リーダーの「窓と鏡」
(今日のお話 2058字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
生産性向上についてのディスカッション、
ならびに「7つの習慣 社内ファシリテーター制度」
にご興味をお持ちいただいたお客様へ、
サービスのご案内などでした。
*
さて、本日のお話です。
先日、受講いたしました、
「ドラッカー塾(第二回目)」にて、
色々と勉強をしてまいりました。
さすが、マネジメントの父と称されるドラッカー氏。
素晴らしく腹落ち感のあるお話を、
次から次へと聞かせて頂き、
納得、頷きの連続でした。
(国永先生、ありがとうございました!)
今日は、そんなドラッカー塾より
「リーダーの窓と鏡」
という例え話を通じて、
”良いリーダー(成果を上げるリーダー)と
悪いリーダーの(成果を上げられないリーダー)の違い”
について、学んだことを
皆様にご共有させて頂ければと思います。
それでは、どうぞ。
■ あらゆる組織、チームには、
実に様々なリーダーがいます。
尊敬され、メンバーを励まし、
結果を出し続けるリーダーもいれば、
逆に、自己中心的で、
メンバーのやる気を削ぐようなリーダーもいます。
同じ”リーダー”とか、
”マネージャー”といっても、
そのレベルは本当に幅が広いもの。
では、一般的に言う、
”「良いリーダー」と「悪いリーダー」の違い”
とは、どんな部分にあるのでしょうか。
このことについて、
先日、ドラッカー塾にて
ドラッカー氏に直接師事された国永氏は、
こんな例え話をされていました。
「良いリーダーと、悪いリーダーの違い。
これを見極めるために、
”リーダーの『窓と鏡』”
という興味深いお話があります。
*
まず、悪いリーダーは、
”上手く行かなかった時に「窓」を見る”
のです。
ビルから、窓を見下ろし、
働いている社員のことを見て、こうつぶやきます。
「部下がもうちょっと能力が高かったら」
「もっとメンバーに恵まれていたら」
と。
そして、逆に、
”上手く行った時に「鏡」を見る”
わけです。
鏡を見て、こうつぶやきます。
「やっぱり、俺は実力がある」
「俺がやったから、この仕事は上手くいったのだ」
と。
つまり、
『いいことは自分の力、
悪いことは誰かのせい』
というスタンスなのです。」
■ 確かに、こんなリーダーや
マネージャーの下にいたとしたら。
いくら本人が
上手く隠そうとしても、
その本質的な未成熟な人格や意図は、
その背中からメンバーに伝わり、
リーダー、あるいはマネージャーは、
知らぬ間に信頼を失い、
そしてチームとしても
士気が下がっていくことが
容易に想像できます。
当然、成果が上がるはずもなく、
坂道を転がり落ちるごとく、
負のスパイラルに巻き込まれ、
下向きの螺旋階段を降り続けることになる、
そして、リーダー本人は、
「窓」を見て、こうつぶやくのでしょう。
「もっとメンバーが
主体的だったら、成果があがるのに、」
と。
■では、こんな
”悪いリーダー”(とあえて言いますが)
に対して、
”良いリーダー”とは、
どんな特徴があるのか。
一体、何が違うのでしょうか。
国永氏は、このように続けました。
「”悪いリーダー”と比べ、
”良いリーダー”は真逆のことをします
良いリーダーは、
”上手く行かなかった時に「鏡」を見る”
のです。
自分の顔を見て、
「まだまだ私の力不足だった」
「上手く行かなかったのは、私の責任だ」
と、上手く行かなかった原因は、
”自分”にある、と考えます。
そして、
”上手く行った時には「窓」を見る”
のです。
ビルから、窓を見て、
働いているメンバーのことを想い、
こう言います。
「成果が上がったのは、皆が頑張ったから」
「自分ではなく、皆のおかげで上手く行ったのだ」
と。
そして、メンバーに花を持たせ、称え、褒め、
彼らの可能性と力を、
ますます引き出していくのです。」
■ いかがでしょうか。
私はこの話を聞いて、
「なるほどなあ」と思わず
唸ってしまいました。
古今東西、
いつの時代も言われる原則として、
「謙虚さ」
「誠実さ」
などが挙げられますが、
やはり、それらのことは「本質」であり、
リーダーシップの抗えない「ルール」なのだろう、
そのように感じてしまいました。
■ 誰もが、自尊心を感じたいし、
だから、”自分の価値”を、
時には声高に証明したくなることもあると思います。
でも、そういった
「小さな虚栄心」も、
はたから見てみるとすぐわかるもの。
そして同様に、
「人のせいにする姿勢」も、
はたから見ると、すぐ見抜かれてしまうもの。
だからこそ、
”上手く行って調子に乗りそうな時” こそ、
そして、
”上手く行かず、人のせいにしたくなる時”こそ、
一歩立ち止まり、自らを戒める。
そして、自らに、こう問いかけるのです。
【自分は、今、『窓と鏡』、どちらを見ているだろうか?】
と。
何か感情が揺さぶられた時こそ、
その人の本質が出ます。
だからこそ、自らを見つめ、
・人のせいにせず、他者を立てているか?
・人に原因を求めず、自分に原因を求めているか?
そんな「原則」に、
立ち戻る必要があるのだろう、
そのように思います。
■「7つの習慣」でも、
”インサイド・アウト” と言い、
「まず自分が変わること」こそが、
リーダーシップの本質である、
と言います。
肩書がリーダー、
マネージャーじゃなくとも、
同じように、全ての人にとって大切な、
”リーダーの『窓と鏡』”
ぜひ、自らの心に刻んでおきたい、
自戒の念と共に、
そのように思う次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本日も皆様にとって素晴らしい一日となりますように。