決めつけで処方しない
(今日のお話 2043字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
日曜日は朝から友人、妻を含めた
「7つの習慣」勉強会でした。
昨日のテーマは、
「第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される」
だったのですが、
”処方する前に診断する”
という当たり前だけれども、
意外とできていない原則について、
改めて気が付かされました。
ということで、早速ですが、
今日のお話、
「決めつけで処方しない」
というテーマで、
思うところをお伝えしたいと思います。
それでは、どうぞ。
■人は、つい相談をしたり、
または相談されたりするシーンで、
「いや、それならこうした方が良いよ!」
「絶対間違っているって!」
「私の場合は、こうだったのよ」
という応答をしているケース、
ままあるように思います。
これらの反応は、
自分の意見や話を
”相手が聞かせてモード”
だったらいいのですが、
実はそうではないケースが多いようです。
「ただ聞いて欲しかった」
「頭の整理ができなくて、
相談相手になってほしかった」
と思っていたのに、
なんだかあーだこーだ言われて、
逆に混乱してしまった。
こういった、
自分の物語、自分の見方を通じて、
”決めつけて”しまい、
「こうしたほうがいい」
「ああしたほうがいい」
と、ろくすっぽに相手の話も聞かないで、
”処方をする”こと。
よくあるこの行為は、実は時には
誰かとの信頼を損なう一因になりかねない、
そのように「7つの習慣」では
お伝えしています。
■そして、この
”決めつけで処方する”
”ろくすっぽに相手の話も聞かないで処方する”
ということについて、
私は個人的にとある苦い(というか痛い)
経験があります。
*
7年程前、突如喉の痛みを感じ、
そして高熱が出たことから、」
近くの医者(内科)に行きました。
当時、「喉の痛み=耳鼻咽喉科」という知識も、
あまりなかったし、熱もあったので、
とりあえず距離を優先して、
病院にいくことにしたのです。
すると、出てきたのは、
おじいちゃんっぽい先生。
検査をした後の結果を見ながら、
ディスプレイを眺め、私の症状を
さらさらと問診していきます。
「喉がイタイ」
「熱がある」
「鼻が詰まる」
そう私は答え、
最後にドクターはこうは言いました。
「風邪でしょう。
とりあえず熱が高いから、
点滴打っておきますよ。
薬も出しときますんでね、お大事にね」
・・・そして、
家に帰り、薬を飲み、
回復を待ちました。
■しかし、です。
薬を飲んでも、飲んでも、
翌日になり、そのまた翌日になっても、
熱は下がるばかりか、上がる一方。
だんだん、「喉の腫れ」も
尋常じゃなくなってきました。
ついには声もでなくなり、
口も開かなくなり、
通っていた病院にいったのです。
すると、そのおじいちゃん先生が、
また血液検査をして、言いました。
「白血球の数が、高くなってるね。
とりあえず、喉痛むようだから、
抗生物質と痛み止めもね、
追加で出しておきますから。
様子を見ましょうね」
そう、私に告げたのでした。
■その日の夜のこと。
突然、喉の激痛に襲われ、
痛み止めも聞かず、
悶絶するようにのたうち回りました。
じっとしておくのも辛くなり、
友人にタクシーで連れられ、
大学病院の緊急外来に診察にいくことに
なったのでした。
そこには夜勤らしい、
研修医らしき方、当直の方が何人かいて、
その方に診察を受けることになりました。
すると、その先生は、
見るなり一言で言いました。
「これは完全に、”扁桃周囲膿瘍”になっているよね。
完全に膿が喉にたまって、
口も開かなくなってしまったんだよ。
よくここまで我慢していたね。」
と。
結局、私はその直後、
喉を切ったりする手術をすることになり、
そしてそのまま、入院生活を余儀なくされたのでした。
■昨日「7つの習慣」勉強会にて、
”第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される”の
『処方する前に診断する』
を皆で学びながら、
改めて思い返したのです。
そして思いました。
「あのおじいちゃん先生は、
自分の経験から、
『思い込みで処方をしていた』
のだろうな・・・」
と。
まあ、内科領域だから仕方がない、
といえばそうですが、蓋を開けて見れば、
その先生の『思い込みで処方』されていたことは
間違いありませんでした。
■そして、こう言った話は、
何も私の”喉の痛み”の話だけでなく、
あらゆる出来事、人間関係において、
同じことが言えるように思ったのです。
自分の経験や情報に
自信があるがゆえに、
「この症状に違いない」
(=俺が見てきた患者は皆そうだった)
「これが役に立つんだから」
(=私も役に立ったからあなたも役に立つはず)
みたいな、
【決めつけ処方】
なるものを、
ついやってしまうこと、
時にないだろうか、
と思うのです。
■しかし、誰もが目指したいのは、
「最終的に望む結果」
を得ること。
望む結果とは、
相談された相手の問題を
解決してあげたりするとか、
人間関係において、
よりよい状態を築けるとか、
そういうことだと思います。
だからこそ、
【決めつけで処方しない】
ということを常に頭に入れ、
そして、まずは心から耳を傾け、
自分の経験や情報がしゃべろうとすることに、
ぐっとこらえていくことが
大切なのだろうな、
そのように感じた次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も皆様にとって、素晴らしい1日になりますように。