今週の一冊『みんなのフィードバック大全』
(本日のお話 2565字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日は、
朝から2年ぶりにお会いする友人と
20kmの皇居ランニング。
また夜は大学院の仲間との懇親会でした。
お話ができない方がいたのが心残りでしたが(涙)
こうした繋がりに関われること幸せだなあ、
としみじみ感じた1日でした。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は
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『みんなのフィードバック大全』
三村真宗(著)/光文社
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です。
■一言、、、
めちゃくちゃいい本です。
超絶オススメしたいです。
一言でいうと、
「フィードバック」
という言葉に秘められた可能性を、
余すことなく伝えてくれる一冊、
そんな風に感じさせられました。
私もフィードバックという言葉を
コーチングという文脈で
お伝えすることもありますが、
その解像度もぐっと上がり、
より多面的に見ることができた気がします。
■さて本書は、
GPTW(Great Place to Work)
「働きがいがある会社」
のランキングで6年連続1位の会社が
その成長を実現した重要な要を、
『フィードバック』
とし、どのようにフィードバックを
組織の中に活かしているのか?
を理論と実践の両面から網羅的に、
余すことなく伝えている書籍です。
■「フィードバック」とは、
”鏡のように伝える”
ことである、などと
説明されることがあります。
フィードバックとは、
良くも悪くも、
ありのままの自分像を、
他者の言葉を介して伝えること。
ゆえにその人がやっていることが
「周りから見て
改善が求められるもの」
であるとしたら、
そのフィードバックの内容は
時に”耳が痛い”ものになります。
(=ギャップフィードバック)
一方、その人がやっていることが
「望ましいこと、
褒められるようなこと」
であった場合、
そのフィードバックは、
承認の意味合いがあるポジティブなものになります。
(=ポジティブフィードバック)
■フィードバックといっても、
「上司ができていないことを伝え
改善を促す」
だけではないのです。
『ギャップフィードバック』
(耳の痛いフィードバック)
『ポジティブフィードバック』
それぞれあるし、
それをどんな風に使うのかも、
もっと奥行きがある話なのです。
■そんなフィードバックを
ギャップフィードバック
ポジティブフィードバック
それぞれ「5W1H」で整理をして
どのように実践しているのかを解説します。
例えば、
『ポジティブフィードバック』では、
こんな風に整理されています。
***
<Why:マインド>
1,相手の成長を願う
2,相手に関心を持つ
3,気恥ずかしさを捨てる
<When:いつやるか>
4,リアルタイムに
5,こまめに
<Who:誰にやるか>
6,上司にも、誰にでも
7,他人と比較しない
8,過去と比較する
<Where:どこでやるか>
9,メールでも文章でも
10,他者の前でも
<What:なにを>
11,「なぜ」を使って具体的に
12,結果だけでなくプロセスも
<HOW:どうやって>
13,できて当たり前と思わない
14,心からほめる
15,次のゴールを与える
16,なって欲しい姿をイメージして
17,第三者を活用して
***
■そして、上記について
実際にやろうとするときに
ハードルについても言及されています。
例えば、
「ポジティブなフィードバックが必要とおわれるけど、
自分のキャラじゃないし、
照れくさいと思ってしまう」
ということも、あるわけです。
誰もが、何かアクションを起こす時に、
心理的な抵抗感を感じることがありますが、
”それがあるということを認めた上で、
それでも、乗り越えるべきこと”
はハッキリと述べています。
それを
「3,気恥ずかしさを捨てる」(Why)
というように短い言葉と
実際のエピソードとして
どんな風に乗り越えていったのかという人物の話も
紹介しながら、具体的に解説をしておきます。
他者の代理経験から
「自分もできるかも、、、!」
という自己効力感を
沸き立たせるような内容になっているのは、
組織で実際に経験をしてきたからゆえの
厚みを感じさせられます。
■加えて、本書は
「みんなの・・・」
とタイトルにあります。
その言葉通り、
”上司が部下にするフィードバック”
と限定をしていません。
同僚同士でも
部下から上司にも、
他部署の人に対しても
”フィードバックをし合う文化”
をつくることを目指しています。
■そのためには、
「フィードバックを受け取る側のマインドこそ
重要なことである」
として、
”コーチャブルである”
というのを
フィードバックを受け取る人のスタンスとして
大事にすべしと強調しています。
その部分にも大いに紙面を割いて
語られています。
■読み進めることで、
フィードバックの
基本的な効果は当然理解できます。
それだけではなく
フィードバックがもたらす
大いなる可能性を感じられますし、
実践するためのポイント、
そしてそれをチーム内、組織内で
文化にするためのヒントも得られる本となっています。
以下、書籍のご紹介をいたします。
(ここから)
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フィードバックなくして成長なし!
従来の概念――上司が部下の悪いところを指摘し、改善を促す――から脱却し、
フィードバックを企業の成長戦略と位置づけた画期的な書。
「上司から部下、部下から上司、同僚や部門同士」
「ネガティブなことだけでなくポジティブなことも」
「耳の痛い言葉を受け止める力を培う」。
GPTW主宰「働きがいのある会社」ランキングで
6年連続1位を獲得する企業が実践する珠玉のノウハウを
惜しみなく公開!
<目次>
プロローグ
第1章:フィードバックとはなにか
第2章:ポジティブフィードバックをマスターする
第3章:ギャップフィードバックをマスターする
第4章:コーチャビリティを身につける
第5章:経営戦略としてのフィードバック
エピローグ:経営戦略としてのフィードバック
※引用:Amazon本の紹介より
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(ここまで)
目次も非常にシンプルです。
しかし339ページという紙面の割に、
実にスラスラと読めるのは
その内容が「実践された珠玉のノウハウ」と
題されるような具体性があるからだと思います。
チーム内で読書会などを行うと、
ものすごく効果を発揮しそうな本だな、、、
そのように思った一冊でした。
とてもお勧めの一冊でございます。
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<今週の一冊>
『みんなのフィードバック大全』
三村真宗(著)/光文社
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