強みアセスメント「VIA-IS」のご紹介 ー開発背景と受検方法までー
(本日のお話 3154字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、リーダーシップアセスメントの
読み解きコーチング5件でした。
また10kmのランニング。
管理職の皆様のアセスメント結果を読み解くのを
90分✕5回と1日でやっていきますが、
こうした自分に向き合うフィードバックの機会というのは
リーダーシップ開発の上でも非常に重要だなと実感した次第。
定期的に、自分がどう見られているのかを見つめること、
私も大切にしていきたいと思いました。
*
さて、本日のお話です。
今日は強みのアセスメントで代表的な『VIA-IS』のご紹介をいたします。
多くの強みに関する研究論文で用いられており、科学的な妥当性も証明されている強みのアセスメント。
日本ではストレングス・ファインダーが有名ですが、この『VIA』はなんと無料で受検が可能です。
ということで、以下本アセスメントの特徴、受検方法などをお伝えいたします。
それではまいりましょう!
タイトルは
【強みアセスメント「VIA-IS」のご紹介 ー開発背景と受検方法までー】
それでは、どうぞ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<VIAとは何か>
■VIAの開発背景
正式名称は『VIA-IS(Value in Action Inventory of Strength)』。
2004年、ペンシルバニア大学の、セリグマンとピーターソンの2名の研究者を中心とした合計55名の著名な科学者により開発された「性格的な強み」のことです。
このVIAがどのようにしてできたかというと、「人間が持つ強みや美徳は何か?」という問いに対して、以下のステップで調査し、作成されました。
1)中国、南アジア、西洋の哲学的、宗教的、心理学的なさまざまな文献を調査した(キリストの聖書や孔子の著作など)
2)それぞれの著書から人の「善となる価値観(美徳)」とされていることをリストアップした
3)その共通点を分析し、「性格的な強み(Character Strength)」として分類した
そして、それらは、「6つの美徳」の領域に含まれる「24の特性(性格的な強み)」に分類されたのでした。
*
■VIAの6つの美徳
VIAで、人間が持つ強みは、以下の6つの美徳にわけられました。それが
・「知恵と知識」
・「勇気」
・「人間性」
・「正義」
・「節度」
・「超越性」
の6つの美徳です。
*
■VIAの24の性格的な強み
しかし6つの美徳は、これは大まかな領域です。
よって具体的な特性、すなわち「性格的な強み」として何があるかを、更に検討してきました。
検討方法は、以下10項目の基準に当てはまるかを考えました。
(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<「性格的な強み」を定義する基準>
(1)自分自身と他者の成長に貢献すること
(2)道徳的に評価されるものであること
(3)その使用は他者を傷つけないこと
(4)その反対は、否定的なものであること
(5)認知、感情、行動の各レベルで現れるものであること
(6)他の肯定的特質とは区別されるものであること
(7)合意の範疇で具現化されるものであること
(8)天才に見られるものであること
(9)人によっては存在しないこともあること
(10)異なる文化でも望まれ、培われるものであること
(Peterson and Seligman, 2004)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)
そうして、「6つの美徳」とそれに紐づく「24の性格的強み(特性)」が、以下のように整理されたのでした。
(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<VIAの6つの美徳と、24の性格的な強み(特性)>
【知恵と知識(Wisdom)の美徳】
・創造性(Creativity)
・好奇心(Curiosity)
・知的柔軟性(Judgement / Critical Thinking)
・向学心(Love of Learning)
・大局観(Perspective)
【勇気(Courage)の美徳】
・勇敢さ(Bravery)
・忍耐力(Perseverance)
・誠実さ(Honesty)
・熱意(Zest)
【人間性(Humanity)の美徳】
・愛情(Love)
・親切心(Kindness)
・社会的知性(Social Intelligence)
【正義(Justice)の美徳】
・チームワーク(Teamwork)
・公平さ(Fairness)
・リーダーシップ(Leadership)
【節度(Temperance)の美徳】
・寛容さ(Forgiveness)
・慎み深さ(Humility)
・思慮深さ(Prudence)
・自律心(Self-Regulation)
【超越性(Transcendence)の美徳】
・審美眼(Appreciation of Beauty & Excellence)
・感謝(Gratitude)
・希望(Hope)
・ユーモア(Humor)
・スピリチュアリティ(Spirituality)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)
■VIAの信頼性
さて、こうして作られたVIAですが、心理尺度としてどのくらい信頼がおけるのか?についても調査がされています。いくつかご紹介します。
・クロンバックのアルファ推定値は.75から.90の範囲であった(信頼性を有している)
・世界190カ国500万人以上に人に利用され、科学的に信頼できる心理テストとして信頼性と妥当性がある、と評されている
とのことです。また
・54の国や日米比較のデータから文化的、民族的、宗教的、経済的な差異にもかかわらず、自己評価で高いものと低いものの特性が共通している(Shimai et al., 2006)
・他者に対する特性(感謝、希望、愛情など)が高いと、人生満足度と高い相関を示す
など、VIAを用いた各種研究データもあり、強みのアセスメントの中では高い信頼性を持っていると言えます。
*
■VIAの受検方法
では、VIAはどのように受検ができるのでしょうか?
以下サイトにログインいただき、名前とメールアドレスを入力の上、言語で「日本語」を選択すれば、テストも診断結果も日本語で受け取ることができます。
質問数は240問。所要時間は約30分となっています。
ちなみに、受検費は「無料」です(素晴らしい!)
======================
「VIA」受検用サイト
https://www.viacharacter.org/survey/account/register
=======================
以上、VIAの概要、受検方法についてお伝えしました。
自分のことを知る上で、こうしたアセスメントも役に立ちますので、気になる方は是非試していただくと、新しい発見があるかと思います。
また、組織や家族などで受けても、それぞれの違いがわかって、お互いの理解や尊重が生まれるかと思います。よろしければぜひ。
※本日のメルマガは「note」にも、図表付きでより詳しく掲載しています。
よろしければぜひご覧ください。
「note」の記事はこちら
=========================
<本日の名言>
成長に必要なものは責任である。
あらゆるものがそこから始まる。
ピーター・ドラッガー
==========================