身に病ありしといえど、心まで病ますまい
(今日のお話 2605字/読了時間3分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は、3年前から
研修のご導入をいただいている保険業界の企業様にて、
女性の中堅社員の方々を対象とした、
「ビジョナリー・ウーマン」の実施でした。
また、その後は、
再来週に実施予定の営業研修
「ヘルピング・クライアンツ・サクシード」の
講師を含めた事前打ち合わせ。
午後からは、社内ファシリテーターの方の
ファシリテートスキルを上げる「リフレッシュコース」、
そして懇親会と、目まぐるしい1日でございました。
*
”忙しい”とは
「心を亡くす」と書きますが、
こういう時だからこそ、”気持ちのコントロール”が重要だと感じます。
今日は、私の尊敬する日本の哲人、
”中村天風氏”の講話を引用させていただき、
「心を前向きに保つ方法」
をテーマに、思うところを
皆様にお伝えさせていただきたいと思います。
それでは、どうぞ。
■私事ですが、しばしば、
日々の活動をメルマガでお送りしていると、
「毎日忙しそうですね。疲れませんか?」
とご意見を頂くことがあります。
実際のところ、時に疲れます。
人ですから、当然です(汗)
そして実際、昨日から風邪を引いて、
喉を痛めてしまいました。
(とほほ)
とはいうものの、
「風邪ひいた。」とか
「疲れた。」と
ネガティブな事実に気持ちを集中過ぎると、
ますます辛い気がするのです。
だから、
”気持ちだけでも前向きにいよう”
と心がけるようにしております。
■ちなみに、
”気持ちだけでも前向きに”
とある時から、思い至ったのには、
実は理由があります。
それが、先述いたしました、
「中村天風氏」が語った、
とあるお話を読んだことでした。
中村天風氏は、
1910年頃、医学もまだまだ発達をしていない時代の
第一次世界大戦前に、
死病といわれる結核を患いました。
そして、海外へ密航をし、
アメリカ、ヨーロッパ、インド、
世界中の偉い医師、学者を訪ね、
「どうしたら、自分の病は治るのか?」
と藁をも掴む思いで、訪ね歩きました。
しかし、誰もその答えを出せる人はいない。
どんなに偉い医者も、
病を治す、明確な答えは持っていなかった。
落胆し、死を覚悟した天風氏。
「せめて死ぬなら母国の地に死のう」
そう思い、ヨーロッパから日本への帰路につきます。
その途中で、偶然、
インドにて、後に天風氏の人生を変える、
ヨガの哲人「カリアッパ師」なる人物に出会います。
そして彼はそこで悟るべく(病を治すべく)、
山奥で修行をするのですが、
その時の「カリアッパ氏」と「天風氏」の
『言葉の扱い方』に対するやりとりが、興味深いのです。
それは、こんなお話でした。
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カリアッパ導師(以下「カ」)
「毎朝、朝の挨拶のあと、
俺はお前に、”きょうはどうだい(How do you do?)”と聞くと、
必ずお前は、”I'm not quite well.(あまり良くありません)”というな。
それを言うとき、楽しいかい?」
天風氏(30歳位時/以下「天」)
「いや、楽しくはありませんけども、
真実こういう病をもっていますから、
朝目が覚めましても快い気持ちでは目がさめません。
やっぱりなんとなく、こう、熱があるように、
体の全体が何となくけだるくて、頭は思いし、
つまり快適な気分を感じません」
カ「そういうことを言って気持ちいいかい?」
天「気持ちよくありませんけども、真実そうでありますから」
カ「そうかね。お前はアメリカやヨーロッパで学問してきた人間だと聞いていたが、
そういう方面に対する知識は全然ゼロだな」
天「という意味は、どういう意味ですか?」
カ「お前は自分のつかっている言葉に、
自分の気持ちが損なわれたり、あるいは非常に鼓舞奨励されたりするという
直接的な事実を少しも考えていないな。
我々は、造物主によって便利な言葉というものを
人間だけに与えられているが、その言葉が、
積極的に表現された時と、消極的に表現された時には、
直接に実在意識の受ける影響というのは非常に大きいのだ。
今も私がお前に言ったとおり、今日は不愉快ですとか、
頭が痛いとか、熱がありますとか、
どうも気持ちがよくありませんかいう
言葉口から出している時に、非常な愉快を感じないだろう。
今日も嬉しいです、楽しいです、ありがたいですという言葉を言った時は、
非常ななんとも言えない快さを感じるだろう。
(中略)
痛いときに痛いというのが悪いんじゃないんだ。
それから後に、痛いとかかゆいとかいいながら、
これがもとで死にゃしないとか、もっと悪くなるんじゃないかしらんというふうに、
現実よりもさらに上を越した神経を使いやしないか。
それがいけないんだ。」
『成功の実現』(中村天風 述)より引用
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■言葉にはエネルギーがある、と言われます。
確かに、病だと体はしんどい。
でも、
「ああ、キツい」
「もう死にそう」
「誰か、助けて」
なんて言っていると、
ますます気持ちが沈んで行く気がします。
だったら、
風邪である事実は事実、
そうだとしても、
カリアッパ導師がいうように、
「その後に余計なネガティブな言葉を付け足さない」
「言葉だけでも前向きにする」
という姿勢を保つほうが、
無闇に負の感情に引っ張られることなく、
心も体も健全に、強く、
幸せにいられるのではないか、
そのように思います。
■かの有名なアントニオ猪木氏は、
友人が病気で手術をして塞ぎこんでいる時に、
病室にて、こういったそうです。
「元気ですかーーーー!!!!?」
もちろん、手術をして、
虫の息の友人が
元気なはずは、ない。
それでも「元気出せよ!」
と気合充分に言われると、
その”言葉の力”に影響を受け、
鼓舞症例されるのではないか。
このエピソードでは、猪木氏は、
そのように元気づける意味を込めて、
「元気ですかーー!」を叫んだそうです。
■言葉は大切です。
よく言われるように、
全ては心の持ちよう、気の持ちよう。
そしてそこには、カリアッパ導師が言うように、
「言葉」が大きく影響を与えています。
そして、西洋で書かれた
「7つの習慣」でも”第1の習慣 主体的である”においても、
『主体的な言葉を使う』
(=いかなる場合においても、プラスの表現をする)
ということが、
自分自身の人生をコントロールする上で、
不可欠なことである、といっています。
というわけで、
「心」や「気持ち」を、
常に前向きに、元気でいられるよう、
使う言葉を大切にしつつ
自分自身の心の筋トレをしていきたいものですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本日も皆様にとって素晴らしい一日となりますように。