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3744号 2024年5月25日

論文を読めるようになる便利ツール『Paper Interpreter』のご紹介

(本日のお話 2838字/読了時間4分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日金曜日は、OJTトレーナーの皆様へのグループコーチングのサポートでした。
色々なコーチの方とコラボレーションで行う機会をいただいていますが、
振り返りから視点が広がったり、とても勉強になった時間でした。
他流試合って大事ですね。

また夜は、人材開発・組織開発の仲間との会食など。



さて、本日のお話です。

今日は「論文を読めるようになる便利ツール」について、ご紹介をしたいと思います。
それでは、早速まいりましょう!

タイトルは

【論文を読めるようになる便利ツール『Paper Interpreter』のご紹介】

それでは、どうぞ。

■「論文」は、先人の知恵が詰まっており、それらにアクセスできることは、自分が立っている分野において、大きな武器を与えてくれます。

しかし、悩ましいのが「論文=とっつきづらい」「論文=読む時間がない」という数々の壁。。。

そんな中、これまでも論文を探したり、集めたり、読みやすくするための様々なサービスやツールも開発されてきました。(個人的には「探す→Google Scholar,Connected Paper,Consensus」、「 集める→PaperPile、読む→DeepL(翻訳ソフト)」などがおすすめ)

そんな中で、大学院の仲間から「一般の人でも論文を読めるようになるツール(もちろん英語論文も)」を教えてもらいました。『Paper Interpreter』という、ChatGPTを活用したAI対応ツールです。(使えるのはChatGPTの有料版のみです)

試したところ、めちゃ便利・・・!と思いましたので、今日はそのツールについて使ってみた感想をお伝えしたいと思います。

(細かい内容は、本ツールを開発した紺野大地さんが、noteで詳しく解説されています。本記事では、使ってみた個人的感想を私なりにお伝えします)

■Paper Interpreterとは

「論文を読んでみたい、でも難しそう・・・」「論文を読みたいけど、全部読むのは時間がない」

こうした、論文難しそう問題、時間なくて読めない問題(仮)がありそう。論文が英語であれば、その壁は進撃の巨人ばりに高くなりそうです。

さて、論文の最初には「要旨」といってその論文のまとめが書かれていることもあり、そこから読めばよいといえばよいのですが、それでもやっぱりよくわからないということもしばしば。その理由は、やはり使われている言葉が「論文のお作法に則ったもの」であるからでしょうか。

そんな中、Paper Interpreterは、PDFを貼り付けるだけで、論文のポイントを一般の人に分かる言葉で、まとめて教えてくれます。ツールの特徴を聞いただけで、なんだか期待できそう・・・!

■Paper Interpreterの特徴

本ツールの特徴、そして私の思う魅力は2つです。

まず1つ目が、論文の全体像について「研究の概要」「背景」「方法」「結果」「議論」「新規性」「限界」「応用可能性」とそれぞれのカテゴリでのポイントをまとめてくれるところです。 どういった背景で、どのような方法で何を行い、どのような結果になったのかという全体像が、「論文の要旨」よりイメージがしやすいため、続く疑問を投げかけやすくなります。

そして2つ目が、1つ目に続くのですが「AI対応ツールであり、対話形式でQ&Aができるところ」です。まとめを行うと、どうしても抽象的にならざるを得ません。しかし「ここって具体的にどういうこと?」という質問を追加ですると、論文中に書かれている情報を元に回答をしてくれます。
たとえば、「方法として”デブリーフィングを行った”とありますが、具体的にどのような内容だったのですか?」と聞くと詳しく説明してくれます。
あるいは「”創造性に効果があった”とありますが、どのような尺度において、何と比較して、どの程度の効果があったのか?」などを聞くと、答えてくれるイメージです。自分が気になったところを教えてくれるので、論文を読み慣れていなくても、その内容について探求することが可能です(ストレスがすくなく、時間の節約になる、とも言えそう)。

■個人的感想

「便利になったもんだ」というのが率直の感想。

私が大学院に入学した2021年は、翻訳ソフトのDeepLしか知りませんでした。論文翻訳といえば、DeepLくらいのノリでしたが、ChatGPTの登場、そしてGPT4になり精度が高まり、最近ではGPT-4oとなりました。
もはや画像から翻訳するスピードはChatGPT-4oのgほうが、DeepLよりも早くなっているのでは・・・、とすら感じます。統計の図や表も、ChatGPTが懇切丁寧に説明してれます。

そこに加えて、ChatGPTの拡張機能的なAIツール「ChatGPT consensus」。そして今回ご紹介した「Paper Interpreter」が登場し、専門的な知識が必ずしもなかったとしても、論文=先人の知見にアクセスが可能になりました。

一方、ふと疑問が起こります。では、「元論文をそのまま読む必要はあるのか?」ということ。論文を読むことについては、まだ私も初級者ですがも「強み論文100本ノック」のプロジェクトで特定のテーマについてある程度の本数を読み進める中で思った中の感想をお伝えすると、とはいえ「元論文を読み解くプロセスの中で、知識が深まり、広がる」ことはある、という結論です。
特に、もし自分がその分野の専門家として「武器として使えるレベル」とか「アカデミックな分野でまとめる側」になるには、元論文を読むことは依然大事であるように思います。
たとえば、一つの論文を読んでいる中で、別の概念や尺度が登場することもあります。そして、引用元の論文をたどって、「論文の旅」をする中にこそ、学びのエッセンスがあるようにも思えます。たとえば、概念間のつながりに対して理解が深まったり、探索の中で思わぬ出会いや発見があったり。
それをタイパが悪い、といったらそれで終了かもしれませんが、私のようなそんなに理解度が高くない人にとっては、そうした地道なプロセスのほうが、自身の血肉になっている感があるな、と思えてきます。

とはいえ、このようなツールによって、論文の入口が広がるコト、とても素晴らしいなあと思う次第。あらためてテクノロジー、そして作者の方のアイデアと聡明さに感謝でございます!

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

※本日のメルマガは「note」にも、図表付きでより詳しく掲載しています。
よろしければぜひご覧ください。

<noteの記事はこちら>

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