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910号 2016年8月11日

WHYから始めよう

(今日のお話 3070文字/読了時間3分半)
■こんにちは。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。

ならびに夕方は目黒雅叙園へ。

新プログラムの、

【4DXゴールアライメント】
~個人の目標達成プログラム~

が開催されていたため、
来られたお客様へのフォローアップに
会場へ訪問いたしました。

(※ちなみに、このプログラムについては、
 文末にて詳細をお伝えしております。
 「目標達成」という言葉に興味がおありの方には、
 とてもオススメのコンテンツです。)

今日から、多くの方は夏休みでしょうか。

私は暦通り絶賛稼働中ですので、
12日、午前中にお時間がある人事の皆様は、
ぜひ情報交換でもいたしましょう。



さて、本日のお話です。

昨日、

『WHYから始めよ!』(著:サイモン・シネック)

という本を読んでおりました。

読み進めながら、

”「なぜ?」こそが重要である”

というよく言われることだけれども、
見落としがちな真理について、
その大切さに想いを馳せておりました。

ということで、
今日は、そのタイトルの通り、

「WHY?こそが重要」

というテーマで、
著書を引用しながら、
学んだことをご共有させていただきたいと思います。

それでは、どうぞ。

■ 「なぜ?」という質問。

この質問は、人を動かす、
非常にパワフルな力を持つようです。

逆に、この「なぜ?」が抑えられていないと、
ビジネスにおいても、はたまた人間関係においても、
真に人を動かすことはできない、

『WHYから始めよ!』の著者、
サイモン・シネック氏は、
そのように語っています。

このお話を示した、
面白い事例が、著書にて紹介されていました。

それは、こんなお話でした。


(以下、引用)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ここに、ブラッドという青年がいるとしよう。

ブラッドは、今夜、デートにでかける。
デートなので、胸を高鳴らせている。

ブラッドは、これから会う女性のことを
美しいと思っているし、どうやら脈がありそうだと踏んでいる。

ブラッドは夕食の席に座り、話し始める。

--------------------------------------

「ぼく、じつは大金持ちでね」

「大きな一軒家をもってるし、高級車もあるんだ」

「有名人の知り合いも大勢いるよ」

「しょっちゅうテレビ出演の依頼が来る。
 なにせ、イケメンだからね」

「自分ひとりの力で、なんでもこなしてきた」

--------------------------------------

さて、質問。

果たしてブラッドは、
二度目のデートの約束をとりつけられるだろうか?

(中略)

ブラッドの場合、デートがうまくいかないのは一目瞭然だ。

二度目のデートにこぎつける確率は低いし、
彼は間違いなく、ふだんから人間関係を築くのが不得手だろう。

ハンサムで、高給取りで、
有名人をたくさん知っていることが事実だったとしても、

”WHAT”だけでは、
人に決断を迫ることはできないのだ。


(後半に続く)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


■いかがでしょうか。

私は、デートのテクニックについて、
詳しくはありませんが、

「流石にブラッドのやり方はマズイだろうな」

ということはなんとなく感じます。

とはいえ、
しかしながら、です。

例えば営業シーンやプレゼンなどで、
同じようなことをやってしまうことはないだろうか、

このようにふと思ったのです。

兎にも角にも、

「我が社は上場しています」
「我が社はこんな取引先があります」
「我が社はこんな商品を扱っています」

みたいなことを、
最初から最後まで連発するだけして、おしまい、

というようなこと。

しかし、ブラッドの例ではありませんが、

”WHAT”にだけフォーカスをしても、
それのみで人を動かすことは、
やはり難しいのだろう、

そのようなことを思ったのです。


■ では、どうすればよいのでしょうか。

どうすれば、ブラッドは、
デートにこぎつけられる可能性が高まるのでしょうか?

また、ブラッド的なセールストークでない、
魅力的な話をビジネスにおいてするためには、
どうすればよいのでしょうか?

そのキーワードこそ、
今回のテーマでもある、


【WHY?から始めること】


である、そのように
先述のサイモン氏は語るのです。



では、ブラッドが、
もしWHYから始めたら、どうなるのか。

後半を見てみましょう。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(前半の続き)

ブラッドに出直してもらおう。

今度はデートをWHYから始めるのだ。

今度は

「ぼくが人生のどんなところを愛しているか、わかる?」

という質問から始めよう。

--------------------------------------

「毎日、好きなことをするために起きる。

 そして人々の気持ちを揺さぶり、
 彼らが感動するようなことをしてもらう。

 それが世界で一番素晴らしいことだ。

 だから、その方法をあれこれ考えているときが、一番楽しい。
 本当に面白いんだ。

 それに、信じられない話だけど、そこから大金を稼げる。
 大きな一軒家も買ったし、高級車も買った。
 有名人にもたくさん合ったし、テレビにも出演している。

 好きなことができるのは、すごく幸運なことだと思う。

 だからこそ、これまでずっと上手くやってこられたんだ。」

--------------------------------------

先ほどのデートでも、
同じ内容のことを話していた。

唯一の違いは、こんどは彼が、
「WHY」から始めたことだった。

そして、具体的な内容は「WHY」の立証として機能したのである。


『WHYから始めよ!』(著:サイモン・シネック)より引用
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


■ 海外版なので、
デートの誘い方がかなり自信満々ですね。

この文化の違いは置いておくとして、
読んでみて思うのが、

「オレは車を持っている」
「オレは有名人の知り合いがいる」
「オレは顔がいい」

とただただ”WHAT”を列挙するよりも、
後半のように、

「なぜ自分は存在しているのか?」
「なぜ自分は自分の人生を楽しんでいられるのか?」

と、

”WHYで始まる深い問い”

について語るほうが、
なんとなく、その人となりが見えて、
好感が持てるのではないか、

そのように感じます。


■ これに関連する、
脳科学的な話で、興味深い調査があります。

「WHAT(何を?)」や
「HOW(どうやって?)」という質問は、

理性的な脳の部分である、
「新皮質」という部分に訴えかけるそうです。

ここはロジカルな思考をする分野で、
合理性や分析には優れている。

しかし、ここだけでは、
人の「感情」を動かし、
行動を促すことはできないとのこと。


逆に、

「WHY(なぜ?)」という質問は、

本能的な脳の部分であり、
脳の深い深い部分である、
「大脳辺縁系」なる場所に訴えかけるそう。

ここは、感覚・感性に訴えかける分野。

「何だかわかんないけど、心に響いた」
「説明ができないんだけど、良いと思った」

というように、感覚を揺さぶり、
本能的に人を突き動かし、
行動を促す力を持つそうです。


結局、人は、

”理性”でなく”感性”で動く、

ということ。


だから、

「感動(感じて動く)」という言葉はあっても、
「理動(理解して動く)」という言葉はない、

などと言われるのでしょう。


■ と、長々と語ってしまいましたが、

「なぜ?」という質問は、
とても大事です。

それは、

人を動かし、そして
迷いを消してくれるからです。


仕事をする上で、また何かを決める上で、
道を見失ったり、方向性がブレたときに、

「なぜ?」

という問いに立ち戻れば、
見通しのよい開けた道に、
私達を引き戻してくれます。

同様に、何かを人に伝えるときにも、

「なぜ、この提案が必要なのか?」
「なぜ、この商品があなたにとってよいのか?」

を、わかりやすく伝えることが、
相手を動かすことになるし、

また、自分自身に対しても、

「なぜ、自分はこの会社で働くのか?」
「なぜ、このプロジェクトに心血を注いでいるのか?」
「なぜ、この勉強をしているのだろうか?」

という問いを深く掘り下げることで、
”感情”に関わる大切な答えが、見えてくるはず。

「なぜ?」
「なぜ?」
「なぜ?」

本質を見失わず、
軸をブラさないために、
そして誰かを巻き込むために。

この問いを、常々、
頭の片隅に置いておきたいものですね。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日も皆様にとって素晴らしい1日になりますように。

【本日の名言】 発見の旅とは、
新しい景色を探すことではない。
新しい目で見ることなのだ。

マルセル・プルースト

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