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3426号 2023年7月11日

「部下の強みを活かすのが難しい」という疑問に対する、ある一つの回答

(本日のお話 2389字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は、2件のアポイント。

夜は古くからのお付き合いさせていただいている
某有名ベンチャーの人事責任者の方とお食事会でした。

人材開発、労務、採用、
ファシリテーションから制度まで
幅広いプロフェショナルであることにただ尊敬。。。

現在、1000名超の成長企業で
新しい制度をどんどん試している物語は

貴重すぎる情報であり、
目からウロコの話も多く、
楽しすぎて気づいたら4時間経っておりました。

いやー、実に勉強になりました!
(Hさん、ありがとうございました!)



さて、本日のお話です。

そんな夜の人事ネタに関して
上述のHさんから伺ったお話で

「大事なことだなあ」

ととても印象に残ったお話があります。

今日はそのお話について、
皆様にご共有させていただければと思います。

それでは、早速まいりましょう!

タイトルは

【「部下の強みを活かすのが難しい」という疑問に対する、ある一つの回答】

それでは、どうぞ。

■最近は”人事データベース”を
導入する企業も増えていますね。

(タレントパレットとか、
カオナビとか)

特に成長中の企業で
どんどん事業が変わる中では、
組織も流動的になります。

「対話が必要」といっても
その都度、自己紹介をするのも大変です。



ゆえに、
こうした人事データベースに

・これまでの経歴 はもとより

・価値観
・強みや、弱み
・好きなこと、嫌いなこと
・こだわっていること

などのパーソナリティを含めて
見える化をしておくと、

新しいチームとの出会いの時に
どんな人がいるのかも見えるし、

1on1もしやすくなるので、
大変便利なようです。

■そんな人事データーべースの話から展開して

上述のHさんいわく

「うちでは
ストレングス・ファインダーの結果を
人事データベースに登録していて
誰もが見れるようになってますよ」

とのこと。

(※ちなみに、
ストレングス・ファインダーは
その人の「強み」を34資質の中で
上位のものを見る事ができるアセスメントです。)

私もストレングス・ファインダー等を
研修で実施させて頂く機会が多くあるため、
気になって色々聞かせていただきました。

そんな時に、
参加者(管理職)の方から
しばしばいただく意見に

「部下の強みを活かそうと思っても
チームでは活かせる場が、なかなかない」

というものがあります。

もう少し噛み砕くと、

”「チームの目標」がある。それに対して、
今いるメンバーの強みが合致していないため
強みを活かすのが難しい”

と思ってしまう、というお話。

■そんな話を思い出し、

先日のHさんとのお食事会の際で
この意見についてどう思います?、
となにげに聞いてみました。

すると、Hさんは
少し語気を強めてこう語られました

「いやいや、それは部下の強みを
本当に知ろうとしていない、
活かそうとしていないだけだと思いますよ!」

と一蹴。

その言葉に
非常に強さがあったので、
その背景について聞いてみました。



曰く、それはある部下の方との
エピソードがあったようです。

(差し支えないように一部変えながら
お伝えさせていただきます)

■その部下の方とは、
「派遣社員」であったそう。

派遣社員とのことで

”社内の制作物(ウェブや紙、記事など)
を作るという役割”

という個別のタスクを
ひたすら行う役割だったとのこと。

しかし派遣社員の方と
1on1をやっていくと
色々な情報が見えてきました。

どうやらその方は過去、
”建築学科”で勉強をされていたとのこと。

そして、その方の過去も遡りながら
「強み」にまつわるお話を
学生時代に至るまで詳しく聞いていったそうです。

・建築って、どんなスキルが必要なの?

・ものづくりの、どんなところが楽しいの?

・自然とできることは、どのようなこと?

、、、などなど。

「建築の勉強をしていた」とか
「ものづくりが好き」で終わるのではく、

その奥にある、興味・関心・価値観を
人として興味を持って探索していきました。

■すると、

その派遣社員の方は
その体験から得られた「強み」として
まだ発言していない強みがあることがわかったそうです。

1)プロジェクトの工程設計・管理ができる

2)人の巻き込みができる

3)制作物などを自身でも作成ができる

などなど。

そして、そこに紐づく
情熱にも触れたそうです。

■あるとき

その派遣社員の方が
今後のキャリアを考える場面で
その方は、

「社内イベントの責任者」
(プロジェクト管理、人の巻き込み、制作物など)

が、彼女の強みを活かす
良い場になるのではないか、、

ということを提案します。

そしてその仕事をアサインし、
今はその仕事で活躍されている、、、

(年収も相当上がったそうです)

そんなエピソードです。

■このエピソードのポイントは、
2つあると感じました。

それは、

1)チームや組織を良くしようとするために
「やれることはいくら」でもある。
”やれることをマネジャーとして真剣に探すこと”

2)強みがない人はいないと前提に立つこと
”その強みを活かす機会を真剣に探すこと”

という2つの探索です。

Hさんが、

「いや、
それは部下の強みを本当に知ろうとしていない、
活かそうとしていないだけだと思いますよ」

と言った背景には、

”本当の本当に、
部下の強みを知ろうと探索しきったのか?”

”本当に、チームがよくなるために
できることを探索しきったのか?”

そんな重要な問いを
投げかけられているように感じたのでした。

■できない理由、
強みを活かせないと感じる理由が
思い浮かぶのを否定するつもりはありません。

人はつい弱みやできないことを
本能的に見てしまう生き物ですし、

実際に特定の仕事に対する
克服すべき課題や、伸ばすべき能力があるのも
これもまた一つの事実です。

あるいは、チームの中の
メンバー構成に課題がある(専門性を持った人がいない)
というチームデザインの課題があることも
当然ながらあります。

、、、しかし、

それらを整理した時に
変えられること、変えられないことを見つめても、

”強みに視点を当ててみる”ことは
決して併せてできないことではないと思います。

そして、自分に対しても
他者(部下)に対しても

「強みを活かすために
まだまだできることがあるのでは?」

という前提に立つことで
見えていなかった可能性も見えるのではないか、

そんなことも考えさせられました。

相手への興味、関心、
そして愛はあるだろうか、、、

精神論的な話のようですが
根本、そこに行き着くよなあ、

そんな事も感じた次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

雑草とは何か?
その美点がまだ発見されていない植物である。

ラルフ・ワルド・エマーソン
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