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3646号 2024年2月18日

今週の一冊『すごいタイトル(秘)法則』

(本日のお話 3078字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日はランニング仲間と、47kmの山ランニング。
ガチのセミプロランナーもいらっしゃって、
非常に早いペースで走りとても良い練習になりました。

今年6回目の100kmマラソンに向けて、
脚を鍛えていきたいと思います。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日はおすすめの一冊をご紹介する今週の一冊のコーナー。
今週の一冊はこちらです。

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<今週の一冊>

『すごいタイトル(秘)法則』

川上徹也 (著)
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■「結局タイトルだよね」。

私事で恐縮ですが、10年近くメルマガを配信してきて、それを見ている友人からもらったコメントが、コレでした。
結局、その内容を読むかどうかを決めるのは「タイトル」。アナタ(私のこと)に興味があるなしじゃなく、タイトルがワタシに役立つ、関連しそうなことなら読むけどね、というのがその友人の言わんとすることでした。

たしかに、その通り。映画でも、テレビの番組でも、WEBメディアでもを見て、本でも、あるいは論文でも、読むかどうかの分かつのは「タイトルの力」が多分にあります。
情報の洪水の日々の中、私達は、無意識に受けるタイトルの雰囲気、語感、リズム、文字のバランス、ポジティブさ・ネガティブさなどから、直感的に興味があるかどうかを判断をします。そして、理由はわからずとも感性のアンテナに引っかったものクリック・選択され、次のステージ(見ること)に進むことになります。

SNSでもメルマガでも、発信をしている方も多くいます(もちろんこのnoteでも!)。そして、自分が精魂込めて書いたコンテンツを、やっぱり見てもらえると嬉しいものです。ゆえに、「タイトル」に迷われた経験がある方も、決して少なくないのではないのでは、と思います。

さて、そんな中で、今日ご紹介する書籍では、「ヒットするタイトル」について、紐解いた書籍となります。コピーライターや作家である著者が、映画、書籍、朝ドラ、楽曲など、様々な分野で研究をして、ヒットするタイトルの13の法則をまとめた書籍です。

■「すごいタイトル」とは何か?
そもそも、「すごいタイトル」とは何か。これも非常に曖昧な話です。この点について、3つの観点を紹介していました。

少し乱暴かもしれませんが、本でも映画でも、どれだけ良い作品だったとしても「手にとってもらえなければ存在しない」と同じとも言えます。ゆえに『売れる・ヒットするタイトル=すごいタイトル』という考えもあります。

あるいは、音の響きや表現などが、確かに、ガツンとインパクトがあり、一度聞いたら記憶に焼き付くタイトルをすごいタイトルとすること、つまり『カッコイイ・印象に残るタイトル=すごいタイトル』と考える人もいるでしょう。

じゃあ、売れさえすれば、インパクトがあれば、内容がぜんぜん違っていていいのか? というとそれも考えものです。
よくあるテレビ番組のCM前の展開や、YouTubeのように、「20秒後衝撃の展開が…!」みたいな「釣り」的なタイトルをちらつかせて、視聴率やクリックを獲得しても、実際は全然衝撃じゃない、などもよくあります。『内容がきちんと伝わるタイトル=すごいタイトル』と考える人もいるでしょう。

■タイトルが生み出す効果とは
これらの観点も含めて考えた時に、タイトルが生み出す効果は一体なにか?以下の3つが述べられていました。

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1,「読みたい」「観たい」「買いたい」気持ちにさせる
2,コンテンツの内容や世界観を端的に表現する
3,読者や視聴者の記憶に残り、口コミなどを誘発する
P36
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これらの効果のすべてが含まれれば理想的です。

また「タイトルは基本20文字以内がよい」(例外あり)とのことで、それらを満たそうと思うと、かなり大変になるでしょう。

かつ難しいのが、じゃあタイトルが良かったからと言って必ず売れるわけではないのです。上記の効果を満たしたタイトルでも売れないことはある。著者も「本書は売れたタイトルの分析であり、売れなかったタイトルの理由まで踏み込んでいるわけではない」と述べています。これらは「結局は後出しジャンケン的な分析かもしれないけれど、それでもタイトルを考える足がかりにはなるはず」と補足していましたが、その通りなのだろうと思います。

いずれにせよ、タイトルがもたらす上記の効果を、できる限り意図的に発動させることができたら、それは発信者にとっての武器になりそうです。

■「タイトル」は誰が決めるのか?
ちなみに、タイトル決めの傾向ですが、「クリエイター」はできる限り内容を表したタイトルにしたいと思い、「プロデューサー」は売れるタイトルにしたい思う傾向があるようです。

また、出版業界においては、「小説」は著者がタイトルを決められる傾向があるものの、「ビジネス書」は編集者(プロデューサー)がタイトルを決める傾向がある、ともありました。

あるいは、『転生したらスライムだった件』など「文章系」はライトノベルで流行っている、朝ドラは「ん」が入る作品が半数近くあるなど(『ちゅらさん』『おしん』など)特徴もあるなどのお話もありました。

■「いちご大福」の法則
さて、本書では、そのようなタイトルの中で「13の法則」を伝えているのですが、その中の「コアの法則」があるとするならば、その一つが「いちご大福」の法則ではないかと思います。

「いちご大福」の法則とは、”言葉に、おいしい化学反応が生まれていること”です。たとえば、タイトルの前半と後半が全く合わない言葉を組み合わせることなどで生まれる作用”とされます。

例えば、以下のようなコピーが紹介されていました。

・おいしい生活
・想像力と数百円
・本読む馬鹿が、私は好きよ。
・サラリーマンという仕事はありません。
・ココロも満タンに
・カゼは、社会の迷惑です。
・恋を何年、休んでますか。
・昨日は、何時間生きていましたか。


P43

上記はコピーですが、普通に使っていると出てこない言葉の組み合わせがインパクトをもたらしている例です。

この効果がある書籍のタイトルの例は『嫌われる勇気』『沈まぬ太陽』『コンビニ人間』『空飛ぶタイヤ』などであり、
映画であれば『セーラー服と機関銃』『美女と野獣』『少林サッカー』などになります。

「嫌われる」+「勇気」も、その組み合わせで日常で使うことはあまり想像できないですし、「セーラー服」+「機関銃」も普通はありません。

いわく、俳句の世界では「二物衝撃」という技法があるそう。関係ない2つのものをぶつけることで相乗効果として1+1以上のプラスの効果が生まれることを指すとのことですが、まさにこの作用がこの「いちご大福」の法則だそうです。
たしかに、ギャップによって「ん?」と、読みたい・気になる・印象に残るという効果が期待できそうですね。

■個人的感想
「朝ドラ」の文字数と視聴率をまとめた表にしたり、本屋大賞の受賞作品のタイトルを分析したり、バラエティの人気番組のタイトルを渉猟して分析したり、著者の方の「タイトルへのこだわり」を感じさせられる一冊でした。

言われてみれば確かに…!というものが多く、活用できそうなものがたくさんありました。タイトルも売れればいいだけでもなく、内容を表したい気持ちもあるし、立場によって決め方も異なるという難しさや、一つのタイトルを決める上でのステークホルダーの葛藤も書かれていたことも興味深い内容でした。

20文字以内の短い一文。そこに魂を込める人たちの物語と、着目する視点が垣間見えたことが、本書の価値と感じました。テクニックとしても、定期的に発信をされる方は参考になる書籍だと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

※本日のメルマガは「note」にも、図表付きでより詳しく掲載しています。
よろしければぜひご覧ください。

<noteの記事はこちら>

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<今週の一冊>

『すごいタイトル(秘)法則』

川上徹也 (著)
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