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3395号 2023年6月10日

「効果的な対話の場」をつくるための3つのステップ

(本日のお話 2596字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

現在、岐阜県に来ております。

明日朝4時にいよいよ
「飛騨高山ウルトラマラソン(100km)」が
スタートでございます。

降水確率90%ですが(苦笑)
頑張ってまいりたいと思います。

また、昨日金曜日は
ストレングス・ファインダーを活用した
チームビルディング研修の実施、

そして夕方からは大学院の授業
『人材開発・組織開発実践論』のサポートでした。



さて、本日のお話です。

昨日私が関わらせていただいた研修でも

”対話の大切さ”

をお伝えしたところ
夕方からの大学院の授業でも

・ワールドカフェ、
・OST(オープンスペーステクノロジー)

など対話の大切さを
考えさせられるワークが題材であり、
改めて

「対話の場の作り方」

について大切な事を考えさせられました。

今日はそのお話について
感じたことをお伝えさせていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは

【「効果的な対話の場」をつくるための3つのステップ】

それでは、どうぞ。

■研修で頻繁に
目にする形態の一つが

「グループワーク」

です。

ただ、面白いもので

同じお題と設定で
同じような説明をしても、

その”場”に応じて
違う雰囲気に、そして結果に
なることが頻繁に起こるものです。

ある会社の中堅社員に行った際は、

「このワークは、ぜひ
自分のチームでも行いたいです!」

と目を輝かせながら
発見と高揚の色を放つ参加者が多く生まれる
”場”もあれば、

また別の会社の
特定のグループに行った際は

「うーん、まあ別に、、、
特にないっす」

と歯に物が挟まったような
言い方をするような場になることもあります。

■”対話の場”とは、
まさに生き物のようです。

そこに影響する要因は

個人的な特性もあれば

参加者の関係性もあれば、

ファシリテーションの場作りの影響など

いくつかの要素が絡み合ってきます。

個人的な特性や
参加者同士の元々の関係性を
一瞬で変える事は難しいとしても、

運営する側の視点に立ったとき、
大切なことは、

”効果的な対話の場をつくるために
どのような工夫ができるか”

の1点に尽きるように
個人的には思います。

■そんな中、

”「対話」が活性化する場づくり”

について、

先日の大学院の授業で、
参加者の皆様が作られたプログラムに
立ち会わせていただき、

大事なことを改めて
思い出させられたように感じたのでした。

詳細は割愛いたしますが、
そのワークの内容はとても暖かく、
熱量が高い場であったと感じました。

それは、

・参加者の姿勢がオープンであり、
自由闊達である

・お互いの意見を尊重し、
受け止め合っている

・双方の意見に刺激され
新しいアイデアが生まれる
(そして高揚感や満たされた感情が生まれる)

という様子がオンライン上でも
伝わってきました。

見ている側まで楽しくなる場でした。

■では、何がそうさせたのか?

と考えてみると、

第一に、

「参加者同士の関係性」
(お互いに信頼・尊重しており繋がりが強い)

が土台にあること、
これは間違いなく影響していました。

そして、ここが大事だと思うのですが

第ニとして

「企画者の愛ある工夫」
(プログラム設計、ファシリテーション、運営など)

があると感じたのでした。

■「企画者の工夫」

なんていうと言葉にすれば一言ですが、
実に奥深いものです。

・ファシリテーターの
小さな言葉遣いや配慮、

・資料のわかりやすさ
スライドの美しさやカラフルさ、
(準備は思いが伝わる)

・遊び心やユーモアのある姿勢
(運営が固いと、対話も固くなる)

などなど

その場を織りなす
一つひとつのシグナルから

「楽しんで欲しいという姿勢が伝わってくる」
「ここは自由に話をして良い場なのだ」

という安心感が参加者の中に生まれ、
そして率直な話が実現されていく、、、

と感じたのでした。

■そうした

「参加者が活性化する
対話のための工夫」を

午前中の研修を経てた上で、
大学院の仲間のワークを見て

我が身を振り返りつつ
考えさせられた、、、

という時間だったな、、、という話。

■さて、

そんな私の感想のようなものを
つらつらと書いてみましたが、

曰く、

『対話が集合知に繋がる構造』

として、ある著書では、
以下の3つのステップで
説明がされています。

まず最初が

(1)コンテクスト(文脈)

です。具体的には

・「安全な場」
(対立しても壊れない、立場を離れる、人格とアイデアは別、グランドルール)

・「参加者の姿勢」
(オープンに聴く、オープンに話す)

・「意識の集中」
(テーマに意識を集中する)

が必要である、とします。



そして、次に

(2)プロセス

です。具体的には

・「会話の質の変化」

をコンテクスト(文脈)により
生みだす、いいます。

ダイアログ(対話)には
以下の4つの場があるとし、

・社交(なんとなくのおしゃべり)
・対立(違った意見で対立が起こる)
・探求(第三案を探そうとする)
・生成(第三案が生まれる)

コンテクストによって
その対話の質が変化する、とします。



そして、最後に
対話の質が変化すると、何が生まれるのか?

というと

(3)コンテンツ(結果)

としての

・「集合知の生成」

が起こる、すなわち

・1人では考えられなかったアイデア
・チームの合意や受容の感情

などが生まれる、とします。

(※参考:香取一昭、大川恒(2011)『ホールシステムアプローチ』日本経済新聞社 P45)

■どのような対話の場にしたいのか?

によって、プログラムの設計は
変わりますし、

対話といっても
温かい対話の場もあれば、

意図的な対立(心理的抵抗)に
向き合う必要がある場面も、
もちろんあるでしょう。

ただ、一つ昨日の場では

(1) コンテキスト(文脈)として、

・「安全な場」
・「参加者の姿勢」
・「意識の集中」

が保たれており、

・安全な場をつくるための工夫、

・参加者の姿勢がオープンになるための
運営側の姿勢の表現

・参加者の興味が集中できる
テーマの設定などがされている

などの影響もあり、

活発な対話の場が
生まれたのだろうな、、、

そんな事を感じさせられたのでした。

■つい、

人を集めて、
お題を設定して、
とりあえず対話して、、、

と安易になりがちなことも
実は少なくないように思いますが、

「対話の場が活力を持つための
様々な工夫に骨身を砕くこと」

こそが、

運営側に求められていることであり、
そのためには、抽象的ですが

参加者に対する「愛」のようなものを持って
企画、運営する必要があるのだろうな、、、、

と感じたのでした。

一つ一つの場を、
大切にしていきたいものだ、

改めてそのように思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

あなたが他人に対して尊敬と思いやり、
そして暖かい心を抱いていれば、
それは気温や空気の香りのようにまざまざと相手に伝わります。
そしてあなたの人間関係は肯定的なものとなります。

ロバート・コンクリン

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