頑固親父のリーダーシップ
(今日のお話 1786字/読了時間2分半)
■こんにちは。紀藤です。
先日、土曜日は、
朝から英語塾、ならびに読書など。
夜には、
『わが谷は緑なりき』(1941)
という、結構前の映画(白黒)を
妻とともに見ておりました。
最近、映画といえば、
『君の名は。』を観に行き、
非常に感銘を受けたところ。
改めて、
日本のアニメの素晴らしさを
痛感した次第です。
アニメ作品の中で巨匠と言えば、
誰もが知る、宮?駿監督。
その代表作である、
「天空の城のラピュタ」を作成するにあたって、
宮崎駿監督が感銘を受けた作品が、
この『わが谷は緑なりき』
という作品であるとのことで、
古い作品ながらも、深く、趣ある映画でした。
今日は、この映画を見て感じた、
「リーダーとしてあり方」
について、思うところを
皆様に共有させていただきたいと思います。
それでは、どうぞ。
■『わが谷は緑なりき』。
この映画は、19世紀末の、
イギリス・ウェールズ地方の炭鉱町を舞台に、
モーガン一家にスポットを当てた、人間ドラマです。
(ちなみに、第14回アカデミー賞受賞の、超名作です)
そのストーリーは、こんな感じ。
*
モーガン一家は、
古き良き、絆深い家族。
一家の大黒柱である父親を筆頭に、
肝っ玉母ちゃん、
そして男5人兄弟、加えて娘1人。
その町では、皆が
”炭鉱で働く”という文化。
男たちはススにまみれてこそ一人前。
そんな価値観が当たり前の村であり、
そして、時代でした。
昼は、炭鉱で汗とススにまみれ働き
仕事が終わると、風呂で汚れを落とし、
皆で食事をする。
最初に食事に箸をつけるのは、
一家の大黒柱である父親。
肉は父親の前。
お祈りをし、
皆で黙って食事を食べる。
しかし、そこには確かに、
”家族の絆”がある。
まるでイギリス版「3丁目の夕日」のような、
厳しくも暖かい家族像が描かれていきます。
■そんな劇中のワンシーンで、
こんな場面がありました。
それは、
一家の末っ子のヒュー(10歳くらい)が、
学校で上級生にいじめられ、
鼻血を出して泣きながら帰ってきたというシーン。
父親はその様子を見て、
こう言いました。
「悔しいか。
それなら、逃げちゃだめだ。
これから、傷を作ってきたら、1シリングやる。
もし鼻が折れたら1ポンドやる。
だから、逃げずに戦うんだぞ。」
父親は、ヒューの心をいたわりつつも、
彼の「悔しい」という気持ちを、
彼自身が克服する後押しする、
そんな行動を選択します。
さらに、
息子が大きい上級生に勝てるよう、
友人の拳法家(ボクサー)を紹介します。
結果、ヒューは拳法を学び、
いじめっ子を見返します。
■そして、無事いじめっ子をやっつけたのも、つかの間。
それを見ていた、嫌な先生が、
「喧嘩をするとは何事だ!」
といじめっ子を棚に挙げて、
一方的に、ヒューのみを、
棒で鞭打ちのごとく叩き続け、
ボロボロにしてしまいます。
息も絶え絶えで、
何とか家に帰ってきたヒュー。
彼は傷だらけで、
失神してしまいます。
そして朦朧とした意識で
うな垂れるヒューを見て、
父親は、こう言うのです。
「悔しいか。
もしお前が望むなら、すぐにとんで行って、
奴をボコボコにしてやる。
ただ、お前が
”そうしてほしくない”と望むなら、
俺は何もしない。
お前の気持ちを、俺は尊重したい。」
そして、ヒューは泣きながら、
「いいんだ。自分で何とかしたい。」
そう言うのです。
厳格な父親は
「男になったな」と言い、
そしてそっとヒューの頭を撫でます。
■そしてそんな父親の姿勢を見て、
思うところがありました。
それは、
「人を動かすリーダー」の姿勢とは、
まさしく、この父親のヒューに対する態度、
すなわち、
【相手の立場に関係なく、
相手の気持ちを一番に尊重すること】
そして、
【必要に応じて、そっとサポートする】
ということ
このような姿勢なのではないか、
そう思ったのです。
素晴らしいリーダーとは、
1から10まで、事細かに指示をしたり、
素晴らしい管理能力を持つということではなく、
”その人が、能力を開放し、
自分で自分を育てることができる人物を育てる”
ことではないだろうか、
そのように思います。
例え相手が子供でも、
まだ、経験が未熟な若造だったとしても、
『相手が誰であれ、一人前の人として、
尊敬の念を持って接するということ』。
きっと、この行動こそが、
リーダーシップの一つの要素であり、
人間関係においても、大切な要素ではないか、
そんなことを感じた次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
皆様にとって素晴らしい一日になりますように。