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3974号 2025年1月11日

「100年人生ゲーム」から考える「何のために働くのか?」の答え

(本日のお話 1956文字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日はストレングス・ファインダーの企業研修の実施でした。
また夕方から1件のミーティング。
その後、クライアントの人事役員と人材開発室長との会食でした。



さて、本日のお話です。

先日、人事の方とのお食事会で「働くことを省エネ化する人が増えている」というテーマで話が盛り上がりました。

「一生懸命がんばっても貰える報酬が同じなら、省エネして働いたほうがいい」という若手が増えている、なんて話です。

たしかにわかるよな、でも難しい問題だよな・・・なんて思いつつ、とても大切なことだと感じました。

今日はそのお話からの気づきを、共有させていただければと思います。
それでは、どうぞ。

■人生の1/3を占めるアレとコレ

浦上ふとん店のCMのキャッチコピー。

「人生の3分の1は『睡眠』です。良い眠りは良いふとんから」

言われてみるとたしかにその通り。

そのキャッチコピーに納得して、良い寝具に買い替えようと、私も思いました。
そして、(浦上ふとん店さんではない)別のマットレスを買いました(苦笑)。

人生の1/3。それだけ長く時間を使うなら、良い時間にしたいものです。

同様に、人生の1/3を占めるものに『仕事』があります。
1日8時間の労働時間と考えると、人生の1/3は働いているともいえます。

■仕事で得られるもの

さて、私たちが仕事で得ているものは何か?

それを考えた時に、パッと見た「賃金」が一番のものに思えます。
それはその通り。

しかし、考えてみれば、「仕事」を通じて得られているものは、
他にいくつもあることに気が付きます。

生成AI検索のPerplexityによると、仕事によって得られるものは以下の通り。

――――――――――――――――――――――
<仕事を通じて得られるもの>
1.経済的安定(賃金)
2.福利厚生:(保険や待遇)
3.社会的ステータス:(社会的な地位や承認)
4.人間関係(人的ネットワーク)
5.成長の機会(個人的・専門的な成長)
6.自己実現:(自分の理想ややりたいことを実現する機会)
7.社会的貢献(社会に貢献し、やりがいや達成感を得る)
――――――――――――――――――――――

言われてみればその通りなのです。

ただ、昨日の会食で、しかし「働く=賃金を稼ぐ手段」という見られ方が全面に出すぎているのでは?という話があり、妙に納得しました。

曰く、若手の人に話を聞くと「賃金が上がるわけでもないし、努力するのはもったいない」と述べるように、「働くを省エネ化する」現象がちらほら起こっている・・・なんて話でした。

「人生の1/3は仕事。だからその時間を豊かにしよう」

と考えればもっと豊かになるし、5.成長の機会、6.自己実現、7.社会的貢献 を軸に置こうとすると、もっと違う見え方もするのかもしれない・・・と。

■「100年人生ゲーム」のゴール

少し前に、Yahooニュースで、「100年人生ゲーム」をタカラトミーで発売した話を目にしました。

これまでの「人生ゲーム」は、そのゴールが「良い賃金の職業につく→億万長者になること」という、まさに経済的価値を最上位に置いたものです。

新しい「100年人生ゲーム」は、そのゴールが「幸福度(ウェルビーイングポイント=ウェルポ)」を集めることにしています。そして、最終的に幸福度が高い人が勝ちとなります。

つまり、「賃金」ではなく「様々な経験を得る」ことを目指しているところに新しさと時代を感じます。

■仕事を楽しいものに変える発想を持つ

そして、このニュースを含めて思ったこと。

「働く」とは、賃金だけではなく「経験を手に入れる舞台」のようなもの。
賃金ももちろん大事。しかし、それ以外の価値もあります。

そこに社会全体として価値を見出す流れができると「働くことの省エネ」とは違う道筋も見えるのかもしれないな・・・そんなことを感じました。

昨日お食事を共にさせていただいた人事の役員の方は、こう言います。
***
・給与の原資は限られている。だから無限に高めることはできない。
・新入社員の初任給を高めると、その後の給与の上がり方をなだらかにせざるを得ない。
・報酬とは「あの人より私は頑張っていて評価されている」という評価の公正感を伝えるフィードバックするためのツールとしての機能が最も重要。
・その評価のフィードバックは管理職を中心に押さえつつ、「賃金そのもの」以上に価値を感じられる働きかけが重要だと思う
***

とのこと。

人事の制度や報酬に関することは、センシティブで複雑な話です。
やっぱり給与はたくさん欲しいです。

また頑張っても報酬が上がらない、市場に比べて低い、割に合わないと感じると、努力するモチベーションが高まらないのもわかります。

でも、特に若手のときに「短期的に賃金が得られないから、効率的に楽して、働くを省エネ化しよう」とすると、上記の希少な賃金以外の機会を失っているかもしれない。
こういうことをより考えていく機会が必要があるのだろう・・・そんなことを、先日の会食と「100年人生ゲーム」の話から思った次第です。

「働く」ことの意味、改めて考える事が大事だな、と思いました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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