「チームで強みを活用する」ための3点セットをご説明します(詳細版)
(本日のお話 2293字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
さて、本日のお話です。
これでもか!というくらい
最近ずっと「強み」について
語らせていただいている今日このごろ。
今日もご想像通り(!)
引き続き、お伝えして参りたいと思います。
(お付き合い頂いている皆様、ありがとうございます)
ということで、早速参りたいと思います!
タイトルは
【 「チームで強みを活用する」ための3点セットをご説明します(詳細版)。 】
それでは、どうぞ。
■チーム力を高めるには
”チーム内の誰が何を知っているのか
お互いに認識し合うこと”。
これがチームにおける
情報の効率性などを高め、
いわゆるチーム力の一部を高めてくれます
そんな理論が
『トランザクティブ・メモリー・システム』
という先行研究にありましたよ、
という内容を昨日お伝えさせていただきました。
※詳しくはこちら↓
トランザクティブ・メモリー・システムってなんだ?
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4536803/
■そして、この理論に基づいて、
「チーム内で強みを活用する」
ために、以下の3つの要素(3点セット)
1,強みの認識
2,強みの信頼
3,強みの調整
をおさえると
活用できる可能性が高まるよ、
と提唱している論文の内容があります。
この詳細を今日はぜひ、
皆さまにご紹介したいと思っております。
論文ではありますが、具体的で使えそう!
と感じる内容でございましたので、
平たく要約しつつ、まとめてみました。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【「チームで強みを活用する3点セット」をご説明します】
<その1,強みの認識>
◯どういうもの?
・強みの認識とは、誰がどのような強みを持っているかについて、
チームメンバーが共有する知識のことである。
◯見つける方法は?:
・1)アセスメントを使う
(例:VIAアセスメント、ストレングス・ファインダーなど)
・2)強みを見抜くワークを行う
(例:フィードフォワードインタビュー、リフレクテッド・ベストセルフ、ストレングス・スポッティングなど)
◯気をつけるべき点は?
・他者の強みを認識できるかどうかは、「他者の強みを能力」に依存する。
具体的には以下の3つである。
1)年齢や経験(長いほど強化されやすい)
2)特定の性格タイプ(好感度や肯定的情動が高い人)ほど自然に身につく
3)強みに関する知識の有無
*
<その2,強みの信頼>
◯どういうもの?
・強みに信頼とは、
チームメンバーが他のチームメンバーの強みをどの程度信頼しているか、のこと。
◯見つける方法は?
・「強みの相互承認」を行うこと。
研究によると、チームメンバーが同僚の強み、才能、スキルを尊重し、
肯定することを相互に認識することで、誰がどの仕事をするか、
誰と協力して行動するかについて合同しやすくなるため
ワークチームの効果的な機能が高まるという。
(Grutterink,Van der Vegtら, 2013)
◯気をつけるべき点は?
・チーム内で中核的なタスクに関わるものほど「重要なもの」として考え
それ以外の「他者の強み」を見落としてしまう可能性があるので、注意が必要。
(例:たとえば、ユーモアや、謙虚さ、楽観性などは、
チームビルディングなどに関わるが、タスクに直接は影響しない、など)
*
<その3,強みの調整>
◯どういうもの?
・強みの調整とは、グループのタスクを完了させるために、
チームメンバー個々の強みを、効果的かつ組織的に活用すること。
(Lewis, 2013)
◯見つける方法は?
・「メンバーの強みに沿った職務やチームの役割配分や変更を
”共同で決定する”こと」である。
(例:「熱意」という強みを持つ人に、ミーティングの議長を任せるなど。
本人もそれを使うとエンゲージメントが高まる)
◯気をつけるべき点は?
・大規模な単一領域グループ(全員営業で大人数のグループ)などでは
強みの調整が困難になる可能性がある。
その場合は、「強みに基づく非公式な役割(例:面白い人、慎重な人など)」を
割り当てて、グループ全体に役立てるようにする。
※Woerkom, Marianne van, Maria Christina Meyers, and Arnold B. Bakker. (2022).
『組織における強みの活用の考察:マルチレベルの構成要素』
「第3章:個人の強みをチームで活かす:集団的強みの活用に向けて」より著者編
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■そう、
「チームで強みを活用する」ためには
この3点セット
1,強みの認識
2,強みの信頼
3,強みの調整
が大事だ、というお話ですね。
気をつけるべき点も
明確でわかりやすいです。
■この内容を見ながら
私が改めて思ったことは、
『強みの活用には、
アセスメントだけでは不十分である』
ということです。
ストレングス・ファインダーなどで
お互いを理解するのはとても大事です。
まさに、
「1、強みの認識」
になります。
これもとても大切な要素ですが
欲を言うのであれば、そこに加えて
・強みの相互承認をして
「2,強みの信頼」を意図的に高める、
・お互いに役割を分担して
「3,強みの調整」を行う、
この部分を行ってこそ、
”チームでの
強みの活用が促進される”
というのは、実務的な意味で
ぜひ抑えておきたいポイントだな、
と思うのでした。
■もしかすると、
やや照れくさいかもしれませんが
「強みに基づく対話」
(相互に認め合う、役割を認識し合う)
の重要性を改めて
感じさせられた論文でございました。
ということで、
皆様のご参考になれば幸いです。
※また「1、強みの認識」の説明に出てきた
横文字のコンボのごとき
・フィードフォワードインタビュー
・リフレクテッド・ベストセルフ
・ストレングス・スポッティング
という謎の手法ついては、
また後日お伝えできればと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
偉大な発見や改革には
常に多くの人の知性による協力が不可欠である。
アレキサンダー・グラハム・ベル
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