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3331号 2023年4月7日

エビデンスのピラミッド ー「信じるに値するか」を見極める方法ー

(本日のお話 2541字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。
夜はコーチング仲間との勉強会への参加など。



さて、本日のお話です。

最近、

『健康になる技術 大全』
林 英恵 (著)/ダイヤモンド社


という本を読んでいます。

この著書、かなり面白いです。

結論、タイトル通り
科学的に正しい「健康になるための技術」
について書かれているのですが、

食事、運動、睡眠などについて
今わかっている科学的に正しい答えを

ハーバード大学公衆衛生大学院にて
科学博士を取得した著者が

数々の論文や研究データを渉猟し、
書籍としてまとめています。

この本の詳細は本日は触れませんが、
その中に、ぜひ紹介したい内容がありました。

それが

「エビデンス(科学的根拠)とはなにか?」

というお話。

本日はその内容とそこからの学びについて
皆様にご共有させていただければと思います。

それでは、参りましょう!

タイトルは

【 エビデンスのピラミッド ー「信じるに値するか」を見極める方法ー】

それでは、どうぞ。

■世の中には、
様々な「情報」がありますね。

今は情報の量は溢れすぎており、
むしろテーマはその膨大な情報の中で、

「信じられる情報と出会うこと」

であると感じます。

(今話題のChatGPTも、

過去のインターネット上に
ストックされている情報を元に答えを構築しており、

誤った情報が流布されていたら
それを元にした情報になったりと、
疑わしい答えが出ることも指摘され始めているようです)

■その情報の中でも、特に

「健康情報」

というのは厄介です。

健康に関するものは、
その切迫感から、
藁をもすがる思いになりやすいもの。

ゆえに、個人の感想でも

「効果があった」

というと何らかの
引力を持ってしまいます。

しかし、個人の感想は
当たり前ですが、誰にでも当てはまるわけではありません。

「それってあなたの感想ですよね」

では一般化はできず
信頼できるエビデンスとは呼べないのです。

■しかし、

「そもそもエビデンスとは何か?」

についての知識がないと、

個人の感想と
信頼おける情報をごっちゃにしてしまい

結果が出ない
お金を膨大に使う

などになる可能性も、
ゼロではありません。

それは信頼できる情報なのか?を

客観的に分析せず、
その果てに出なかった結果について、

闇に葬りさられて、
誤情報が広まるのは、
望ましいとは思いません。

■さて、上記に関して

上述の著書では
現状についてこのように指摘します。

「日本の健康情報は

エビデンスではないもの、
あるいは一番低いエビデンスなのに、

もっともらしく語られているものが
見受けられる」

と。

■「エビデンス」とは

証拠・根拠と訳されるように、

”これは信頼おける情報であると
示すための証拠”

です。

そしてこのエビデンスについて
様々なレベルがあることを、

『エビデンスのピラミッド』

というもので紹介しており、
その内容がわかりやすく、納得するものでした。

以下、ご紹介いたします。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【エビデンスのピラミッド】

以下、信頼性が高いものから順に

(1)複数の研究の総合的なレビュー
(メタアナリシス・系統的レビュー)

→あるテーマに関する世界中に様々な結果を統合し、総合的に分析したもの。
ある程度のレベルのエビデンスの結果を積み重ね、専門家が統合的に分析するイメージ。

**

(2)無作為に割り付けた研究
(ランダム化比較実験)

→2つ以上のグループを比較し、
そのグループの構成を無作為にして分析をしたもの。

**

(3)前後比較・準実験・観察研究
(対照群のあるもの)

→1つのグループの前後での比較をしたもの。
介入前後でどのような変化が起きたのかを分析する。

**

(4)専門家個人の意見・動物実験・試験管での研究

→1人、あるいは数人を対象とした研究の結果。
または動物実験によるもの。信頼性はこの中では一番低い

※出典:福井, 次矢. エビデンスに基づく診療ガイドライン. 日本内科学会雑誌. 2010. 第99号(第12号)
林(2023), "健康になる技術 大全". ダイヤモンド社.P34~36より引用し、著者にて編集

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。

■上記を見ると、

世界中のデータを分析~個人の感想

まで、様々な範囲の
エビデンスの種類があることがわかります。



そして、繰り返しますが、

「日本の健康情報は
一番低いレベルのエビデンス」

「またはエビデンスにすら入らない」

ものが多く見られます。

■例えば、たまにテレビで見かける

「◯◯病院のXX先生によれば・・・」

というのは、ピラミッドの一番下の
(4)専門家個人の意見ですし、

あるいは

テレビのCMで見かける
どこかのおじさん、おばさんが

「飲むだけでー16キロ痩せました!」
(※個人の感想です)

とコメントを語っているのは
エビデンスにすらならない、

ということです。

■しかし、

私たちにとって
「健康」の情報は身近なものですし

その他の情報も、
我々の日々の意思決定に関わります。

ゆえに、
情報に溢れた現代において、

「何が信頼できるのか」
を問う姿勢も大事ですし、

「信頼できる情報の見極め方」として
ひとつのモノサシを持つことも、

必要なことであろう、と感じます。

■余談ですが、

私自身のかつて

身内や自分自身の健康に
トラブルがあった時に

こうした情報がわからず
藁をもすがる思いで色々と試しました。



例えば、

ある病院で進められた
科学的根拠があるかないかわからない
「たんぽぽ茶」生活。

あるいは別の病院で
治療の一環として勧められた
「肉だけ食べる」生活。

あるいは別の整体院で勧められた
体中に針をさして
「血を出して毒を抜く療法」。

ものによっては
明らかに「改悪」したものもありました。

、、、でも、きっと
その先生には「成功例」しか
届いていないのだろうな、

と思ったものでした。

(改悪した私のような人は、
静かに去って、その人の前からいなくなるので)

■ということで

明日は我が身。

信頼性を見極める上で
上記でご紹介した

『エビデンスのピラミッド』

という考え方は、一つ
参考になる考えだと思った次第です。

論文の見極めにも使えます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

信頼が失われたならば、
何を語っても意味がない。

フランツ・カフカ
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