「現場のこと、あなたは知らないんですね・・・」。 ある管理職の言葉から考えさせられたお話。 ~『人材開発・組織開発コンサルティング』 第5章 人と組織の課題解決の7つのステップ(ステップ3 データを集める)を読んで~
(本日のお話 3136字/読了時間4分)
■おはようございます。紀藤です。
引き続き、宮崎に来ております。
*
さて、本日のお話です。
今日も引き続き、
人材開発・組織開発の「日本初の教科書」である、
『人材開発・組織開発コンサルティング 人と組織の「課題解決」入門』
(中原淳/著)
を題材に、まとめと感想を記述していきたいと思います。
本日は
”第5章 人と組織の課題解決の7つのステップ
(ステップ3 データを集める)”
です。
本パートは、個人的に学びが多すぎるパートと感じていますので、
複数回にわけて学びをお伝えできればと思います。
(本当に勉強になる本です。ぜひご購入をお勧めいたします)
それでは、早速まいりましょう!
タイトルは、
【「現場のこと、あなたは知らないんですね・・・」。
ある管理職の言葉から考えさせられたお話。
~『人材開発・組織開発コンサルティング』
第5章 人と組織の課題解決の7つのステップ(ステップ3 データを集める)を読んで~】
それでは、どうぞ。
■私(紀藤)が、
人・組織づくりのコンサルタントとして起業して
この仕事を始めて間もないときの話。
ある管理職のトレーニングに、
関わらせていただく機会がありました。
そして、管理職1人1人と
コーチングということで対話をしているとき
こんな事を言われました。
「ちなみに、紀藤さんって
私たちの現場のことって、
どれくらい知ってるんです?
現場で何が起こってるかとか、
聞いたりできたと思いますが、
そういったことって、されたのですか?」
、、、と。
■その管理職の方は
優秀なマネジャーであり、
かつに、物事を率直に語る方でした。
さすがに大人なので、
明確な否定をされたわけではないものの、
私の表情、声のトーンからは
その管理職の口に出されない心の声、
「ちなみに、紀藤さんって
(会社の課題やら解決策やら
色々とあなたは言うけれども)
現場の事をどれくらい知っているんです?」
という( )の中の声が、
私には聞こえたような気がしました。
その時は、
「人事の方などから
お話を聞いてはいます」
と返答したように思いますが、
その回答として発せられた私の声は
実に頼りないものであったことは
言うまでもありません
(ああ、自分は現場の事を知らずに、
アレコレ言っているのだな)
と突きつけられたように思い、
狼狽した記憶が残っている、、、
そんなお話です。
■さて、ではそんな当時の私に、
伝えたかったことがあったとすれば。
それがまさに、
今回ご紹介するパートである、
第5章 人と組織の課題解決の7つのステップの
【ステップ3 データを集める】
でございます。
(もっと早く知っておきたかった・・・)
*
本パートでは
「そもそもデータ収集とは何か?」
から始まります。
そもそも人材開発・組織開発コンサルティグでは
「解くべき課題を決めること」がとても重要です。
しかしながら、
クライアントの人事や経営の方が
「自組織の課題と解決策はこれだ!」と決めており
(あるいは強く思っており)
それに対する「課題解決のみ」を
クライアントに依頼するケースにも
しばしば遭遇します。
しかし、
「自分のことは自分で見えないこと」も
ままあるもの。
ゆえに、クライアントが考えている課題を
(それはそう思うという事実はあったとしても)
様々な角度から多面的にその物事を分析をしてみた結果、
実は「本当に解くべき課題」は別にあった、
ということもままあるわけです。
ゆえに、クライアントからの課題を
一度立ち止まって考える必要がある、
といえるのです。
■例えば、ですが
クライアントである事業部長が
「何人かの問題社員が
チームの雰囲気を悪くしている」
と言っているとします。
しかし、現場の社員に
実際に聞き取りを行ったら
「あまり仕事以外で話をする機会がなく、
お互いのことを深く理解できていない。
遠慮している」
という課題を語っていた、みたいなイメージ。
ゆえに、私たちコンサルタントは、
”組織にある様々なデータを集め、
そして課題特定をする”
必要があるわけです。
■では、
具体的にどのようなステップで、
データを集めればよいのか?
このことが本パートでは
詳細に語られています。
以下、「ステップ3 データを集める」の
前半部分からいくつかポイントを
ピックアップしてお伝えさせていただきます。
(ここから)
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【ステップ3 データを集める(前半)のまとめ】
<1,そもそもデータ収集・分析とは何か?>
1)データ収集・分析の目的
・私たちが注力すべきことは、課題解決のうち「解くべき課題を決める」ことである。
・どのようなケースでも、コンサルタントはクライアントの話に耳を傾け、問いかけ、クライアントから情報収集をする。
・そして、クライアントの思いや意図受け止めたうえで、本当に解くべき課題は何なのかを見極め、
適切な解決策を提案するために、クライアントの現場から、様々なデータを集めること。
*
2)組織にあるデータの種類
・「定性データ」:数字化されておらず、言葉で表現されたデータ。
「定量データ」:数字化されたデータ
・「一次情報」:コンサルタント自身が、直接的に収集してきたデータ
「二次情報」:他の人が体験・経験したことで得られたデータ
・コンサルタントとして最も重視しなければならないのは、
他者が集めた「二次情報」だけでなく、自分自身が現場で「一次情報」に当たる必要があること。
*
3)現場のデータ収集方法
・典型的な調査パターンは次のようなプロセスである。
[1]聞き取り調査を行う(現場に出向き、関係者にインタビュー)
[2]二次情報で裏付ける(社内にある資料や調査データを検証)
[3]裏取りのために調査を行う(現場に対して独自調査を実施)
[4]総括する(これまでのデータを比較・総括する)
[5]課題設定する(解くべき課題を決める)
・極めて重要なのは「聞き取り調査」である。
・特に、「問題があるとされた人材」のみを調査対象にせず、
問題があるとされた人材を取り巻くステークホルダー全員から聞き取り調査を行うこと。
*
4)「数字」と「物語」を揃える
・最も重視すべきことは「定性データ」と「定量データ」の両方を揃えておくことである。
・人を説得する上では、数字(定量)だけ、物語(定性)だけよりも、それらの両方が揃っているほうが有利だからである。
※参考・引用:
『人材開発・組織開発コンサルティング 人と組織の「課題解決」入門』(中原淳/著)
ステップ3 データを集める P246~P254
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
とのこと。
■なるほど、、、。
まさに私が冒頭に
ある管理職の方から言われた、
「紀藤さんって、
現場のこと知ってるんですか?」
と問われたのは、
きっと私が放つその言葉の端々が、
”現場のことを理解していない”ことが
伝わっていたのではないか、、、
と思います。
まずやるべきだったことは
現場の「一次情報」を集めにいくことだった、
と思わずにはいられません。
■現場のデータを収集せず、
”それっぽい介入”
をすることは可能ではあります。
ただそれは、実際に現場に
経営にインパクトをもたらすかと言うと、
やはりそうとは言えない、と思います。
現場の課題を正しく捉えていない施策は
やはり現場には刺さらず、
適用もされないものだと思うのです。
(自戒を込めて、、、です汗)
■「あなたは現場の事、知らないんですね」
そんな風に現場から信頼を失する
悲しきコンサルタントにならないために、
データを適切に収集し、
そして課題解決に繋げられるように
繋げていきたいもの。
改めて考えさせられます。
*
では、具体的にどのように
「データ収集」をすればよいのか
1)定性データ
2)定量データ の取得の方法
について、
続くパートで述べられておりますので、
そちらについては明日に続けたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
視野の狭い人は、我が身を処する道を誤るだけでなく、
人にも迷惑をかける。
松下幸之助
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