ポジティブ感情・レジリエンスを高める強みの使い方4選 ~書籍『Character Strengths Intercention』より #20 ~
(本日のお話 2001字/読了時間3分)
■こんにちは、紀藤です。
昨日は10kmのランニング。
家族で近所へ買い物などでした。
また夜は1件の、人材開発の仲間との情報共有会。
皆さんの話を聞くと、刺激になります。
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さて、本日のお話です。
本日も引き続き、書籍『Character Strengths Intervention』を題材に「強み」の世界を探求をしてまいりたいと思います。
今日のテーマは「ポジティブ感情、レジリエンスを高める強みの活用方法」についてです。
ポジティブ感情はウェルビーイングに関わり、レジリエンス(困難な状況から回復する精神力)は組織においてもストレス耐性などと関連する概念として、近年注目されています。どのように両者に対して、強みを活用して影響を与えることができるのか、が本日のテーマとなります。
それでは、早速まいりましょう!
■ポジティブ感情を高める強みの活用方法
まずは、ポジティブ感情を高める強みの評価です。ここでも10のアクションリストが紹介されており、特に恋愛などのパートナーシップにおいて、強みを活用して自尊心を高めたり、関係を良くするのかが書かれています。今回は、職場でもプライベートな関係でも、どちらでも使える以下のワークをご紹介します。
(1)性格の強みの評価(★★★)
このワークは、他者の強みを認識するとともに、その人の最も良い特性を評価します。このことにより、お互いの関係のコミットメントや帰属意識などが高まることがわかっています(Kashdan, 2017)。以下がステップとなります。
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1,相手の最も良い性格の強みを3つ特定します。
2,相手がこれらの強みを発揮した最近の称賛に値する出来事を書き留めます。強みがどのように表現されているかを記述します。
3,感謝の意を表します。書いたことを相手と共有し、彼らの性格の強みの使用があなたにとってなぜ重要であり、価値があるかを説明します。
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■レジリエンスを高める強みの活用方法
次に、レジリエンス、また問題解決力を高める強みの活用方法です。今回は代表的な3つを紹介いたします。
(2)助けているか、害を及ぼしているか(★★)
私達の考えや行動は、状況において、自分を助けてくれるものにもなれば、害を及ぼすものにもなり得るものです。強みについても同様で、それが自分にとってプラスになることもあれば、そうではないときもあります。自分の強みがどちらに振れているのかを内省し、コントロールすることをお目的とするワークです。以下がステップとなります。
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1,現在使用している、または近い将来に使用することを考えている性格の強みを考えます。
2,自問する:この性格の強みは今、私を助けていますか、それとも害を及ぼしていますか?または、この性格の強みを使用すると、私を助ける可能性がありますか、害を及ぼす可能性がありますか?
3,この強みがあなたを養うのに役立つならば、その後、適切に行動を起こしてください。それがあなたを傷つけたり害を及ぼしたりする可能性がある場合は、別の行動方針を考えるか、別の性格の強みを使用することを検討します。
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(3)強みの過剰使用をマネジメントする(★★★)
「強みの過剰使用」とは、強みの活用において、極めて重要なキーワードです。わたしたちの強みは、「未使用ー最適ー過剰使用」の連続体にプロットできます。文脈に対して、強みを使いすぎると(過剰使用)、それは逆効果になることがあるわけです。
(例えば、「向学心」も使いすぎると、「知ったかぶり」「知識を披露したくて独演会になる」など望ましくない状況になることがあります)
自分の強みが過剰使用してしまう過去の状況を振り返り、その時の感情や考え、行動を振り返り、適切な調整をすることを検討することが重要とされます。
(4)強みのホットボタンを管理する(★★)
私たちの強みは、時に「ゆずれないこだわり」のような形として現れることがあります。たとえば、誰かの発現や行動で感情が高ぶるとき、それは自分の強みが反応する「トリガー(ホットボタン)」が押されている可能性があります。
(例えば、相手が「ユーモア」を使用してからかうような発言をするとイラつく。その理由は、自分が大事にしている強み「愛情」「親切さ」「社会的知性」などが未使用(ないがしろに)されているように感じるから、など)
ステップは以下の通りです。
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1,あなたの関係の中で、または一般的にあなたの生活で、あなたをトリガーするトピックや状況を一つ名前を挙げてください。バランスを崩したり、動揺させるものです。
2,どの性格の強みがあなたの中でトリガーされているのか?それはなぜですか?
3,このホットボタンの問題に関して、次回はどうしますか?トリガーされたことを和らげるためにどの性格の強みを使用できるかを考えます。
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■まとめと感想
今回のポジティブ感情とレジリエンスは、他の強みに介入方法である「感謝の手紙」や「感謝を数える」などのワークを関係性などに持ち込んだ物が多くみられました。
どれの強みの活用方法においても、必要になることは「自分の強みが働いていることを意識し、自己認識を高める」ことが必須であることにあらためて気付かされます。
ということで、次回が強みの活用方法の最後、「目標達成とマインドフルネスに強みを活用する」です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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