良かれと思って、ありがた迷惑
(今日のお話 2343字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
ならびに打合せなど。
期末の8月が終わり、
私共の1年間が終わったのですが、
何とか目標を達成することができました!
お世話になりました皆様に感謝をしつつ、
より役に立つために、まだまだ勉強が足りないな、
と感じる今日この頃です。
もっと勉強しよう。
*
さて、本日のお話です。
話はガラリと変わるのですが、
実は、私の近しい知人が働く会社が、
なくなってしまうかもしれない、という、
”解体の危機”
に晒されています。
そのワケを聞きながら、
「良かれと思って、ありがた迷惑」
というテーマで、
思うところがありましたので、
今日はそのお話を、
皆様に共有させていただきたいと思います。
■私の知人の働く会社。
5名程度の、ごく小さいWEBの会社です。
もう10年近くやってきたのですが、
ここ最近、経営者が変わり、
ガラリと雰囲気が変わったそうです。
今までのその会社の強みは、
「自由で、皆がのびのびと働けること」
でした。
すなわち、
”8時間働けば、朝こようが、夜こようが、
いつ帰ろうが、自宅勤務だろうが、別に構わない”
という会社。
そういったスタンスが、
従業員の働き方に合っていて、
さほど高くないという給与でも、
皆、楽しく働いていたのでした。
■しかし、最近、
ある事情により、経営者が変わり、
そのスタイルが変化しました。
新しい経営者は、
WEB業界のことは全くわからず、
「経理一本」でやってきた人。
当然、従業員の気持ちは
あまりわかっていないようでした。
新しい経営者は、
「会社なんだから、もっと規律が必要」
「会社なんだから、もっと管理が必要」
そういって、
経営者の管理がしやすいように、
タイムカードを導入したり、
またルールをたくさん持ち、
従業員の「管理」の姿勢を強めていきました。
確かに、それも間違っていません。
会社としては当然かもしません。
経営者としては、
悪気があったわけではなく、
むしろ、
「従業員と仲良くなりたい」、
そう思っていることも、
同時に事実でした。
だから、一生懸命、
「これからの会社の方向性」、とか
「これからもっと給与も上がるから」、とか
そんなモチベーションを高める話をしつつ、
15時には皆がリラックスできるように
「一緒におやつでも食べようか」
と誘ったり、その人なりに、
プラスの提案もしていたのでした。
■しかし、これらの結果、
何が起こったのか。
努力の甲斐、虚しく、
最近、会社を軸として支えてきた人が、
1人辞め、そして2人辞めました。
そして、もう一人も、
先日、「辞めます」
と宣言をしてしまった
そんな現状になり、
そして現在、存続の危機に晒されているそう。
そんな折、
会社の創業時からいた社員は、
経営者に対して、こういったのでした。
「15時のお菓子タイムとか、
私達が求めているのはそんなことじゃないんですよ」
「残念なのですが、皆、
あなたのことを嫌ってしまっているんです」
と。
■WEB業界で働く人は、
”技術者”です。
この会社にいた従業員が求めていたことは、
「いかにスキルをつけるか」であり、
「自分のペースで自由に働けるか」であり、
「自由奔放にやらせてくれるか」が、
彼ら、彼女らにとって
”そこにいる理由”であり、
”彼らの『WIN』”
だったのです。
それは、決して、
「管理されること」だったり
「15時に団欒におやつが出ること」
ではなかった。
むしろ15時のおやつなどは、
自分のペースを乱す、ネガティブな要因でしかない。
そのことを、
経理畑一本だった経営者は、
気付くことができなかった。
そして、現在、
社員が残りわずかとなり、
会社として続けられるのか、、
というところに来ている、
そんなお話だったのです。
■このお話を聞いて、私は改めて、
「相手を理解すること」の大切さ、
より細かく言えば、
『相手の”WIN”を理解することの大切さ』
とは、かくも大事なものである、
と強く思わされました。
新しい経営者は、
従業員が喜ぶと思って
お菓子を差し入れしたりしたけれども、
それは「相手のWIN」とは違っていたのです。
良かれと思ってやっていても、
それはただの
「ありがた迷惑」
であり、
「自己満足」
でしかなった、
残念ながらそれが現実だったようです。
■そして、思うのです。
こういったことは、
実は私達もついやってしまっているのではないか、
と。
例えば、
・妻が喜ぶと思って、色々アドバイスした。
けれども、妻は「ただ話を聞いて欲しかった」
だけだった
とか、
・上司が、部下に
「自由にやらせたほうがのびのびと楽しいだろう」と
特に指示をしなかった。
しかし、実は部下は
「わからないから、細かいアドバイスがほしい」
と思い、不満・不安を感じていた。
とか。
そのように、
『(相手に)良かれと思ってやっていたことが、
実は相手にとってはWINではなかった』
ということ
気付かぬうちに、
結構やってしまっているのではないか、
空恐ろしい思いとともに、
そのように感じたわけです。
■当たり前ですが、
他人とは、自分と考え方も、
価値観も、大切にするものも違う生き物です。
だからこそ、
すれ違いを避けるためにも、
『相手のWINは自分とは違う』
ということを常に頭に置いて
話をすることが本当に大事なのだろう、
そう思うのです。
そうして、場合によっては
「相手のWINはなにか?」
と直接聞くことも
必要となってくるのでしょうし、
常にアンテナを立てて、
感じようとすることも、
あらゆる人間関係において、
非常に重要になってくるのでしょう。
■相手と自分は、違います。
だからこそ、
【良かれと思って、ありがた迷惑】
にならぬよう、
仕事でも、プライベートでも、
自分の大切な人たち、関わる人たちのとの関係において、
十分気をつけたいものだ、
知人の会社のエピソードを聞いて、
そのようにひしと思った次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日が皆様にとって、良い1日となりますように。