自分から”組織になじむ”ためにできること(その2) ープロアクティブ行動の「他者指向型行動」-
(本日のお話 3001字/読了時間4分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は大学院の同期生の会社へ
ストレングス・ファインダー研修の開催。
チームビルディングの一環として
実施をさせていただきました。
素直で素晴らしいスタッフの皆様でした。
(Dさん、ありがとうございました!)
*
さて、本日のお話です。
昨日は、
「自分から”組織になじむ”ために
できること」
というテーマでお伝えしました。
特に、
”組織に馴染むためのプロアクティブ行動は
3つの次元に分類することができる”
として、
・{自己指向型行動}:”自分自身の意識次第”で取れる行動
・{他者指向型行動}:”他者の存在や協力が不可欠”であり、他者によって行動の質が左右される行動
・{仕事指向型行動}:自分が関わる”仕事やタスクに対して働きかける”行動
としてご紹介いたしました。
※『組織になじませる力』尾形 真実哉 (著)より
今日は、昨日に続き
「他者指向型行動」について
学びのご共有をさせていただければと思います。
それではまいりましょう!
タイトルは
【自分から”組織になじむ”ためにできること(その2)
ープロアクティブ行動の「他者指向型行動」-】
それでは、どうぞ。
■組織に参加したときに、
上手くいくかどうかの
大切な要素の一つが
「人間関係を
上手に作れるかどうか」
であろうかと思います。
■ちょっと話がずれるようですが
少し前に、ある職場における、
中途入社者3名の人に、
”入社したときの気持ち
(期待や不安)”
をインタビューする機会がありました。
その中で3人の話は
共通するところもあれば
違っているところもありました。
*
例えば、
ある1人の方言っていたことは
以下のようなことでした。
「その会社の代表が
”ぜひ来てください、期待しています!”
といってくれて入社を決めた。
しかしいざ入社すると、
特に会社の中では社長が言っていたような
ウェルカムモードは共有されていなかった。
そして、人間関係や役割がわからず、
コミュニケーションを取ることに苦労した」
というようなお話。
その会社はよく知っているので、
うーん、たしかにわかる、、、
ありそうだなあ、、、
と共感してしまいました。
■一方、2人目の人は
お話される内容が
少し違っていました。
ちなみにその方は、
前職で自主性を求められてやってきたそう。
違ういい方をすれば
「かなり放置されて育ってきた
(そして成果を出してきた)」
人ともいえます。
その方は、こんなことを
お話されていました。
「新しい組織で人間関係をつくるのは
自分だと思っている。
なので、社内の勉強会には
自ら積極的に参加した。
また自分から勉強会の幹事役を名乗り出た。
その行動を通じて、
色んな人とつながることができたし、
相談に乗ってもらうこともできるようになった。
それが仕事の情報収集に役立っているし、
誰に意思決定を仰げばよいかもわかった」
というような内容でした。
■もちろん、上記に関していえば、
”組織の受け入れ体制にも課題あり”
といえるかと思います
全社的に
新人を受け入れるための
ウェルカム体制が整っており
上下の関係づくりだけでなく
斜めや横の関係をつくれるよう
歓迎会や部門説明会、キーパーソンとの顔合わせなどの
仕組みが整っていれば、もちろん望ましいです。
しかし、あらゆる組織に
そのような体制があることを期待しても、
ない場合はないので、そこは受け入れるしかありません。
組織に参加する新人が
そこに対して嘆いたとしても、
自分は仕事ができるようになるわけではないので、、、。
*
ゆえに、2人目の方のような
「社内のネットワーク構築をし、
自分の仕事に役立てる」
ごとき行動は、まさしく
”組織に馴染むためのプロアクティブ行動”
(=自ら周りに影響を及ぼす未来志向の行動)
であり、そのプロアクティブ行動の
3つの次元の一つ、
{他者指向型行動}:
”他者の存在や協力が不可欠”であり、
他者によって行動の質が左右される行動
であると言えるかと思います。
■さて、この
他者の協力を仰ぐ
{他者指向型行動}について、
ネットワーク構築などの他に、
どのような行動があるのか?
このことについて
ご紹介させていただいた書籍にて
詳細がまとめられていました。
以下、その内容について
概要をお伝えしたいと思います。
(ここから)
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【組織に馴染むための「プロアクティブ行動」 ~「他者指向型行動」~】
●{他者指向型行動}とは:
他者の存在や協力が不可欠”であり、
他者によって行動の質が左右される行動のこと
*
(1)ネットワーク構築/活用行動:
社内の他者と広い関係性を構築し、
そのネットワークから得られた情報を仕事に活かす行動のこと。
仕事がスムーズに進むことに加えて、
人間関係や会社全体の仕組み、ルールなど、
組織文化についての情報も入手できるため
文化理解”が進み、会社への愛着にもつながる。
(2)フィードバック探索行動:
日頃の自分の仕事をしっかりと見ている身近な存在に対して、
フィードバックを取りに行く行動のこと。
フィードバックは、自分の仕事がどのように見えているかを知る、
時に耳の痛いことを含むものである。
このフィードバックを上司や同僚から
自ら積極的に収集、内製し、自分自身の成長につなげる行動である
☆フィードバックをもらうポイント
1,「誰にフィードバックをもらうか」
・距離感:自分の仕事ぶりを近くで見ている人
・尊敬度:仕事に熱心に取り組み、パフォーマンスを発揮している尊敬できる相手であること
2,「フィードバックの数」
・多くの人から得られたほうが、成長につながる
可能な限り多くの上司や同僚から聞けるとよい
(3)援助要求行動:
援助を求める行動のこと。
援助を求めるとは、困っている現状を抜け出すために助けを求める行動である。
独力で解決するほうが、試行錯誤の家庭で多くの知識・スキルを
習得できる可能性は高いかもしれない。
しかし、誰かに助けを求めようが、
問題や課題が解決されれば、そこから多様な知識・スキルを習得できる。
その結果、
・短時間で解決できる(時間的コストの抑制)、
・独立での解決とは異なる成果(ネットワークの構築や広範化など)
を得ることができる、
※尾形(2021)『組織になじませる力ーーオンボーディングが新卒・中途の離職を防ぐ』.p175-178
より引用、著者にて一部再編集
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■なるほど。。。
改めて見てみると、
確かに、私がインタビューをした
中途社員の方で、上手に組織に馴染めた方は、
上記の行動を行っていたと感じます。
たとえば、先述の例でいえば
(1)ネットワーク構築/活用行動
(3)援助要求行動
などはまさにそうだな、と思います。
■ただ、言うは易し行うは難しで
どの行動も未知の領域に対して、
そして未知の職場の人に対して
”自ら環境に対して
働きかけていく”
という行動であるわけです。
やっぱりわかっていても、
それは時に緊張するし、不安も生まれると思います。
ゆえに、自らを鼓舞して動く必要があるとも思います。
■しかし、上述のように
上記のネットワーク構築やフィードバック探索、
援助支援王道などは、
”「組織になじむための方略」として
科学的な観点から示されている”
という事実は、
同じ状況に置かれている人にとって
味方になってくれるとも思えます。
改めてですが、
「自ら行動し、
他者と関係をつくる」
とても大事な行為だな、と思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
私が知らないことについて
無知であることを告白するのを、
私は恥としない。
キケロ
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