書きたいXと求められるYとの間に揺れる
(本日のお話 1956文字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
引き続き、沖縄に来ております。
先日の日曜日は8kmのランニングでした。
その他「やんばるアートフェスティバル」へ家族へ見学など。
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さて、本日のお話です。
先日ふらりとnoteに書いた記事に対して、思いがけず多くの反応をいただき、驚いていました。
2日間で約300の方から「スキ!」をいただくのは、私がnoteを開始して以来のリアクションでした。
※こちらの記事です→「論文のまとめを「生成AI」に任せて失われたもの」
「自分は自分のために、自分が好きなことを書くのサ・・・」と、どこか黄昏れている自分がいましたが、多くの方にリアクションいただけたことは、正直、めっちゃ嬉しかったです。
「♡」が集まるたびに、フォロワーが増えるたびに感じる、気持ち良いこの感じ。抗いたいけど抗いようがない、胸の奥から突き上げる、承認欲求の雄叫びを感じていました。
今日はこの「ちょっとだけバズった件」から思ったことについて書いてみたいと思います。
よろしければお付き合いいただけますと幸いです。
■「自分の書きたいことを書く」ということ
「書く」ということは、まず「自分のために書く」ことから始まる。
個人的には、そんなふうに思っています。
「書くこと」で、モヤモヤした悩みの輪郭が見えて、思考が整理される。
「書くこと」で、体験を自分の言葉として再生産することで学びに変える。
「書くこと」で、なんとなく流れていく毎日に、意味を与えられる。
それが日記でも、ブログでも、まとめ記事でも、何かしらの価値を生み出してくれると感じます。それだけでも十分に書くことのメリットがあります。
自分の書きたいことを書く。
そして「書く」という行為そのものに価値がある。
これは多くの人が認めていることではないでしょうか。
■「人が求めるものを書く」ということ
とはいえ、できれば、自分が書いたものに「共感を得たい」という気持ちもあります。
「うわー、これめっちゃいい話!」と、興奮気味に、鼻息荒く書いた記事。
心のどこかで「♡つかないかな・・・」と密かに期待している自分がいます(大体つかないんですけどね)。
この思いの裏側にあるのは「自分が価値を置くものを、認めてほしいから」ではないかと思います。
自分がいいと思ったものを、他の人もいいと思ってくれる。
自分が心震わせたものを、他の人も心を震わせてくれる。
これらの事実は、自らの存在を間接的に証明してくれる気がします。
他者依存的な感情に左右される自分に戸惑いつつ、それもまたまぎれもない事実なので、仕方ありません。
そうして、「自分が書きたいものを書く」から始まり、「他者が求めるものを書く」へと視点が移っていきます。
■「書きたいX」と「求められるY」との間にゆれる
さて、話は変わるのですが、私には目標があります。
それは「強みについての本を書く」という目標です。
そんなプロジェクトもちょっとずつ歩を進めていますが、
その中で、編集者の方との、こんなやりとりがありました。
「紀藤さん、本のタイトル『強みを活かす』じゃなくて、『弱みを活かす』とか『欠点だけでも大丈夫』みたいなアイデアになりませんか」
私は、これまで「世界の強み論文」を読み、noteに記事にしてきました。
しかし、残念ながら、記事はそんなにリアクションがありません(汗)
(マガジンをフォローいただいている皆さま、ありがとうございます…!)
編集者の方いわく「強みを活かして活躍しましょうというメッセージは、『当たり前すぎて説教されている感じがする』んですよね」とのこと。
確かに、言われてみればそうかも・・・。
書きたいことと求められる事の間には、距離があるようです。
▽▽▽
「自分が書きたいこと」を、「X」とします。
Xを言葉にするのは、大変だけど、まだシンプル。
ですが、これだけだと「広く伝わる」には、ハードルがあります。
「周りからに求められること」を、「Y」とします。
たとえば、興味がある話題かもしれないし、悩みを解決するヒントかもしれないし、情報かもしれません。
しかし、Yだけ考えすぎると「自分が発信する必要があるのか?」という疑問も浮かびま
す。迎合している感覚にプライドが毀損されるかもしれません。
「自分の書きたいこと=X」。
「周りから求められること=Y」。
「書きたいX」と「求められることY」の連立方程式をどう解くのか。
これを、どのように配分して、形にしていくのか。数学は全く得意ではないですが、このXとYの間をうめる方程式が想像以上に難しいと感じます。
発信をするそれぞれの人が、難易度の高いXとYの間の連立方程式に日々向き合っているのかもしれない。・・・そんな想像をすると、それだけで尊敬します。
自分が書きたことを捻じ曲げるも哀しい。
しかし、読まれてこそ、自分の伝えたいことが伝わる。
この事実も無視せず、XとYの間を埋めるべく、自分なりに考えていく。
そんなことを、ささやかな注目を集めた記事を通じて、感じた次第でございます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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