今週の一冊『年上の義務』
(本日のお話 1859字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です
昨日は、高速バスにて
東京→長野県に移動。
日本一標高が高いJRの駅
「野辺山」に来ております。
現在、朝3時。
これから2時間後の5時に
ウルトラマラソンがスタートします。
無事完走できるよう、
気合を入れて頑張りたいと思います!!
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は
お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は
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『年上の義務』
山田玲司(著)/光文社
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です。
■年長者の中には、
正直なところ、
「尊敬できる人と
尊敬できない人」
がぶっちゃけいるものです。
(きっと皆様も、
色々な年上の方を見てきたかと思います)
この本は、その中で
私が「尊敬する年上の方」として
私淑している方で
こんな年の重ね方をしたいな、
カッコイイ大人だな、
と憧れてしまう方が
「この本を読んで
自戒するようにしました」
と語られているのを耳にして、
思わず手に取った一冊です。
■さて、しばしば耳にするのが、
「最近の若いヤツはダメだ」
という言葉ですね。
このフレーズ、
いつの時代も言われるものです。
しかし
「本当にそれは事実なのか?」
と言われると疑問が残ります。
個人的には、最近私が出会う
年下の方などは、優秀過ぎて
度肝を抜かれる方もしばしば。
、、、しかし、
なぜだか「最近の若いもんは」と
言われるのは常であるもので、
そうした状況の背景には
「年長者は絶対である」という儒教的教えと
体育会系のノリとが重なって残り
年上が絶対的な空気を
以前、残り香のように存在させているよう。
■もちろん、人が集まり、
上司/部下、
年上/年下など
”上”や”下”という言葉がつけば、
そこに権威の違いが生まれるのは
ある意味、当然です。
ただし、
注意しなければいけないのが、
そのような「権威の力」によって
年下の人が年上の話を「聞いてくれている」
ことになっている可能性がある、、、、
ということ。
■直属の上司であれば、
無碍にすると面倒くさくなります。
ゆえに、
上司の武勇伝や過去の体験、説教にも
部下は付き合うことになり、
上司による会社の愚痴も
「大変ですよね」とまあ、聞く。
もちろん、
各自の組織風土や文化に
大いに影響するものですので
すべての組織がそうとは限りません。
どちらかというと旧態然とした組織に
当てはまることかもしれません。
しかし、どの世界にも
そうした権力者のような存在がいて、
それらがいわゆるイノベーションを阻んでいる、
という現状もやはり存在するものです。
加えて、「年上だから」ということで
愚痴ったり、偉ぶったり、
自分の話ばかりしていると、
それが結果として、
・威張る/偉ぶる/愚痴る
↓
・話しづらい
↓
・情報が入ってこない
↓
・成長しない年長者/老害化する
となってしまい、本人にとっても
望ましくない結果になると述べます。
■では、著書のタイトルである
『年上の義務』として
具体的に何をすればよいのでしょうか?
それは、
1)愚痴らない
2)威張らない
3)ご機嫌でいる
この3つである、とします。
以下、簡単に解説します。
(ここから)
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(1)愚痴らない
・年上の愚痴は、不満だらけの心の内部から
ダダ漏れしている「排泄物」と考えよ。
・それ付き合わされる相手は、
退屈で実りのない「人生の無駄使い」であったり
ガス抜きに付き合わされている不毛な時間と感じさせる。
・人は気分が良くなる言葉や、きっかけを与えてくれる
「素敵な言葉のギフト」を求めている。
・その言葉は「ギフト」であるか?
それとも「排泄物」であるか? を問うこと。
(2)威張らない
・優れた人ほど威張らないものである。
「怒りの感情が入った指導」は、
指導している(つもりの)人間のガス抜きである。
・こうした威張りたくなる人は、
「すごいね」の不足によって(特に子供時代)
私を認めてほしい、という怨念が潜んでいることも少なくない。
・威張る人は怯える人、認められたい人である。
威張る人は必ず「情報弱者」になる。
・威張らずに、「聞く」ことが大事。
(3)ご機嫌でいる
・ご機嫌な人はモテる。
嫌な事があって本当は機嫌が悪くても、
人前ではそれを表に出さないで、相手に不快感を与えないこと。
これは人としての優しさであり、礼儀のひとつでもある。
・なぜ年上が、ご機嫌でいるべきなのか?
それは、ご機嫌な人は他人に寛容な人なので、
言いにくい話や、どうでもいい話もしやすい。
・基本的に”その場の空気”をつくるのは、
「年上の人間」である。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■なるほど、、、。
シンプルな3つのルール
「愚痴らない」
「威張らない」
「ご機嫌でいる」
ですが、納得しますし、実用的と感じます。
■ちなみに、
もし愚痴ったり偉ぶったりして
年下が離れて言ってしまうとしたら。
”一番悲しいこと”として
年長者自身が積み上げてきた
「自分が生きて。学んできた経験や知識を
次の世代に伝えることができなくなる」
というのです。。
人は人生の発達段階において
中年期以降はジェネラリビティ(世代継承性)
=後世を育てたいという願いも生まれてくるもの。
しかし、
そうした自分の経験を語る場が
年上絶対の考え方が実現できなくしてしまう、
というのでした。
■その他、
「年上の義務」をめぐるQ&Aなど、
日本の旧態然とした関係性に
疑問を投げかける一冊です。
年長者が可能性あふれる若者の
邪魔にならないよう、
年長者が情弱となり、
世間から距離が生まれ、
寂しい思いをしないために、
大切な視点を投げかけてくれる一冊である、
そんなことを感じた次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<今週の一冊>
『年上の義務』
山田玲司(著)/光文社
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