シン・ゴジラから学んだ教訓 「楽観的憶測は禁物」
(今日のお話 2317字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
土曜日は早朝6時からテニス。
その後、平日に出来なかったお仕事を少し終わらせ、
夜は最近大ヒットとの噂の
「シン・ゴジラ」
を、これまた噂の
”4DX(シートが動いたりするシアター)”
にて見に行ってきました。
結論からすると、
「物凄く面白かった」
の一言。
ネタバレになるので、
詳細を触れることは控えさせていただきますが、
色々な日本の問題点、
それこそ、
外交問題、
政治の問題、
危機対策の問題、
かのとある事件を
風刺するかのごとく作品は、
アミューズメントという枠を超えて、
ドキュメンタリー映画のような、
そんな雰囲気すら感じました。
まだ見に行かれていない方で、
そういったテーマが気になる方は、
ぜひ見てみて下さい。
きっとハマると思います。
*
と、さて、
前置きが長くなってしまいましたが、
今日はその「シン・ゴジラ」の
ワンシーンから思った、
ある気付きをお伝えさせていただきたいと思います。
それは、
「安易な”楽観的憶測”は禁物」
というテーマ。
このお話を、
”ドラッカーの時間管理術”に絡めて、
(なんじゃそりゃ、ですが)
思うところを皆様に
ご共有させて頂きます。
それでは、どうぞ。
(注:ごく一部「シン・ゴジラ」のネタバレがあります。
コアなストーリー部分ではありません)
■さて、「シン・ゴジラ」の映画。
そのタイトル通り、
当然ながら、ゴジラが
日本を襲ってきます。
ただ、昔のゴジラと大きく違うのが、
”ゴジラが襲ってきた → よし、倒せ!”
というシンプルな図式ではない、
というところ。
実際、もしゴジラのような「未確認生物」が
現実の日本社会に突然現れたら、
多分、こうなるだろうな、というイメージで
”ゴジラが襲ってきた → まずは対策を政府で考える”
という妙に生々しく、
現実的な描写で、ストーリーが進んでいくのです。
「なんだアレは?!」と
やんややんやしながら、
閣僚会議で、
後手後手の対応策を決めたり
政治家が、インターネットを見て、
後手後手に意見を交わし合ったり、
とにもかくにも
総理に決定を仰いだり、
そんなシーンが描かれていたのでした。
■そして、
その対策を決定に関するシーンで、
ある”偉そうだと思われる政治家”が、
こんな発言をするのです。
「あの未確認生物だっけ?
体が重いから、陸には上がれないって話じゃないか。
そんなに心配しなくても、大丈夫なんでしょ」
と、
楽観的な発言をし合うのです。
すると、その発言に対して、
若手の有望な政治家が、
返す刀でこのように言ったのでした。
「旧日本軍は、太平洋戦争時、
”こうあったらいい”
という大本営の希望的観測により、
致命的な失敗を被りました。
『安易な楽観的憶測』は、くれぐれも禁物です。」
と。
■その後のエピソードは劇場にて、
ということですが、、
この劇中の若い有望な政治家が行った、
『安易な楽観的憶測は禁物』
という言葉が、
ずしりと私の胸に残りました。
というのも、
少し話が変わるのですが、
先月から受講している「ドラッカー塾」にて、
こんなお話を聞いたからなのです。
ドラッカーに精通されている、
国永氏は、ドラッカー塾にて、
”ダメなリーダーのやりがちなこと”
として、こんなことを紹介されました。
それは、
”成果の出ない人”は、
「タイムマネジメントが下手」であり、
『仕事にかかる時間を、
安易に、楽観的に短く見積もってしまう』
傾向がある、と言うのです。
■この話を聞いた時、
ぎくり、という気持ちとともに、
はたと思ったのです。
ダメなリーダー。
ダメな政治家。
成果を挙げないビジネスパーソン。
それぞれの特徴とは
もしかすると
『現状を”楽観的”に見積もる傾向がある』
ということではないだろうか、
そのように思ったのです。
■「多分、ゴジラは上陸しないだろう。
体重重いし、専門家もそう言っているし。」
という政治家。
「大丈夫、大丈夫。
この企画書は30分もあれば出来るから」
と安請け合いをする営業企画。
「これくらい10分くらいで、
チャチャッってできるっしょ。
頼んだよ、◯◯君。」
と、突然、重要かどうかもわからない仕事を、
無茶振りをする上司。
いずれも、楽観的・希望的憶測で考え、
それ以外のリスクを考えようとしない、
そして結果的に、
何か突然のタスクの発生や
”想定外”のことが合った時に、
対応が出来なくなってしまう、
そういう意味では、
きっと同じなのではなのかもしれません。
■どんなことであれ、
もしそれが災害でなく、
ビジネスの話だとしても、
「想定外」ということはすべからく起こるもの。
とすると、
先述したシン・ゴジラのお話、
そしてドラッカーお話からも、
【『安易な楽観的憶測』をしない】
と自分に言い聞かせることは、
失敗を回避し、成果を上げ続けるために、
非常に重要なことではないかと思います。
人生には色々な可能性があり、
何が起こるにせよ、最終的に
その結末の責任をとるのは、自分です。
そういう意味では、
”楽観的観測”をしたいときでも、
グッとこらえて、
・”通常シナリオ”ではどんなことが考えられるか?
・”悲観シナリオ”ではどんなことが考えられるか?
・その他、考えられるリスクやチャンスは何か?
というように、
できるだけ多くのパターンで
幾通りものパターンを考え、
思考する癖をつけること。
このことが、
安定的した長期・継続的な成果を出すために
大切なことではないだろうか、
そのように思ったのです。
私自身、
つい楽観的に行き過ぎる傾向があるため、
強い自戒も込めて、そう聞かせようと思った、
「シン・ゴジラ」視聴の夜でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。