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886号 2016年7月19日

「計画」と「実行」を分離させてはならない

(今日のお話 1785字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。

昨日は、妻とともに、
入間のアウトレットパークへ。
その後、そのまま夕方からはテニス。

また『サウンド・オブ・ミュージック』という1960年代の、
名作映画を見たのですが、
とんでもなく面白いですね。

オススメされて見てみたのですが、
50年前の映画にも関わらず、
今の時代でも全く色褪せることない作品でした。

まだ見られていない方は、ぜひ。



さて、本日のお話です。

先週参加した「ドラッカー塾」。

本日はそのドラッカーの学びから、
”モチベーション”にまつわるヒントについて、
学んだことをご共有させていただきます。

テーマは、

”「計画」と「実行」を分離させてはならない”

それでは、どうぞ。

■ しばしば組織で見かける光景。


(上司が部下に対して)

「経営会議で、今期から戦略が変わりました。
 というわけで、明日からはAシリーズを売ることになったので、
 皆さん、よろしくお願いいたしますね。」

はたまた、

「週末に色々考えて、
 来週から、新しい営業計画を考えたんだ。
 ぜひ皆も、この計画に沿って、頑張って力を尽くしてほしい。」

みたいなシーン。

そして、それを聞いたメンバーは
口に出さずとも、心の中で、こう思ったりします。


「また言っていることが変わったよ。
 少し前もそうだった。

 ああ、またこうやって来月も
 ”計画”が変わるんだろうな。」

そして、図らずも、
モチベーションが下がってしまう、

みたいな場面です。


■ 多くの組織において、どうやらかくの如き状況は、
たくさん起こっているようです。

では、何が問題なのでしょうか?

「計画や戦略」が、変わるからでしょうか?

もちろん、それもあると思いますが、
一方、ビジネス環境は大変なスピードで変化をしている。

だからこそ、それに合わせて、
「計画や戦略」がすぐ変わることも致し方ない、
むしろそうしてこそ結果が出るものだ、

という経営者もいます。

加えて、戦略を決めるべく立場の人も、
然るべくしてそのポジションになられたわけですから、

だから現場で「上はわかってない!」と
言われるほど、「本当にわかっていない」かというと、
実はそこまででもないのではないか、

とも思うわけです。
(実際のところは、その会社、その人次第だと思いますが)


■ ここで、この問題、すなわち
「上司が部下に、上で決めたことを投げる」ことの問題点について、

ドラッカーは、とある”マネジメントの原則”を示しています。

上司が、部下をマネジメントする上で、
欠かせない、鉄則のような方程式です。

それが、


『「計画」と「実行」を分離させてはならない』


というもの。

さて、これは、どういうことでしょうか。

この言葉通り、

”「計画」をした人が、「実行」をすること。”

これが、マネジメントをする上で、

”個人が仕事に主体的に取り組み、
高いモチ―ベションを維持する上で
欠かせないことである”

とドラッカーはいうのです。


■ 先ほど前述した例でも、

「経営会議で、今期から戦略が変わりました。
 明日からはAシリーズを売ることになったので、よろしく」

と、上が会議室で色々と”計画”をして、

「販売計画は、私達が決めたから。
 キミはやってくれればいいから」

と”実行”だけしてくれ、
とぶん投げたとしたら。

能力のある先輩が、
まだ未熟なメンバーに

「売れたいなら、オレのいうことを聞いてればいいんだ。
 お前は黙ってやればいい。」

と、”計画”は先輩がして、
後は操り人形のごとく、その通りやれと
”実行”だけ、促したとしたら。

どちらの場合も、


「よっしゃー、やるぞ!」


とは、恐らくならないはず。


■ 人は、感情の生き物です。

給料をもらっているからやれ、
上司の命令だからやれ、

と言われても、なかなか
心がついていかないもの。

大人でも、子供でも、

「自分が決めたこと」
「自分がいいと思ったこと」

だからこそ、
その仕事なり行動を
自分なりに工夫したりできるし、

「自分でやろう」
「やり遂げよう」

と、心の底から、
コミットできるようになるはず。


■ 逆を言えば、仕事を渡す上司だけでなく、
「仕事を受け取る部下・メンバー」の場合も同じ。

決められた指示の中で動く必要がある状況において
上からの指示を、ただ待たない。

計画が決まっているからと、
思考を停止するのではなく、


「自分で何か工夫できることはないだろうか」
「どうしたらより質が高い結果を生み出せるだろうか」


と上からの指示、計画の中で、
”マニュアルの行間を埋める”ごとく、小さな工夫をすること。

それが、自分自身のやりがいを
高めることになるのでしょう。

と、いうわけで、
ドラッカーの言うように、
仕事を渡す側(上司)も、そして受け取る側(部下)も、


【「計画」と「実行」は分離していないか】


と常に考えること、そして、


【自分自身が「計画」し「実行」している感覚を持てるよう、
 どういった工夫ができるのか】


を考え続けることが、
日々をモチベーション高く、
楽しく仕事をする上で、大事なことなのだと、

改めて思った次第です。

自ら「計画」し、「実行」してまいりましょう。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日も皆様にとって、素晴らしい1日となりますように。

【本日の名言】 責任を持って行動することほど、
判断力と意識を鋭くするものはない。

エリザベス・キャディ・スタントン

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