「速読」を始めるに当たっての、欠かせない儀式
(今日のお話 2300字/読了時間3分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日土曜日はとある「速読教室」
なるものに参加してまいりました。
日々、増え続ける私の机の「積読本」。
本棚を増やしたのにも関わらず、
どんどん増えていき、しかも読めていない。
この状況を打破すべく、
友人が「すごいよかった!」と勧めてくれた
速読教室に目をつけたのがきっかけでした。
(結構な金額でびびりましたが)
そして、昨日
1日目を参加し終えてわかったことは、
「体育会系の速読教室だった」
という事実。
朝9:30~19:00まで、
お昼休みを除いて、全くの休憩ゼロ(汗)
それに加えて宿題として、
”速読に大事な記憶術として単語100個を、
順番も、間違えることなく完璧に覚える”
”1冊本を読み、1分で要約してくる”
というお土産までもらいました。
(ひえー)
今までの600人の参加者で、
失敗した人は誰もいないそうですが、
果たして出来るのでしょうか。
とにかく、本日は2日目。
それを証明すべく、行ってまいります。
*
さて、本日のお話です。
昨日の「速読教室」で、
講師の方が話をしていた、
とあるお話が印象的でした。
それは、
「速読を始めるに当たって、やるべき儀式」
という話。
本日は、この話の理由、
またそこから感じたことを、
皆様にご共有させていただきたいと思います。
それでは、どうぞ。
■さて、私が参加した速読教室の講師のお話。
彼は、齢40半ばくらいでしょうか。
古今東西あらゆる”速読術”を試し、
実際に自分の中で体系化をして、
そして、それを伝えることを、
生業の一つとしているそうです。
家には5000冊くらいの書庫。
ビジネス書であれば、30分で5冊は読める。
本屋に行った時の、平均購入金額は約2万円。
本についてのレビューをアマゾンに書きまくり、
「影響力のあるレビュアー」として、
無料で色々な商品も貰っていた。
などなど、経歴からも、
だいぶ、本好きであることが、
ビリビリと伝わって来ます。
■そんな彼が、午前中2時間以上かけて、
暴走機関車のように、熱っぽく、こんこんと
説き続けた「速読の心構え」が印象的でした。
それは、速読の技術に何ら関係ないこと。
しかし、絶対的にやっておく必要があること、
彼はその述べました。
それは、何か。
その行動とは、
『大型書店(ジュンク堂・三省堂書店・丸善など)へ行き、
1日かけて、全ての書棚のタイトルを見て回ること』
という一見、意味不明な行為。
それが、速読を始める上で、
”ものすごく大切である”
と彼は、いうわけです。
■ちなみに、行かれたことがある方は、
おわかりかと思いますが、
ジュンク堂や三省堂、丸善という書店は、
世界に誇るごとく、メガ書店。
1階から8階くらいまであり、
古今東西、ありとあらゆる書籍が並んでいます。
その蔵書数200万冊とも言われます。
そして、速読を始めるに当たっての儀式は、
”200万冊のタイトルを、
欠かすことなく見て回る”
ということなのです。
これ、結構恐ろしいことです。
例えば、本のタイトルが、平均15文字だったします。
200万冊×タイトル15文字 = 3000万文字
合計、タイトルの総文字数、3000万文字。
日本人成人の平均識字率は
1分あたり600文字くらい。
だから、かかる時間を計算すると、
3000万文字 ÷ 600文字/分 = 5万分
5万分(!)です。
よくわかりませんが、
時間換算をすると833時間。
すなわち、真面目に見たら、
タイトルを読むだけでも、
『1ヶ月かかる(!)』ことになります
■これらの途方も無い儀式がなぜ必要なのか、
この解説を、速読講師はこのように語りました。
「メガ書店にある書籍たちは、
これまで人類が築き上げてきた”知の体系”です。
そして、私達が知っていること、
専門としていることは、本当に、少ない。
営業人は、営業の本に詳しいかもしれない。
経営学に詳しい人もいるでしょう。
また化学の研究の人は、その分野に於いては負けないでしょう。
しかし、です。
世界は広い。
知らないことは山のようにあります。
そして、これからは”知”の時代です。
”知”が力をますます持つようになる。
そして教養も問われるようになる。
そして、速読をする
意欲を掻き立てるためには、
『”知の体系”にはこれほどの幅があるのだ』
ということを、
身体知として経験しておく必要がある、
そう思っています」
と。
■『”知の体系”にはこれほどの幅がある』、と知ること。
それが重要なのだ。
確かに、この話を聞いた時に、
なんとなく納得するものがありました。
大型書店に行き、見渡してみると、
「竹とんぼ職人のこだわり」
とか
「雑草大全」
とか、
「ナノテクノロジーの未来」
とか、
想像もしていない世界の本が
ゴマンと存在していることに気付かされます。
それらは、自分には関係ないもの。
でも、確かにそれを生業にしていたり、
研究をして一生を捧げる人がいるのです。
でも、それらを何気なく見渡してみると、
実は全然関係ない分野で、
「おやっ?」と思える、
何か気になる本に出会ったりする。
そこに、”発見”があり、
”世界の広がり”が生まれたりする。
そのように感じます。
■速読をするためには、
「自分は、本当に一部しか知らないのだ」
「もっと知りたい、知る必要がある」
という思いを醸成することが、
一番大切かつ、一番難しいそうです。
だからこそ、
”大きな大きな”知の体系”に触れて、
自分の小ささとともに「学びの意欲」を刺激すること”
これが実は、とても重要なことである、
それが講師の言いたいことであり、
私自身、大変共感することだったわけです。
■「7つの習慣」のコヴィー博士の言葉で、
こんな言葉があります。
”私達は世界をあるがままに見ているのではない。
私達のあるがままに、世界を見ているのだ。”
(スティーブン・R・コヴィー)
私達の知る世界は、狭いです。
あるがまま、広く、真実を見るために、
もっともっと多くのことを学び、知ることの大切さを、
ひしと感じた土曜日でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本日も皆様にとって素晴らしい一日となりますように。