「新入社員を職場になじませる」ために何ができるのか? ー組織で意識したい7つのポイントー
(本日のお話 3156字/読了時間4分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
その他、研修の企画など。
*
さて、本日のお話です。
先日に引き続き従業員が
「組織になじむ」
をテーマに、以下著書を参考に
学びを皆様にご共有させていただければと思います。
※『組織になじませる力』尾形 真実哉 (著)
https://amzn.asia/d/1dEF1Di
それではまいりましょう!
タイトルは、
【「新入社員を職場になじませる」ために何ができるのか?
ー組織で意識したい7つのポイントー】
それでは、どうぞ。
■4月も、もうすぐ終わり。
この時期は、
新入社員が配属部署なども決まり、
いよいよ現場の一員として関わるタイミング
という組織もあるようす。
■先日のメルマガでも
お伝えしてきましたが
”組織になじむ”
ためには、
本人の主体的な行動が求められます。
例えば、
・自分自身の心がけで
自らアイデアを提案したり、
問題に向き合ったり、学んだりする
(=自己指向型行動)
あるいは、
・先輩や上司とのネットワークを作ったり
援助を求めたり、フィードバックを求める
(=他者指向型行動)
または、
・仕事のやり方を工夫したり、
その意味を捉え直したりして自らをモチベートする、
(=仕事指向型行動)
などを紹介しました。
※詳しくはこちら
↓↓
『自分から”組織になじむ”ためにできること』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4475607/
■しかし、疑問も残ります。
「組織になじむ」のは
本人だけが頑張ればよいのか?
、、、と。
答えは、
「もちろんそんなことはない」
です。
”受け入れ側の組織ができること”も、
いくつもあるもの。
どれだけ積極的に
新入社員本人がアプローチしても、
受け入れ側が極めて保守的で、
新人の話を聞かない、提案は受け入れない、
個別の支援もしようとしない、なんていう
悲惨な職場であったら、
よほど主体的な人でないと、
多くの心折れ、目の輝きを失う人を
大量に排出することになりかねません。
自ら動いてもしかたないな、と
”学習性無力感”を覚えてしまうのも
職場によってはある意味、起こるべくして起こっているものです。
■ということで、
「新入社員をなじませるために
”組織ができること”」
も整理をしておきたいと思います。
それでは、具体的に、
どんなことが挙げられるのでしょうか?
ご紹介の書籍から
このようなまとめがされていました。
キーワードは組織の
「職場特性」と「職務特性」
の2つの観点です。
ここから新入社員を受け入れ、
なじませる環境づくり見ていくことができます。
以下、まとめてみます。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【新入社員のプロアクティブ行動を促す「組織の環境要因」】
<「職場」の特性 ー4つのポイントー>
(1)コミュニケーションの活発な職場
・上司と同僚と頻繁に、気兼ねなくコミュニケーションを取れる職場は、
同僚との良質な関係を構築しやすく、フィードバックも求めやすいです。
そうした職場であれば、積極的に問題解決行動を取れ、学習行動も促進されます。
※注意点は、ただしコミュニケーションにおいて「情報の信頼性」が大事です。
行き交う情報が怪しいものだったり、仕事関係ない情報では、
むしろ職場に不信感を抱くことにもなりかねないため、注意が必要です。
(2)新しいことを受け入れる(=革新への積極性)
・職場全体が新しいアイデアを積極的に取り入れたり、奨励することは、
職場のメンバー全員が積極的に新しいアイデアを発言したり、
新しいことに挑戦する行動(革新行動)を促します。
※注意点は、職場のルールがあるため守らなければならないこともあることです。
「ルール自体を変更する革新行動」なのか、
「ルール下での革新行動」で工夫をするのか、
求められていることを見極める事が必要です。
(3)職場のみんなが支え合う職場(=支援風土)
・行動を励まし、その行動をサポートしてくれる環境(支援風土)があれば、
人は積極的に行動を起こせるようになります。
※注意点は「同僚が多忙である」と、職場の適応に負の影響があることです。
つまり、同僚が忙しそうにしていることで、
同僚への相談やフィードバックを求めることを遠慮してしまう、ということ。
よって支援風土をつくるためには、ある程度は、職場メンバーの
心理的余裕が生まれる仕事の割当が必要とされます。
(4)学習への積極性
・職場における個人の学習は、
職場の風土や文化から影響を受けることが実証されています。
職場全体が学習に対して積極的であれば、
新入社員の学ぶ意欲も高まるということです。
よって、職場の非公式な勉強会なども有効であるといえます。
※注意点は、強制しないこと、仕事の負担にならない程度にすること
不参加でも評価に何ら負の影響を与えないことです
***
<「職務」の特性 ー3つのポイントー>
:心理学がベースのモチベーション理論を用いた「職務特性モデル」が、
従業員のプロアクティブ行動に影響を与えるとされています。
(1)自分の判断で仕事に取り組める、自律性のある仕事(=職務自律性)
・「職務自律性」とは、仕事の手順や方法、スケジュールを自分で決められ、
自分の判断で取り組めることです。
そのような仕事は、個人の自発的な行動や創意工夫を促進し、
革新行動、積極的問題解決行動、学習行動、ネットワーク構築、
ジョブ・クラフティングなど、多くのプロアクティブ行動を喚起させます。
(2)社会や会社のために、重要だと感じられる仕事(=タスク重要性)
・「タスク重要性」とは、自分の仕事が他者や会社、
社会に影響力を与える積極どの高い仕事のことです。
新卒採用者に、会社や社会のために重要タスクを割り当てるのは
難しいことかもしれませんが、「いかに自分の仕事が重要なタスクに関わるのか」を
丁寧に説明することで、重要性を感じてもらう工夫はできます。
(3)他者からのフィードバックを得やすい仕事(=他者フィードバック)
・フィードバック探索行動は、新入社員に重要な行動ですが、
自分からフィードバックをもらいに行けない人も多いです。
よって、フィードバックを得なければ
進められないような仕事を割り当てることで
フィードバックを得ることを促すことが可能です。
※尾形(2022) 『組織になじませる力』P185-193を引用、著者にて編集
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■なるほど。
こう見てみると、
確かに上記のような「職場の特性」、
(1)コミュニケーションの活発な職場
(2)新しいことを受け入れる(=革新への積極性)
(3)職場のみんなが支え合う職場(=支援風土)
(4)学習への積極性
などがあるとすれば、
新入社員も自ら動きやすく、
また動くことが推奨されやすいと、
想像ができそうです。
また「職務の特性」も、
できる範囲内の中だとしても、
(1)自分の判断で仕事に取り組める、自律性のある仕事(=職務自律性)
(2)社会や会社のために、重要だと感じられる仕事(=タスク重要性)
(3)他者からのフィードバックを得やすい仕事(=他者フィードバック)
を調整できたとすると、
さらなるプロアクティブ行動が
推進されそうなのも、納得ができます。
■ぜひ、やっていきたいところです。
ただ、興味深いのが
これらを実行する上では
『職場の上司が、超大事』
と語られています。
企業文化で有名な
エドガー・シャインいわく
「文化は、
リーダーのアクションを通じて生み出される」
(Schein, 2010)
といいます。
つまり、
上司の考え方、価値観、行動が
職場の文化を形成するため、
上司が信念を持って
上記の職場特性、職務特性を
推進することが極めて重要である、
ということ。
■もし上記の話をして
いわゆる上司が
「はい、そうですよね、
わかってますよ」
と”分かっている風”だったとしても、
本当は腹落ちしていない、
めんどうくさいと思っている、
価値感や考え方、
行動が反映されているつもりがない、
などであれば
「新入社員を職場になじませる」ために、
組織ができること
として機能することはない、
と厳しい言葉で言えば、
言うこともできるのかもしれません。
■改めて、リーダーの影響は
とても大きいようです。
そしてとても大切で
責任も大きな仕事だと感じます。
マネジメント、リーダーは
大変であり、希少であり、
誰かの人生を変えうる存在と感じます。
、、、ということで
このあたりのマネジメントについては
また後日、深掘りしてみたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
人生の一番のご褒美とは、
為す価値のある仕事を一生懸命為す機会が与えられることだ。
セオドア・ルーズベルト
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