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3332号 2023年4月8日

ポジティブ・アセスメントのご紹介 ー「強みの活用度合い」を測る質問紙ー

(本日のお話 2686字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は1件のアポイント。
その他、研修資料の作成など。

また4月から新しく参加する
あるコミュニティの勉強会への参加でした。



さて、本日のお話です。

本日は

「ポジティブ心理学における様々な尺度」

についてご紹介させていただくとともに
そこからの学びについて
皆様にご共有させていただければと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは

【ポジティブ・アセスメントのご紹介 ー「強みの活用度合い」を測る質問紙ー】

それではどうぞ。

■世の中には、

「◯◯診断」

みたいなものが
たくさんあります。

おもしろ系でいくと、

・しいたけ占い
・戦国武将占い

みたいな占いのようなもあれば、

・ストレングス・ファインダー
・VIA
・MBTI
・ビック5

など性格や特性に特化した
アセスメントもあります。

こうしたものを見るたびに、
人は自分のことが知りたい生き物だよな、

などと感じます。

■その中でも

”研究によって開発された
「公式なアセスメント」”

などと言われると、
説得力なが増します。

こうした診断やアセスメントは、
自分のことを分析してくれる一つのツールであり

「自分のことをより知りたい」、
「まだ知らない自分を見つけたい」

という欲求に答えてくれますし、

目には見えないその人の
特性・能力・価値観・感情などを
”見える化”できるため

「他者理解に役立つ」

という作用もあります。

職場で使われている
エンゲージメントサーベイや
ストレスチェックなどもそう。

ゆえに人間関係や
職場の組織づくりに
役立つものでもあります。

■世の中にあるアセスメントを
全部把握することはできません。

しかし、有用である
いくつかのアセスメントのラインナップは
知っておくと使えるシーンもあるかと思います。

そんな中で、

書籍『ポジティブ・コーチングの教科書』
ロバート・ビスワス=ディーナー (2016)
https://amzn.asia/d/3CRpNhz

にて、

「ポジティブ心理学」に関連する
様々なアセスメントが紹介されていました。

つまり

”自分の可能性を更に探索するために
役立つアセスメント”

とも言いかえられるかと思います。

■例えば、こんなものです。

1,領域別満足度尺度  ー人生のさまざまな領域における満足度の尺度

2,ポジティブ経験・ネガティブ経験尺度(SPANE) ー感情の傾向などを知る尺度

3,主観的幸福感尺度(SHS) ー総体的な幸福感の尺度

4,人生の意味尺度 ー人生の意味の感じ方を測るもの

5,ワークライフ調査票 ー仕事がジョブか、キャリアか、コーリングかを見極める調査法(=どれくらい天職と思えているか)

6,仕事の目的意識尺度 ー仕事から得られる意味を測る尺度

7,好奇心探索尺度 ー新規性探索の尺度

8,深く味わうことに対する考え方尺度 ー期待・過去の思い出などを味わうことにかする尺度

9,ワークスタイル尺度 ー仕事に対する動機づけの尺度

10, 本来性尺度 ー本来の生き方と外部からの影響の大きさの尺度

11, 強み活用感尺度 ー一般的な強み活用の尺度

とのこと。

うーん、たくさんですね。。。

詳しくは著書をお読みいただければと思いますし

それぞれの尺度にも
エビデンスの信頼度に幅がありそうですが、

いずれもある程度
研究者によって研究がなされており

「妥当性がある」
(=測定しようとしているものが測れる)

とされたものである、
と紹介がされています。

■全部ご紹介は難しいので、

”個人的なおすすめ”

として以下2つを
詳しくスポットを当ててみたいと思います。
(紀藤の独断と偏見です)



まず、コーチングで使える尺度は、

「1,領域別満足度尺度  ー人生のさまざまな領域における満足度の尺度」

です。

これは、人生の満足度を

・仕事
・経済面
・身体面
・精神面
・親密な関係
・周囲の支援
・家族
・学習/成長
・自宅/オフィスの環境
・遊び/楽しみ

という観点で0~10まで
スコアリングしてみる、

というものです。

そうすると、

どの点に満足をしていて、
どの点が不満足なのかを見える化でき、
自分の人生における伸びしろを考えることができます。

職場だと少しディープなテーマになりますが
ライフコーチング(人生全般のコーチング)だと
割と使える尺度です。

■更にもう一つ、

これはありそうでなかった、
と思ったアセスメントが

「11, 強み活用感尺度 ー一般的な強み活用の尺度」

です。

”強み全体の活用状態を眺めてみる”

ことを目的に開発された尺度とのこと。

ちなみに、以下のような内容です。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【強み活用感尺度】

(説明)
以下の質問は、あなたの強みに関するものです。
強みとは、あなたがうまくできることや、
最も力が発揮できるもののことです。

以下の記述を読み、7段階評価で答えて下さい。
(1:全く当てはまらない~ 7:非常によく当てはまる)



1_自分が特異なことを日常的に使うことができる

2_自分の強みをいつも活かそうとしている

3_自分の強みをいつも使おうと心がけている

4_自分の強みを使うことで、自分の目標を達成できる

5_私は毎日自分の強みを使っている

6_今の生活において、自分の強みを様々な形で使う機会がある

7_自分が望むことを手に入れるために、自分の強みを使っている

8_私は自分の強みを、様々な状況で使うことができる

9_今の生活や仕事において、自分の強みを活用する機会がたくさんある

10_自分の強みを使うことは、自分にとってとても自然なことだ

11_自分の強みを使うことは、自分にとってとてもたやすいことだ

12_自分の生活のほとんどの時間において、自分の強みを使っている

13_強みを使うことは、自分にとってとても馴染みのあることだ

14_強みをさまざまなやり方で活用することができる

※ロバート・ビスワス=ディーナー (2016),『ポジティブ・コーチングの教科書』
P194より引用

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

とのこと。

そして上記問いを通じて、

・強みの活用の状態が理解できる

・それらを活用することで
「本来の自分感」「活力」「幸福の増進」に結びつく

ことが明らかにされた、

と説明されています。

■「強み」の特定の領域についてのアセスメントは

あまり見かけたことがなかったので
このアセスメントは興味深いものでした。

ただ、

「著者の同僚が開発した」
というのみ記載であり、

具体的な尺度の研究手法、
仮説や結果などの詳細について
記載された論文がないのが残念ではあります。

しかし、

一つ強みの活用状態を測る、
参考にはなるのだろう、

と思いました。

■アセスメントについて

こういったものがあるということを収集し、
知っておくことで、

個人でも職場でも、

「課題と感じているテーマについて
測定をする手段」

になり得るのだろう、

そんなことを思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

人の強みを生かすことが組織の目的であり、
マネジメントの権限の基盤である。

ピーター・ドラッカー
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