「ミッション・ステートメントの書き方」の4ステップ
(本日のお話 2543字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は外部顧問先の
人事部の皆様へのコーチングなど。
また、夜は10キロのランニングでした。
*
さて、本日のお話です。
本日のテーマは
「ミッション・ステートメント」
について。
『7つの習慣』でも紹介されているように、
知る人ぞ知る、有名なワークでございます。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは
【「ミッション・ステートメントの書き方」の4ステップ】
それでは、どうぞ。
■『ポジティブ・コーチングの教科書』
において
”「ベストな自己」を思い描くことが
自尊心が高まり、自己効力感も高まることが
研究でわかった(ロバート,2005)”
という話が紹介されています。
どうやら人は、
”こうありたい”
というイメージを持つことで
自らをそちら側に
引き上げようとする作用があるようです。
当たり前の話のようですが、
意外とこうした話は、
眉唾に思われたり
あるいは当たり前すぎて今更語られないこと
でもあるようにも感じます。
■とはいえ、
よく言われることは
なにかしらの意味があること。
それは
「志」というかもしれないし
「ミッション」というかもしれないし
「ビジョン」というかもしれない。
ただ、
人は易きに流れてしまいそうになるもので、
「言葉で己を躾ける」という意味でも、
言語化をすることは
決してマイナスにはならない、
と感じております。
■では、具体的に
「ベストな自己」を思い描く方法として
どのような方法があるのか?
について
『「ミッション・ステートメントを書き方」の4ステップ』
が、同書籍に紹介されていました。
「自らの価値観と強み」を
反映させるやり方になっており
シンプルだけれど、有用な内容であると感じましたので、
以下、その手法について
要約し、ご紹介いたします。
(ここから)
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【「ミッション・ステートメント」の作り方】
※以下は、特にコーチングやワークショップで
誰かを巻き込みながら作る上で有効と述べられています。
<STEP1> コアバリュー(中心的価値観)を書き出す
・ザッポス(靴の通販サイト)などでは、
「最高の顧客サービス」「社員エンゲージメント」を大事にしており、
短期間の間に、それらの価値観を大切に急成長した。
・同じように、自分にとって
”自らの行動を導く基本方針”はどのようなものがあるか?
・2~5つくらいの「価値観」について書き出してみる
*
<STEP2> 自分の強みを考える
・例えば、「VIA」のアセスメントの 「24の強みのリスト」を見て、
自分を表していると思われるものを2,3選んでみる。
・その他、「ストレングス・ファインダー」や「Realize2」などの
他のアセスメントを用いても良い。
・小さいグループでやる場合は、「近い将来に何を楽しみにしているか?」という
質問を通じて、その人の強みを特定することもできる。
・2~5つくらいの「よく使う強み」について書き出してみる
*
<STEP3> 自分の価値観をさらに考える
・自分の価値観をさらに考える上で、
有効ないくつかの質問がある。例えば
「何を成し遂げた時に、最も誇らしく感じますか」
「あなたは世の中に何を遺産として残したいですか」
「自分が最高の状態にあるのはどんな時ですか」など。
・数分間時間をとって、答えを自由に書く
*
<STEP4> 繰り返し顔を出すテーマを考える
・ここまででクライアントの価値観、強みなどが明らかになる。
これがミッション・ステートメントの土台となる。
・次に似通ったテーマ、繰り返し顔を出すテーマを考える。
多くの場合「人の役に立つ」がよく現れる。
・ただし、「人の役に立つ」でも”どのように役に立ちたいのか”は
人によって違ってくる。
(例:家族に愛情を注ぎたい、見知らぬ誰かを勇気づけたいなど)
・それらについて注目をする
*
<STEP5> ミッション・ステートメントを記述する
・以下の2段落で記述する。
○第一段落:中心となる価値観について記述する
例:私が価値を見出すのは「成長」である。
自分自身が生涯を通して学ぶことと、
様々な年代の色々な背景を持つ人達の成長を助けることの両方に関心がある。
人々の手助けをすることは、世の中をより良くすることに繋がると信じている
○第二段落:その価値をどう実行に移すか、具体的に記述する
例:個人的成長のためには、ポジティブさが必要である。
私はユーモアやストーリーを使って、
人々を励まし、安心、視野の広がりを感じて成長できるような
ポジティブな環境を作りたい。
教師、メンター、コーチ、研究者としての立場を生かして、
人々の成長のための土台を用意したい。
※ロバート・ビスワス=ディーナー (2016),『ポジティブ・コーチングの教科書』
P76-79より引用の上、著者て編集
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■なるほど。
この書き方で自分が面白いと思ったのが、
・「価値観」を考える
・「強み」を考える
・「ミッション」を価値観の説明+具体的行動で書く
という流れです。
■キャリア理論で有名な
エドガー・シャインは
”自己概念”の3つの側面として
「What(したいこと)」
「Must(すべきこと)」
「Can(できること)」
を挙げました。
また”職業上の自己概念”としては
別の表現として、自覚された
「才能や能力」
「動機と欲求」
「態度と価値」
で構成される、とも語っています。
■私の所感ではありますが、
・What(したいこと)
・態度と価値
は「価値観」が関わっており
・Can(できること)
・才能や能力
には「強み」が関わっている、
と捉えられると思います。
そして、
「価値観」と「強み」は
それらを活かしたいと思う
「動機と欲求」にも関わるとも言えそうです。
■ミッションやビジョンも
色々な書き方があるようですが、
今回ご紹介させていただいた
・「価値観」を考える
・「強み」を考える
・「ミッション」を価値観の説明+具体的行動で書く
を含めた4つのステップは
それらの”自己概念”にも触れており、
かつやたら時間がかかりそうな
複雑なワークでもありません。
ゆえに、「活用しやすい」とも感じて
面白いな、と思ったのでした。
■こうしたミッションなどの問いは
大事だと思いつつ、つい放置しがちです。
ただ、こうした方法もあるので
時折、「ありたい自分」に思い馳せてみるのも
有意義ではなかろうか、、、
そんなことを思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
真の欲求がなければ、真の満足はない。
ヴォルテール
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