部下たちと過ごす時間が長く、
部下の才能と仕事をうまく適合させ、年功よりも強みに力点を置く。
(Clifton, &Harter,2003)
・マネジャーの楽観性とプロジェクトのパフィーマンスには関わりがある。
(Arakawa, &Greenberg, 2007)
○幸福感が増し、抑うつを減らす
・自分の強みを見極めること、また自分の強みを意識的に使うことは、
幸福感を増し、抑うつを減らすことにつながる。
(Steen, Seligman, Peterson, & Park, 2005)
○病気の回復が早まる
・強みの中でも、勇気、親切、ユーモアなどは特に、
病気の回復の仕方に関係する
(Peterson, Park, & Seligman,2006)
※参考:ロバート・ビスワス=ディーナー ,(2016)『ポジティブ・コーチングの教科書』. 草思社 P47
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■このように先行研究から
「強みに注目する」
ことは、
・パフォーマンスが高まる
・幸福感が増す(≒ウェルビーイング)
結果につながることが
示されています。
■そして、
こうしたものを並べると、
やっぱり「説得力が増す」もの。
もちろん、
その理論や先行研究で示された結果は、
特定の文化や文脈の上での研究であるので、
「いついかなる時も必ず通用する」とは限りません。
理論の限界もあるとしても、
それでもなお、力を持ちます。
■ということで、
少し話が散漫になってしまいましたが、
以下、まとめます。
・誰かを説得する、巻き込む上では、
「感情」と「理性」、どちらのアプローチも重要である
・感情だけで伝えても
価値観や信条の相性などで伝わらず
玉砕する可能性もある
・その中で「理論」のアプローチは
合理的であるため、多様な人を説得する、
巻き込む上で、力を持ちうるアプローチである
・「強みに注目するアプローチ」も同様である。
なんかいいよね、ではなく、
どんな結果が期待できるのかを先行研究から示すこと
科学的根拠を示すことで巻き込みやすくなる
こんなお話でございました。
■そしてこうした話は、
今流行りの「ChatGPT」に
「○○についての
先行研究を教えて」
と聞いてキーワードを抽出、
その後、
Google Scholarで詳しく調べる、
なんて方法も今では可能です。
おそらく、
そんな風に活用しつつ
理論や研究などの話も含めて
説得力のある話をすることも、
今後はよりやりやすくなるのだろうな、
そんな事も思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
他の人の書いたものを読んで、自己を向上させよ。
他の人が苦労して得たものをそれで容易に得ることができる。
ソクラテス
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