人や組織は「開発されるもの」ではない
(本日のお話 2358字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は、午前中は
1on1ミーティングをテーマにした
オンライン研修の実施。
また午後から1件のコーチング。
夜は大学院の授業のサポートでした。
*
さて、本日のお話です。
昨日の大学院の授業にて、
あるゲスト講師のお話を聞きました。
ゲストは、
組織開発のプロフェッショナルであり、
Twitterでも多くのフォロワーを持たれている
「こがねん」こと小金さん。
その授業のお話から
改めて考えさせられることがありましたので
今日はそのお話について
皆様にご共有させていただきたいと思います。
それではまいりましょう!
タイトルは
【人や組織は「開発されるもの」ではない】
それではどうぞ。
■先日の大学院の授業
「人材開発・組織開発実践論」にて
『開発(development)』
の意味について
触れる場面がありました。
たしかに、
”人材開発・組織開発”
などと普段から口にしていると
(特に人事周りの仕事をしていると)
その言葉が持つ意味などは
あまり考えることがないかもしれません。
とはいえ、
人材開発(Human Resource Development)
組織開発(Organization Development)
というように、
”Development”にも
元々の意味があるはず。
ここについて
そもそもどのようなものだろうかを、
もう少し考えてみたく
最近の相棒であるChatGPT氏に
聞いてみました。
■すると、
このような答えが帰ってきました。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Q、英語の「development」の語源と意味について教えてください
A,
英語の "development" は、中世フランス語の "desveloper" から派生した単語で、
直訳すると「展開する」や「解き明かす」を意味します。
具体的には、折りたたまれている布を広げるという意味から来ています。
それが比喩的に成長や進化を示すようになったのです。
(中略)
"development" の使用は非常に広範で、具体的な文脈によってその意味が変わります。
それぞれの使用がそれぞれの特定の領域や文脈において「展開」や「進化」を意味することから、
語源と現代の意味との間には明確なつながりが見られます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■なるほど、
”折りたたまれている布を広げる”
がそもそもの意味で、
そこからの「展開」や「進化」という
概念に繋がったとのこと。
ちなみに、英語の場合
developmentの動詞系のdevelopは
他動詞と自動詞を持ちます。
他動詞の「develop」は、
”発展させる・展開させる”
一方、
自動詞の「develop」は
”成長する・発達する・進化する”
という意味があります。
”布を広げる”という力を加えるのが
外側(他者)なのか
内側(当人)なのか
という意味の違いがある、
と言えそうです。
■また別の観点では、
仏教用語の
『開発(かいほつ)』
という観点もあります。
本願寺のWEBサイトによると
”『開発(かいほつ)』
仏となる性質、つまり、自らの仏性を開きおこし、
まことの道理をさとることを意味する言葉”
と説明されています。
こちらもまた、ジピってみました。
(使い過ぎ・・・汗)
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Q、仏教用語で言う
「開発」(かいほつ)の意味を教えてください。
A,「開発」の仏教用語としての解釈は、多少複雑です。
特に日本の仏教では、主に「花を開かせる」「実を結ばせる」などの意味で使われます。
また、「自己を発展させる」「自己を開く」などの意味合いも含んでいます。
その背後には、個々の生命の中に存在する無限の可能性や真理を開く、
つまり自身の内側からの成長や進化の過程を表しているとも言えます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■なるほど。。。
仏教用語としての観点で見ると、
”開発(かいほつ)”とは
「内側からの成長や進化の過程」
を意味するとのこと。
厳密には違うかもしれませんが
自動詞の”develop”に近い意味
と言えるかと思います。
■、、、と、
「開発」の意味について
少し調べてみました。
ここで思うこと。
それは私を含めて
”「人材開発・組織開発」が
どのような姿勢で「開発」に向き合っているのか?”
という問いです。
内部・外部の人材開発・組織開発担当者や
マネージャーなどが、
・自動詞的なdevelop
(あるいは「かいほつ」)なのか
・他動詞的なdevelop(発達させる)なのか
この関わり方のスタンスで
その支援の仕方が異なってくるであろう
と思ったのでした。
■おそらく、
「かいほつ」的な姿勢、
自動詞的なdevelopの姿勢
を持つほど、
・人や組織の中にある”可能性を見る”とか
・人や組織が芽吹くための”機を待つ”とか
・”支援として”情報や機会を提供する”
というように
開発の当事者を巻き込み、
共に考え、共に作り上げていく行動に
自ずと近づいていくのかもしれない、、、
そんなことを思ったのでした。
■一方、もし他動詞的な観点で関わると、
「お客様と私」とか
「成長させる側、させられる側」
という、内側から
生まれ出るという関係からは
遠のいていくことにもなるのでしょう。
そうすると、やはり
”開発される”ほうは
その言葉通り受け身になるでしょうし
”自ら発達する”事は望みづらくなるのかもしれません。
とすると、「開発する」ではなく
「共に成長する仲間という関係を目指し、
そのように巻き込みむことが大事になるのだろう、、、
そんなことを思ったのでした。
■私も自分自身を振り返り、
「成果を出さなければならない」
と思うがゆえに、
自分が気負って
あれやこれや理論やツールを
たくさん用意したり、
自分が、自分が、となることも
少なくなかったようにも思います。
しかし、本来の意味を考えると、
その「開発」を期待する対象者と
共に成長・発展していくことが大事で、
そう思えるような巻き込みに
力をこめていくことこそが
大事なのであろうな、、、
そんな事を思った次第です。
『人も組織も「開発される」ものではない』
自戒を込めて、
胸に留めておきたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
人の苦労なんていくら聞かされたって成長しない。
自分で苦労しろ。
瀬戸雄三
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