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3662号 2024年3月5日

立教大学の講師になった日、そして一歩先行くリーダーシップに触れた日

(本日のお話 2168字/読了時間4分)

■こんにちは。紀藤です。

先日は、立教大学経営学部ビジネスリーダーシッププログラムの合宿に参加させていただきました。
ご縁とは不思議なもので、この4月から立教大学経営学部ビジネスリーダーシッププログラムの兼任講師を務めさせていただくこととなりました。

まさか自分が大学生に「先生」と呼ばれる日が来るとは・・・。
人生何があるかわからないものです。

さて、今日はそんな兼任講師の仕事を務めるにあたって、キックオフのような立ち位置の合宿に参加をしてまいりました。そこでの経験が刺激的でしたので、差し障りながさそうな範囲で、振り返ってみたいと思います。



■ビジネスリーダーシッププログラムとは

立教大学経営学部の学生約400名に対し、リーダーシップ教育を提供していくというプログラムが「ビジネスリーダーシッププログラム(通称:BLP)」です。

本プログラムでは「リーダーシップとは他者への影響力である」を土台とし、プロジェクト型の学習カリキュラムが組まれます。
クライアント企業の課題を解決するというプログラムを通じて、チーム活動を行い、そのチームプロセスの中で、目指す目標に対して、自分がメンバーに何かしらプラスの影響力を発揮することを学んでいきます。

リーダーシップの最小3行動は「目標達成・同僚支援・環境整備」。プロジェクトの中で、自分が何かしらの影響力を周りに発揮することを経験した学生は、自らをチームに役立てる方法を知ることとなります。
本プログラムを経験した多くの学生さんは、「自分なりの強みを活かしてチームに貢献しよう」という想いを持っていきます。特に運営に携わろうと手を挙げた学生の皆さんは、とってもまっすぐで一生懸命な方が多い印象です。眩しすぎます・・・!

■「一歩先いくリーダーシップ」に触れた日

本プログラムは18年の月日を経て、進化・深化を重ねていとのこと。そして、今回「リアルなビジネスの現場におけるリーダーシップ」を身につけるようなプログラムにするべく、さらなる高みを目指されており、大いに刺激を受けたのでした。刺激というか、驚いて、しばしコメントが出てきませんでした。。。

詳細は伏せさせていただきますが、「組織の複雑性も理解した上でリーダーシップを発揮する」というテーマでしょうか。
もう少し踏み込むと「自分の所属するハコ以外のルールを知る」「責任や権限も考慮する(権限を持った人をどう巻き込むか)」「正解がないグレイゾーンの中で最適と思われる答えを探し続ける」などなど。

実際のシャバ(ビジネスの現場)では、ピュアな気持ちでチームの目標に向かってリーダーシップ(他者への影響力)を行使しようと試みても、影響を与えられないことなど多々あります。むしろ「何頑張っちゃってんの。そういうのめんどいし」と反発する人すら出てくることすら、珍しくありません。

そこには、「個々人のモチベーションの違い」や「巻き込み方の手順」のような政治的な話もあります。あるいは「部分最適と全体最適の違い」とか「紡がれてきた歴史のルール」などの空間的・時間的に視野を広げたときに見えてくる、最適解の違いなどもあります。
自分が純粋に「こうすべき!」と思ってもそれがある立場から見たら、正しくないこともあるのが現実です。ジレンマだらけ。

自分が目指している正解も、それは「自分の置き場所」から見た正解であって、実は「上の立場」や「横の立場」から見ると、もっと複雑で調整しなければならないことがあり、正解にならないことがあります。

結局どうすりゃいいねん、という話であり、だから自分のように独立して小規模のハコで好きにやりたい!という人もいるのでしょう。なので、組織でそうした複雑性の中で意思決定をしている人の器の大きさには、ただただ尊敬するばかり。

いずれにせよ、実際の意思決定者はそのような複雑な中でなんとか決めているという事実があります。それを踏まえた上で行動しようともがくこと。
”「自分のいる小さなハコ」のルールを俯瞰してみた上で、適切なリーダーシップを発揮できるようにする”、それが組織における現実のリーダーシップであるわけです。

・・・というような「一歩先行くリーダーシップの話」を学生を含めた運営陣向けのキックオフで語られており、そういった概念を大学1年生、2年生が学んでいること、そしてそれを吸収していることに、ただただ驚くばかりでした。
一体、彼ら彼女らは10年後どうなっていくのだろうか・・・。でも、こうした人が社会にたくさんできたら、日本の未来も明るい気がします。

■一歩踏み出すと、新しい何かが始まる

さて、この合宿の中で、コースが始まって18年間、様々な方が「バトン」を持ち、渡す中で発展していく歴史に触れました。
そして私自身も、大切なものに関わらせていただく気持ちになりましたし、それらのバトンを握らせていただく一員になったわけですが、振り返ってこうした機会をいただけることも、なんとも不思議なご縁だな、と感じてます。

個人の回顧録みたいですが、この立教大学の兼任講師のお仕事も、思えば3年前に大学院を受験したことから事は始まりました。仲間に助けられつつ、なんとか日々やってくる新しい知識と刺激の中で、大きなものに流されていくように、今に至りました。

ただ、自分なりに一生懸命やっていれば、色々なことが起こるもの。大学院のメンバーと一緒に仕事をすることになりました。その流れでこうしたBLPの講師を募集しているとのお話を頂き、そして今の場所に至っています。そしてここでも多くの先生と学生に出会い、また視野が広がろうとしています。

改めて思うことは、どこかしら一歩踏み出すと、新しい何かが始まり、そしてまたその世界で何かを行うと次の何かが見えてくる、という原則めいたことです。そして、そうしてもたらされたこうした連続したご縁で人生は続いていくんだなあ、などとしみじみ感じます。

思えばいつもこうしたチャンスへ声掛けいただくSさん始め、多くの先生の皆さまに、ありがたいと思うばかり。まだまだ至らぬ点も多いですが・・という枕詞は封印して、学生の皆さんにも、本プログラムにも貢献できるよう尽力したいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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<本日の名言>

機会はどの場所にもある。
釣り針を垂れて常に用意せよ。
釣れまいと思うところに常に魚あり。

オウィディウス
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