「部下の強みを活かすのが難しい」という疑問に対する、ある一つの回答
(本日のお話 2389字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、2件のアポイント。
夜は古くからのお付き合いさせていただいている
某有名ベンチャーの人事責任者の方とお食事会でした。
人材開発、労務、採用、
ファシリテーションから制度まで
幅広いプロフェショナルであることにただ尊敬。。。
現在、1000名超の成長企業で
新しい制度をどんどん試している物語は
貴重すぎる情報であり、
目からウロコの話も多く、
楽しすぎて気づいたら4時間経っておりました。
いやー、実に勉強になりました!
(Hさん、ありがとうございました!)
*
さて、本日のお話です。
そんな夜の人事ネタに関して
上述のHさんから伺ったお話で
「大事なことだなあ」
ととても印象に残ったお話があります。
今日はそのお話について、
皆様にご共有させていただければと思います。
それでは、早速まいりましょう!
タイトルは
【「部下の強みを活かすのが難しい」という疑問に対する、ある一つの回答】
それでは、どうぞ。
■最近は”人事データベース”を
導入する企業も増えていますね。
(タレントパレットとか、
カオナビとか)
特に成長中の企業で
どんどん事業が変わる中では、
組織も流動的になります。
「対話が必要」といっても
その都度、自己紹介をするのも大変です。
*
ゆえに、
こうした人事データベースに
・これまでの経歴 はもとより
・価値観
・強みや、弱み
・好きなこと、嫌いなこと
・こだわっていること
などのパーソナリティを含めて
見える化をしておくと、
新しいチームとの出会いの時に
どんな人がいるのかも見えるし、
1on1もしやすくなるので、
大変便利なようです。
■そんな人事データーべースの話から展開して
上述のHさんいわく
「うちでは
ストレングス・ファインダーの結果を
人事データベースに登録していて
誰もが見れるようになってますよ」
とのこと。
(※ちなみに、
ストレングス・ファインダーは
その人の「強み」を34資質の中で
上位のものを見る事ができるアセスメントです。)
私もストレングス・ファインダー等を
研修で実施させて頂く機会が多くあるため、
気になって色々聞かせていただきました。
そんな時に、
参加者(管理職)の方から
しばしばいただく意見に
「部下の強みを活かそうと思っても
チームでは活かせる場が、なかなかない」
というものがあります。
もう少し噛み砕くと、
”「チームの目標」がある。それに対して、
今いるメンバーの強みが合致していないため
強みを活かすのが難しい”
と思ってしまう、というお話。
■そんな話を思い出し、
先日のHさんとのお食事会の際で
この意見についてどう思います?、
となにげに聞いてみました。
すると、Hさんは
少し語気を強めてこう語られました
「いやいや、それは部下の強みを
本当に知ろうとしていない、
活かそうとしていないだけだと思いますよ!」
と一蹴。
その言葉に
非常に強さがあったので、
その背景について聞いてみました。
*
曰く、それはある部下の方との
エピソードがあったようです。
(差し支えないように一部変えながら
お伝えさせていただきます)
■その部下の方とは、
「派遣社員」であったそう。
派遣社員とのことで
”社内の制作物(ウェブや紙、記事など)
を作るという役割”
という個別のタスクを
ひたすら行う役割だったとのこと。
しかし派遣社員の方と
1on1をやっていくと
色々な情報が見えてきました。
どうやらその方は過去、
”建築学科”で勉強をされていたとのこと。
そして、その方の過去も遡りながら
「強み」にまつわるお話を
学生時代に至るまで詳しく聞いていったそうです。
・建築って、どんなスキルが必要なの?
・ものづくりの、どんなところが楽しいの?
・自然とできることは、どのようなこと?
、、、などなど。
「建築の勉強をしていた」とか
「ものづくりが好き」で終わるのではく、
その奥にある、興味・関心・価値観を
人として興味を持って探索していきました。
■すると、
その派遣社員の方は
その体験から得られた「強み」として
まだ発言していない強みがあることがわかったそうです。
1)プロジェクトの工程設計・管理ができる
2)人の巻き込みができる
3)制作物などを自身でも作成ができる
などなど。
そして、そこに紐づく
情熱にも触れたそうです。
■あるとき
その派遣社員の方が
今後のキャリアを考える場面で
その方は、
「社内イベントの責任者」
(プロジェクト管理、人の巻き込み、制作物など)
が、彼女の強みを活かす
良い場になるのではないか、、
ということを提案します。
そしてその仕事をアサインし、
今はその仕事で活躍されている、、、
(年収も相当上がったそうです)
そんなエピソードです。
■このエピソードのポイントは、
2つあると感じました。
それは、
1)チームや組織を良くしようとするために
「やれることはいくら」でもある。
”やれることをマネジャーとして真剣に探すこと”
2)強みがない人はいないと前提に立つこと
”その強みを活かす機会を真剣に探すこと”
という2つの探索です。
Hさんが、
「いや、
それは部下の強みを本当に知ろうとしていない、
活かそうとしていないだけだと思いますよ」
と言った背景には、
”本当の本当に、
部下の強みを知ろうと探索しきったのか?”
”本当に、チームがよくなるために
できることを探索しきったのか?”
そんな重要な問いを
投げかけられているように感じたのでした。
■できない理由、
強みを活かせないと感じる理由が
思い浮かぶのを否定するつもりはありません。
人はつい弱みやできないことを
本能的に見てしまう生き物ですし、
実際に特定の仕事に対する
克服すべき課題や、伸ばすべき能力があるのも
これもまた一つの事実です。
あるいは、チームの中の
メンバー構成に課題がある(専門性を持った人がいない)
というチームデザインの課題があることも
当然ながらあります。
、、、しかし、
それらを整理した時に
変えられること、変えられないことを見つめても、
”強みに視点を当ててみる”ことは
決して併せてできないことではないと思います。
そして、自分に対しても
他者(部下)に対しても
「強みを活かすために
まだまだできることがあるのでは?」
という前提に立つことで
見えていなかった可能性も見えるのではないか、
そんなことも考えさせられました。
相手への興味、関心、
そして愛はあるだろうか、、、
精神論的な話のようですが
根本、そこに行き着くよなあ、
そんな事も感じた次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
雑草とは何か?
その美点がまだ発見されていない植物である。
ラルフ・ワルド・エマーソン
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