今週の一冊『ピアノの森』
(本日のお話 2154字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日は、午前中が「VIA強み発見ワークショップ」の実施、その後お昼から「出版ゼミ」に参加。
また、夜は毎月通っているピアノのレッスンでした。
毎年、春に発表会に出るのですが、来年の曲を練習し始めて早3ヶ月、ようやく譜読み(=楽譜を見ながら最後まで両手で弾く)の終わりが見えてきました。
全く形にもなっていないし、ひどいものですが、少しずつ曲っぽい輪郭が見えるにつれて嬉しくなります。なんだかんだ、自分はピアノが好きなんだなあと感じます。
さて、そんなお話を前置きにしつつ、毎週日曜日の「おすすめの一冊」のコーナーです。
今日の一冊は、『ピアノの森』なるものをご紹介させていただきます。
(完全に私の趣味ですみません・・・!)
ということで、早速まいりましょう。
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<今週の一冊>
『ピアノの森』 (モーニングコミックス)
一色まこと (著)
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■あらすじ
本作品は、森の端という治安の悪い場所で生まれ育った少年(主人公:一ノ瀬海)が森に捨てられたピアノを小さい頃からおもちゃのように遊んでいた話から始まります。
そのピアノと共に育ってきた海(カイ)は、並外れた音感を持っており、楽譜は読めないけれども、聞いた音を鍵盤にすぐに再生することができる才能を持っていました。
森に捨てられたピアノは、音を失いつつあり、しかしその少年だけは(その重たいピアノを弾くために指の力を身に着けて)森のピアノを弾くことができました。
実はそのピアノは、かつての名ピアニスト、そして事故でピアニスト生命を絶たれたうカイが通う小学校の音楽の先生のピアノであり、その少年と師匠・阿字野との出会いにより、物語が進んでいきます。
自由奔放で、人を引き込む、カイのピアノ。
対して、幼少期からピアノに人生をかけて積み上げていく、親友でありライバルの雨宮修平。
対称的な2人、しかし尊敬し合っている2人が、それぞれのピアノの道で歩んでいく成長譚とも言える物語です。
■魅力1「何かに打ち込む姿は、美しい」
さて、そんな物語の中で、個人的に惹き込まれたのが、「ピアノのコンクールに向き合う少年少女の打ち込む姿」です。
一巻では、小学校ピアノコンクールなるところに、カイが参加することになるエピソードが描かれます。
ただ、感動するのはそこもそうですが、脇役的な丸山誉子という子の登場シーン。
遊びも我慢して、ピアノに小さい頃から打ち込んできた小学6年生。
自分のすべてをかけて、と言っても過言ではないコンクール。巨大なプレッシャーがかかり、今までも一度も上手くいったことがない。
そんな少女が、小学校6年と後がない中で、不安に震えながらも、最高のパフォーマンスを発揮しようともがく。そして自分をさらけ出して、「今・ここ」に集中し、その場に向かう姿。
そのエピソードが、心の柔らかい部分を描いているようで、心を鷲掴みにされてしまいました。ドキドキして、思わず目から汗が出てしまいました。
私事ですが、大人になって趣味の発表会で弾くのにも緊張するのに、この登場人物の精神力と覚悟たるや(比較するのも失礼ですが)そんなことを勝手に想像してしまったのでした。
■魅力2「音楽の世界」もわかる物語
また、もう一つの魅力が、でもちょっと知りたい「音楽の世界」を知ることができるところです。
先日、ある私が尊敬している教養溢れるお二人と食事に言ったのですが、その際に、さまざまな音楽の話で盛り上がっていました(私以外)。
サントリーホールでのオーケストラの響きが良い、マーラー五番が好きだ、ショパンのピアノ協奏曲がほにゃららなど。
完全についていけないオーラが出ている自分に対して、丁寧に解説をしてくれましたが、その状況にいながら、自分の無知さに気恥ずかしさを感じていました。
ちょっとおしゃれなお店でワインリストを出されたとき、よくわからないのでとりあえず一番安いものから2番目のものを頼んでいる自分に似た感覚を覚えます。(その都度ワイン詳しくなりたいな、なんて思いつつ、結局いつも2番目を頼むのですが)
そんな中で、教養としての音楽も嗜みたいとも思ったときの一つのアドバイスをもらいました。それが、「のだめカンタービレ(アニメ版)とか見れば、わかりますよ」とのこと。
おそらく『ピアノの森』も同ジャンルの漫画であり、物語の中で紹介されている曲名をYouTube MusicやAppleMusic等で流しながら聞くと、音楽の知識も理解も深まって、ちょっとだけこうした話題についても、見識を拡げられそうな気もします。
■まとめ
良質な漫画は、世界を広げてくれます。ゆえに、とても良い学びになります。
しかも、嬉しいのがかつてヒットした作品は「全巻セット」でも安く売られています。たとえば、『ピアノの森』は全26巻で3000円、『のだめカンタービレ』は全25巻で1600円で売られていました。早速どちらも買ってみました。
こうした作品を読みつつ、音楽の世界への見識も高めて、ピアノももう少し深められるようになりたいものだ、そんなことを思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!