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3801号 2024年7月21日

今週の一冊『そして誰もゆとらなくなった』

(本日のお話 1225字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

毎週日曜日は、おすすめの一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナー。
本日ご紹介の一冊はこちらでございます。

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<今週の一冊>

『そして誰もゆとらなくなった』

朝井 リョウ (著)/文藝春秋
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■文字でそれだけ笑えるってなによ?

ある方が「めちゃくちゃ面白くて、笑いに笑った」と紹介しているのを見て、何の本なのかもよくわからず、タイトルも面白そうだし、というだけで買ってしまった一冊です。

一言、「電車の中で読むのはやめたほうがいい」と強調されており、本当かなあ・・・と思いつつも読んでみた土曜日の夕方。家族で食卓に座りながら、電子書籍で読んでいると、腸を使われるような笑いの波が吹き上がり、声を出して笑っていました。なんなら涙を出してました(笑いすぎて)。

期待通り、否、期待を遥かに越える面白さで、活字で涙を出して笑っていたのを見ていた妻がl「え・・・文字でそれだけ笑えるってなによ?」と思わず聞いてきたほどでした。

■最高にくだらなくて、最高に元気をもらえる本

さて、本書の説明を全くしていいませんが、こちらは「エッセイ集」です。

著者の朝井リョウさんは、『桐島、部活やめるってよ』や『何者』など、映画化もされた有名小説を書かれており、直木賞も受賞した作家。

その実力のある著者が、日々の中で起こる何気ないエピソードを、その才能触れる筆致で、最高に面白おかしく仕立ててくれた本です。

たとえば、「おなかがゆるくて、う◯こを漏らしそうになる」とか、「結婚式の余興で人体交換マジックをする」とか、「肛門科の先生とお食事を食べに行く」など、エッセイならでは日常エピソードを描くのですが、声を出さずに入られない、爆笑の渦に連れて行ってくれるのは、エピソードの面白さとその才能がシナジーを生み出した結果なのでしょう。

何がそんなに面白いかというと、それ以上は説明ができず「読んで下さい」としか言えませんが、真面目で知性を感じる文章の中に、突如やってくるしょうもない話が、緊張と緩和の落差に椅子から転がり落ちる感じを覚えてしまし、最高にくだらなくてい、最高に笑える一冊に仕立ててくれています。

■まとめと感想

すみません、もうこれ以上書くことができないのですが、「ぜひ読んでいただきたい」の一言。特に仕事で疲れている、ちょっと楽しめなくなっている、そんな顔面筋が硬直しがちな方には、超おすすめです。色々忘れて、ただただ楽しい読書体験をさせてもらえる一冊です。

以下、目次でございます。

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時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続く第三弾にして完結編。
怒涛の500枚書き下ろし! 頭空っぽで楽しめる本の決定版!

修羅!腹痛との戦い
戦慄!催眠術体験
迷惑!十年ぶりのダンスレッスン
他力本願!引っ越しあれこれ
生活習慣病!スイーツ狂の日々
帰れ!北米&南米への旅etc……

一生懸命生きていたら生まれてしまったエピソード全20編を収録。
楽しいだけの読書をしたいあなたに贈る一冊です。
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エッセイというジャンルの魅力を教えてもらえる一冊でした。さくらももこさんの『たいのおかしら』『もものかんずめ』『さるのこしかけ』を小中学校時代に読んで、大好きだったことを思い出した次第。

いやはや、ただただ面白かったです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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