「いいチーム」の条件とは? ー立教大学ビジネスリーダーシッププログラム
(本日のお話 2004字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
先日、この4月から兼任講師を務めさせていただいている立教大学 経営学部 ビジネスリーダーシッププログラムの「運営陣の振り返り会(通称:サマーキャンプ)」に参加をしました。
ちなみに、ビジネスリーダーシッププログラム(BLP)とは、学生がリーダーシップを身につけるためのプロジェクト型の学びの場です(詳しくはこちら)
そんなリーダーシッププログラムの春学期を終えて、運営陣一同、大教室に集まり、振り返りをしました。
その振り返りのプロセスと内容から、「いいチームの条件」について思うことがありました。今日はそのことについて書いてみたいと思います。それでは早速まいりましょう!
■「いいチーム」の条件とは
今回のリーダーシッププログラム。参加した学生さんの授業に対する評価はとても高く、「来年、運営チームに関わってみたい」という人が例年以上に増えていました。
実際、関わらせて頂いた私もよい運営チームだったと感じます。毎週火曜日の授業後MTGであれやこれや学生も含めてお話をしていたのが、これから無いと思うと、ちょっと寂しくも感じるくらい。それくらい楽しかったんだな、と振り返って思うのでした。
そして教員・学生スタッフで「自分たちのチームを一言でいうと?」「何がそんなチームにさせたのか?」などをディスカッションしました。
すると、こんな答えが出ていました。
まず、どんなチームだったかといえば「それぞれの個性を活かし合う」「お互いを認め合いつつも、成果には妥協しない」などが挙げられていました。すなわち、関係をつくる力も、成果を出す力も、バランスよく整っていた素晴らしいチームだったと言えそうです。
では、何が「いいチーム」にさせたのか?「個人」と「関係性」と「リーダー」とで、こんな話が上がっていたので、シンプルにまとめてみました。
■【個人】ほがらかで、前向きで、聞く力を持つ学生スタッフ達
まず「個人」の要素です。運営に携わる学生スタッフさんが、みなさん、「前向きで、ほがらかで、聞く力を持っていた」こと。
「若いのにすごいなあ・・・」なんていうと、オッサンっぽいですが、本当に自分が大学時代の様子を見ると、比べようもないくらい、立派です。すごい、素晴らしい!
学生の個々人の内側には、もちろん色んな思いがあるのでしょう。それでも、皆がこのプロジェクトに対して、自分ができることは前向きに関わりつつも、相手の話に耳を傾ける力がありました。
まさに「Win-Win」の関係づくり(=自分が伝える「勇気」もあり、相手の話を聞く「思いやり」もある)ができていたように感じます。
「いいチーム」には「いい人たち」が集まっている、そう感じました。
■【関係性】あちら側とこちら側という「派閥」がない関係性
次に「関係性」の要素です。本プログラムのコースリーダーの先生が、今回の運営チームの特徴に、ひらたくいえば「派閥がなかった」という話を挙げられていました。
たとえば、「私は運営スタッフの経験がある or 経験がない」「◯◯の能力がある or ない」など、これが派閥を生み出す心理的な要因になります。
「私は運営の経験があるから」と偉そうにしたり、逆に「経験がないから」と卑屈になると、「あちら側とこちら側」が生まれます。すると、そこにフォルトライン(断絶)が起こり、チームが一つになることを難しくしてしまいます。
それぞれの立場と意見を、対等に尊重し合うことができたのは、コミュニケーションの量と質が十分であったことなどが想像されます。
安心安全で、あちら側とこちら側がない関係性。それが個の力を活かし合うことを可能にしたのだろうなと思います。
■【リーダー】ほがらかなリーダーが、ほがらかな文化をつくる
最後に、「リーダー」の影響です。個人的には、今回、コースリーダーとなるT先生の影響が極めて大きかったように私は感じました。
リーダーの言動は、波紋のように広がっていきます。みんなが自由に楽しくやれるように環境を整備する。それぞれが強みを発揮できるように権限委譲をしていく。でも、締めるところはきちんと締める。
それでいて裏方では、様々なステークホルダーとの調整・交渉など、人知れず行わっている様子が、波のように電波をしていったように私は感じました。
リーダーの影響は、とても大きいです。
■まとめ
一つのチームができるのにも「個人」「関係性(環境)」「リーダーシップ」がそれぞれ影響を与え合っていることを、改めて感じました。
300人、400人のリーダーシップ開発は、一人では不可能です。多くの人の力があるからこそ、実現できるプロジェクトであり、そうしたダイナミズムを感じられる経験でもありました。
とても楽しい3ヶ月であったと同時に、運営に関わった学生スタッフの皆さん、受講生のこれからの活躍が、とても楽しみです。どんなふうに羽ばたいていくのか、私も負けないように日々精進したいと思いました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!