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3356号 2023年5月2日

ドラッカーの語る「マネジメントの3つの役割」とは?

(本日のお話 2957字/読了時間4分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日よりGWの帰省とのことで
宮崎の祖父母の実家に来ております。

リモートワーク用にモニターや
インターネットなど準備しているので、
家族の時間も使えて働けて、とても便利です。



さて、本日のお話です。

先日より、

『マネジメント 基本と原則(エッセンシャル版)』
P.F.ドラッカー


を読んでおります。

以前読んだはずなのに、
びっくりするくらい忘れております(汗)

、、、とはいえ、

最近マネジメントについて
色々と考える機会を頂いており、

この「マネジメント」の書籍を始めとして、
マネジメントとは何か、を考えてみたいと思いました。

本日からしばらく、
こちらの書籍の内容をまとめつつ、
皆様に学びの共有をさせていただければと思います。

それでは、早速まりいましょう!

タイトルは

【ドラッカーの語る「マネジメントの3つの役割」とは?】

それでは、どうぞ。

■ドラッカーの『マネジメント』。

この著書はマネジメント関連で有名ですね。

「もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーが
ドラッカーの『マネジメント』を読んだら)」

でも話題になりました。
(懐かしい・・・)

■さて、本書の”まえがき”には、
このようにあります。

”組織をして高度の成果をあげさせることが、
自由と尊厳を守る唯一の方策である。

その組織に成果をあげさせるものが
マネジメントであり、マネジャーの力である。”
(vii)

曰く、

社会は、
組織が供給する財やサービスにより形成されており、
もしこの組織が成果を出さなければ
全体主義に取って代わられる、

とも述べています。

■つまり、

”マネジメントとは
社会を構成している組織を動かす
重要な要素である”

ということを強調しており、

「部下をマネジメントする」という、
ごく限定された範囲のことを語っているわけではなく、

ドラッカーが語るマネジメントは
社会に影響を与えうる
もっと広範なものであることが特徴です。



具体的には、

ドラッカーは「マネジメントの役割」について
以下のように整理をします。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<マネジャーの3つの役割とは>(P.9)

1,自らの組織に特有の使命を果たすこと。

2,仕事を通じて働く人たちを生かすこと。

3,社会の問題について貢献すること。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とのこと。

いわゆる部下のマネジメントは
「2」の一部分、とも言えるのかもしれません。

■ゆえに、本書の構成も、

”マネジメントとはどのようなものか”
という手法の話を始めるのではなく、

・そもそも何のために
組織は存在するのか?

・何のために、
企業は、公的機関は存在するのか?

・組織とマネジメントの
その社会的に責任は何か?

という、より大きな部分が
丁寧に語られています。



例えば、<Part1>の目次は
このような構成になっています。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<Part1 マネジメントの使命>

第1章 企業の成果

・企業とは何か
・事業は何か
・事業の目標
・戦略計画

第2章 公的機関の成果

・多元社会の到来
・公的機関不振の原因
・公的機関成功の条件

第3章 仕事と人間

・新しい現実
・仕事と労働
・仕事と生産性
・人と労働のマネジメント
・責任と補償
・「人は最大の資産である」

第4章 社会的責任

・マネジメントと社会
・社会的影響と社会の問題
・社会的責任の限界
・企業と政府
・プロフェッショナルの倫理 ー知りながら害をなすな

※<Part2>以下は省略しています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

■一つずつ紹介すると、
非常に長くなってしまうので、

ざっくりお伝えすると、

第1章では
組織の中でも「企業」に焦点を当て、

第2章では、
「公的機関」に焦点を当て、

それらの目的や求められる成果について
考察を深めています。

少しご紹介すると、
例えば、こんなお話です。

・「企業は利益が目的」というのは
大いなる誤解である。

・そうではなく、企業の目的は
「顧客を創造すること」である。

・企業の2つの主要の機能とは
1)顧客の欲求からスタートする「マーケティング」、
2)顧客にとって新しい満足を生み出す「イノベーション」、

・そしてその副産物として生み出される「利益」
(利益とは、成果の判定基準/リスクに対する保険、
/より良い労働環境を生む原資/社会的サービスと満足をもたらす原資である)

として、企業の目的や機能をまとめます。
(※第1章2節 企業とは何か より)

あるいは、第2章では、

・公的機関不振の理由
・企業との違い
・予算に依存すること危険性
・公的機関成功の条件

などを語り、

行政など競争相手がいない公的サービスが
果たすべき使命や成功の条件を考察します。

■そして、
「第3章 仕事と人間」に入ると

「人間」に焦点を当てていきます。

まさに上述した
マネジメントの役割の1つである

「2,仕事を通じて働く人たちを生かすこと」

について、述べていきます。

そこでは、

・肉体労働者から知的労働者へと変わっていったこと
(ただし、知識労働者のマネジメントは肉体労働者のマネジメントとは違う)

その中で、私たちは

・働く人間と労働についての理解が足りていないこと
(例えば、労働は生理的・心理的・社会的・経済的・政治的側面があるが
「経済(お金)」ばかり焦点を当てられない、
「生理(労働時間)」ばかり焦点を当てている、など一次元からの
アプローチになっていることが問題、など)

そして、

・X理論(人は怠惰であり、仕事を嫌う。強制が必要と考える)
Y理論(人は欲求を持ち、仕事を通じて自己実現と責任を欲する)
という考え方に対して、「それほど人は単純ではない」という

人間の複雑さにも触れます。

■こうした「人間の理解」という話になると

「性善説が良い」
(相手の可能性を信じる!)

みたいな話になりがちですが、
ドラッカーはそう単純ではない、と
以下のように語ります。

”現実は、マグレガーの追随者が考えているほど単純ではない。

強い者さえ、命令と指揮を必要とする。
弱い者はなおのこと、責任という重荷に対して保護を必要とする。

世界は、大人だけから成っているのではない。
マズローも、永遠に成熟しない人間があまりに多いと言っている。

その上、精力的な人もいれば怠惰な人もいる。
同じ人が、違う状況のもとで違う反応を示す。(P64)"

、、、とのこと。

そう、人はちょっとした命令や強制がないと、
動きたくなくなるのもまた、事実なのです。
(私も、非常に共感します)

■では、どうすればよいか?

働くことのマネジメントの基礎として

「責任の組織化」

が重要であるとします。

そして、

・「仕事に焦点」を当てる

・「働きがい」を与える(生産的な仕事、フィードバック、継続学習の3つ)

・「職場コミュニティによる責任」を自治的に与える

・「人の強みを発揮させる」ことで人を生かすことを考え、
そのように「人を配置する」

そのようないくつかの重要なポイントを抑え、
人に責任と役割を与えていく。

それは簡単ではないが、成果を上げる上で
重要なことである、と述べます。

■こうしてドラッカーが見ている

「マネジメント」という世界を
書籍を通じて読み解くと、

マネジメントとはとても難しい、しかし
とても大切な仕事であることが
染みわたるような気がします。

また続きも紐解いていきたいと思いますが、
少し長くなりましたので
また明日に続けたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

無理だなんて絶対に口にするな。
限界は恐怖と同じでたいてい幻想に過ぎないから。

マイケル・ジョーダン

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