強みと幸福の関係:人生満足度に関連するトップ5の強みとは?
(本日のお話 1856文字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
さて、本日は「強み」に関する論文のご紹介です。
今日の論文は、強み界隈ではとても有名な研究です。
そのテーマは「強みと幸福の関係」について。
20年ほど前、ポジティブ心理学の父と称されるマーティン・セリグマン博士と、強みの介入に関する重要な研究を行ったパーク博士らが、成人5,299人へ「強みと人生満足度の関係」について、インターネットを通じた大規模調査を行いました。
その結果、「人生満足度と関連する強みトップ5を特定した」のでした。この結果は、その後、他の文化圏における研究でも再現されており、信頼性が高いものでした。
では、一体どんな研究だったのでしょうか?
それでは早速、その内容を見てみたいと思います。
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<今回の論文>
タイトル:STRENGTHS OF CHARACTER AND WELL–BEING(性格の強みと幸福感)
著者:Nansook Park, Martin E. P. Seligman
ジャーナル:Journal of Social and Clinical Psychology, Vol. 23, No. 5, 2004,
所属:University of Rhode Island
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※ChatGPTによる要約はこちら↓↓
https://chatgpt.com/share/67a2c48f-fb6c-8010-9ed0-339a0dd84c91
■人生満足度に関連が”強い”強みトップ5
本研究では、インターネットで募集した5299名(70%が女性、80%がアメリカ人)に対して、VIAーIS(24の性格の強み尺度)と、人生満足度尺度(Satisfaction With Life Scale:SWLS)に答えてもらいました。
そして、人生満足度に関連する強みを特定する、というシンプルなプロセスです。その結果、人生満足度に最も強く関連する「性格の強み」は、以下の5つとなりました。
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<人生満足度と関連が”強い”「性格の強み」>
1位 希望(Hope)
2位 熱意(Zest)
3位 感謝(Gratitude)
4位 好奇心(Curiosity)
5位 愛情(Love)
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特に「希望」と「熱意」は人生満足度と大きく関連していました。
ついで、「感謝」「好奇心」「愛情」などが続きました。
■人生満足度と関連が弱い強み
一方、人生満足度との関連が弱い「性格の強み」は、次のようなものになっています。
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<人生満足度と関連が”弱い”「性格の強み」>
・謙虚さ(Modesty)
・審美眼(Appreciation of Beauty)
・創造性(Creativity)
・判断力(Judgment) ※現在は批判的思考力
・向学心(Love of Learning)
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「謙虚さ」が人生満足度に繋がらないことについては、アメリカ人、日本人、どちらも同じ結果となっています。(自らの価値を低く見積もる、ということで、自尊心の低下などを招くのかもしれませんね)
また「創造性」「向学心」「判断力」なども、人生満足度との関連が低い傾向があります。教育や文化で評価されていても、「人生満足度にポジティブな影響があるとは限らない」のでしょうね。
■強みを使うほど、人生満足度は高まる
最後に、本研究においては、「性格の強みが過剰であると幸福度が低下するのでは?」という仮説が立てられていました。しかし、研究の結果は、『すべての性格の強みにおいて「多いほど幸福度が高い」という線形関係が確認された』と述べられています。
つまり、「私はどの強みも当てはまっている」と回答するほどに、「私は人生に満足している」と答える率も高くなる、というのがこの研究での結果であったようです。
■まとめと感想
スイスで178名を対象に、同様の研究を行いましたが同じような結果が出ていた論文もあります。強みの活用感と幸福度はつながりがあることは、間違いないようです。
一方で、『強みの過剰』は、本人の使用感としては幸福度にマイナスの影響はないとしています。しかし、他者からの評価からすると、どんな強みも出すぎると厄介になることもある、とする研究もあります。(例えば、「慎重さ」も強すぎると「リスクを見すぎ(動けない)」、「勇気」も行き過ぎると「無謀」になる、など)
改めて、後の研究に大きな影響を与えた、インパクトの大きい研究であることを改めて感じた次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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