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848号 2016年6月10日

「知らないことを、知らない」という有名な話を、今一度

(今日のお話 2233字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。

昨日は、日経BP主催の
「ヒューマンキャピタル」という人事イベントに行き、
朝から夕方まで、合計4つの講演をハシゴしつつ、
同時に内容をまとめてレポートを作っておりました。

世の中はどんどん変わり、
また先進的な取り組みも増えています。

そんな情報収集の大切さも、
非常に重要だな、と思う今日この頃。

ちなみに、

・女性活躍推進
・社内コミュニケーションの活性化
・働きがいのある組織作り
・ダイバーシティ推進

などについて、大学教授の話、
企業事例を中心に情報を仕入れてまいりました。

私、6月17日(金)が
終日空いてしまいましたので、

「このような情報にご興味がある」
「そして時間がたまたま空いている」

という稀有な方がいらっしゃれば、
よろしければ情報交換いたしましょう!

あくまで、
もしよろしければ、ということで。


さて、本日のお話です。

今日は、
「定期的な情報収集の必要性」について、
思うところをお伝えしたいと思います。

テーマは、

「知らないことを、知らない」。

それでは、どうぞ。

■かの有名な古代ギリシャの哲学者、ソクラテス。

彼が語ったとされる、

『無知の知』。

この話はとても有名ですが、
意外と詳細のエピソードは知られていません。

この話が生まれた背景は、
こんなエピソードであったといわれます。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ソクラテスの狂信的な弟子が、
デルフォイ(アポロン神殿の場所)へ行き、
このように聞きました。

「ソクラテスより知恵のあるものはいるのか?」
(いや、ソクラテス先生より知恵のある人はいないだろう)

するとこの質問に対して、
神託、すなわち”神から託された言葉”として、
このように答えられました。

「ソクラテスより、知恵のあるものはいない」

すなわち、
「ソクラテスが、一番知恵がある」と
神様のお墨付きが得られた。



しかし、ソクラテスは賢いです。

この”神からのメッセージ”を受け取り、

「本当にそうなのだろうか?
 本当に自分が一番知恵ある者なのか?」

と疑問に思うのです。

そうして、ソクラテスは
「自分よりもっと知恵のある人」を探し出し、
これの誤りを指摘しようと決心しました。

そして、まず政治家、
次に詩人、それから職人のところへ行き、
会い、話を聞きました。

しかし、結果はいつも同じでした。

「彼らは何も知らないかソクラテスよりも知らないか」であり、
なにかしら優れた点がある場合でも、
それは知識があるという自惚れで帳消しになっていました。

ソクラテスは、何も知らないが、
「何も知らないこと」を知っています。

一方、彼らはほとんど知らないか
または何も知らないのに、
すべてを知っていると思い込んでいる。

じゃあ、自分は何も知らないけれど、

『自分は無知であることを知っている』

この点で、「自分は最も賢い者であるのだ」、と
この神託(神様からのメッセージ)を理解しました。

参考:「無知の知」(一部、解釈をいれております)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


■昔から、教訓として、
色々と聞くシーンが多い言葉ですね。

きっと馴染みがある方も多いかと思います。

私自身、この言葉を一つの教訓のように感じています。

「知らないことはたくさんある」と思うがゆえに、
常に勉強し、新しい情報に触れることができます。

だから、「無知の知」なる概念は、
知っておいて損はない、
そんな言葉である、そのように思います。


■しかし、先日
ヒューマンキャピタルのイベントに参加して、
改めて思いました。

やっぱり、

「知らないことは、たくさんある」ということ。

そして、


『知らないことは、聞くまでその存在すら気付かない』


ということを。

自分も人並みに勉強をしてきたつもり。

だから、なんだかんだで「人材育成」については、
ある程度知っているだろう、という気がしている。

でも、まだまだ知らないことが山のようにある。

そして、それは
その話を聞くまで、その存在にすら気付かない、
否、気付けないのです。


■私は、ここ5年で、
信じられない人にたくさん出会いました。

・マラソンを1日200キロ走れる人
・300ページの本を、本当に5分で読める人
 (しかも覚えている)
・ほぼ個人事業主で2億稼ぎ、
 利益率95%のビジネスをする人
 (つまり年収1億9000万円、、、)

これらのことは、
昔私が飲食店で働いていて、

同じ通勤ルートで、
同じメンバーとランチを食べ、
同じテリトリーで行動し、
同じテレビを見て、同じような映画を見ていたとしたら。

間違いなく、”その存在”すら、
気付くことができなかった。

この日本に、

200キロ走る人、
2億稼ぐ人、
5分で本を読了する人、

が実際に存在するということも
「その存在も知らなかった」、

そのように思います。


■”学びは事後的”にやってきます。

「この勉強会にいったら、
 目からウロコの情報を、たくさん得ることができた」

「勧められた、試しに読んでみたら、最高に良かった」

「このセミナー、騙されたと参加したら、
 人生を変えるものになった」

これらは、全部、
『学びの事後的にわかったこと』
なのです。

参加する前には、わからない。

やってみるまで、外に出るまで、
わからないのです。

だからこそ、
改めて自らを前に進めようと願うのであれば、
大切なスタンスとして、

【自分は「知らないことを、知らない」】

と常に認識し、
その知らないことを知り続けるために、


【外の世界、知らない世界に、”意識的に”飛び込む習慣】


を持つことが大切なのだろう、

(「意識的に」というところがポイントです。
 だって、その世界があることすら知らないのですから)

そのように思った次第です。

凄く当たり前のことですが、改めて。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本日も皆様にとって素晴らしい一日となりますように。

【本日の名言】 生きていることは素晴らしい。
この世界は面白いことでいっぱいだ。

アレクサンダー・グラハム・ベル

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