ポジティブ・アセスメントのご紹介 ー「強みの活用度合い」を測る質問紙ー
(本日のお話 2686字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は1件のアポイント。
その他、研修資料の作成など。
また4月から新しく参加する
あるコミュニティの勉強会への参加でした。
*
さて、本日のお話です。
本日は
「ポジティブ心理学における様々な尺度」
についてご紹介させていただくとともに
そこからの学びについて
皆様にご共有させていただければと思います。
それではまいりましょう!
タイトルは
【ポジティブ・アセスメントのご紹介 ー「強みの活用度合い」を測る質問紙ー】
それではどうぞ。
■世の中には、
「◯◯診断」
みたいなものが
たくさんあります。
おもしろ系でいくと、
・しいたけ占い
・戦国武将占い
みたいな占いのようなもあれば、
・ストレングス・ファインダー
・VIA
・MBTI
・ビック5
など性格や特性に特化した
アセスメントもあります。
こうしたものを見るたびに、
人は自分のことが知りたい生き物だよな、
などと感じます。
■その中でも
”研究によって開発された
「公式なアセスメント」”
などと言われると、
説得力なが増します。
こうした診断やアセスメントは、
自分のことを分析してくれる一つのツールであり
「自分のことをより知りたい」、
「まだ知らない自分を見つけたい」
という欲求に答えてくれますし、
目には見えないその人の
特性・能力・価値観・感情などを
”見える化”できるため
「他者理解に役立つ」
という作用もあります。
職場で使われている
エンゲージメントサーベイや
ストレスチェックなどもそう。
ゆえに人間関係や
職場の組織づくりに
役立つものでもあります。
■世の中にあるアセスメントを
全部把握することはできません。
しかし、有用である
いくつかのアセスメントのラインナップは
知っておくと使えるシーンもあるかと思います。
そんな中で、
書籍『ポジティブ・コーチングの教科書』
ロバート・ビスワス=ディーナー (2016)
https://amzn.asia/d/3CRpNhz
にて、
「ポジティブ心理学」に関連する
様々なアセスメントが紹介されていました。
つまり
”自分の可能性を更に探索するために
役立つアセスメント”
とも言いかえられるかと思います。
■例えば、こんなものです。
1,領域別満足度尺度 ー人生のさまざまな領域における満足度の尺度
2,ポジティブ経験・ネガティブ経験尺度(SPANE) ー感情の傾向などを知る尺度
3,主観的幸福感尺度(SHS) ー総体的な幸福感の尺度
4,人生の意味尺度 ー人生の意味の感じ方を測るもの
5,ワークライフ調査票 ー仕事がジョブか、キャリアか、コーリングかを見極める調査法(=どれくらい天職と思えているか)
6,仕事の目的意識尺度 ー仕事から得られる意味を測る尺度
7,好奇心探索尺度 ー新規性探索の尺度
8,深く味わうことに対する考え方尺度 ー期待・過去の思い出などを味わうことにかする尺度
9,ワークスタイル尺度 ー仕事に対する動機づけの尺度
10, 本来性尺度 ー本来の生き方と外部からの影響の大きさの尺度
11, 強み活用感尺度 ー一般的な強み活用の尺度
とのこと。
うーん、たくさんですね。。。
詳しくは著書をお読みいただければと思いますし
それぞれの尺度にも
エビデンスの信頼度に幅がありそうですが、
いずれもある程度
研究者によって研究がなされており
「妥当性がある」
(=測定しようとしているものが測れる)
とされたものである、
と紹介がされています。
■全部ご紹介は難しいので、
”個人的なおすすめ”
として以下2つを
詳しくスポットを当ててみたいと思います。
(紀藤の独断と偏見です)
*
まず、コーチングで使える尺度は、
「1,領域別満足度尺度 ー人生のさまざまな領域における満足度の尺度」
です。
これは、人生の満足度を
・仕事
・経済面
・身体面
・精神面
・親密な関係
・周囲の支援
・家族
・学習/成長
・自宅/オフィスの環境
・遊び/楽しみ
という観点で0~10まで
スコアリングしてみる、
というものです。
そうすると、
どの点に満足をしていて、
どの点が不満足なのかを見える化でき、
自分の人生における伸びしろを考えることができます。
職場だと少しディープなテーマになりますが
ライフコーチング(人生全般のコーチング)だと
割と使える尺度です。
■更にもう一つ、
これはありそうでなかった、
と思ったアセスメントが
「11, 強み活用感尺度 ー一般的な強み活用の尺度」
です。
”強み全体の活用状態を眺めてみる”
ことを目的に開発された尺度とのこと。
ちなみに、以下のような内容です。
(ここから)
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【強み活用感尺度】
(説明)
以下の質問は、あなたの強みに関するものです。
強みとは、あなたがうまくできることや、
最も力が発揮できるもののことです。
以下の記述を読み、7段階評価で答えて下さい。
(1:全く当てはまらない~ 7:非常によく当てはまる)
*
1_自分が特異なことを日常的に使うことができる
2_自分の強みをいつも活かそうとしている
3_自分の強みをいつも使おうと心がけている
4_自分の強みを使うことで、自分の目標を達成できる
5_私は毎日自分の強みを使っている
6_今の生活において、自分の強みを様々な形で使う機会がある
7_自分が望むことを手に入れるために、自分の強みを使っている
8_私は自分の強みを、様々な状況で使うことができる
9_今の生活や仕事において、自分の強みを活用する機会がたくさんある
10_自分の強みを使うことは、自分にとってとても自然なことだ
11_自分の強みを使うことは、自分にとってとてもたやすいことだ
12_自分の生活のほとんどの時間において、自分の強みを使っている
13_強みを使うことは、自分にとってとても馴染みのあることだ
14_強みをさまざまなやり方で活用することができる
※ロバート・ビスワス=ディーナー (2016),『ポジティブ・コーチングの教科書』
P194より引用
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(ここまで)
とのこと。
そして上記問いを通じて、
・強みの活用の状態が理解できる
・それらを活用することで
「本来の自分感」「活力」「幸福の増進」に結びつく
ことが明らかにされた、
と説明されています。
■「強み」の特定の領域についてのアセスメントは
あまり見かけたことがなかったので
このアセスメントは興味深いものでした。
ただ、
「著者の同僚が開発した」
というのみ記載であり、
具体的な尺度の研究手法、
仮説や結果などの詳細について
記載された論文がないのが残念ではあります。
しかし、
一つ強みの活用状態を測る、
参考にはなるのだろう、
と思いました。
■アセスメントについて
こういったものがあるということを収集し、
知っておくことで、
個人でも職場でも、
「課題と感じているテーマについて
測定をする手段」
になり得るのだろう、
そんなことを思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
人の強みを生かすことが組織の目的であり、
マネジメントの権限の基盤である。
ピーター・ドラッカー
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