情報が考え方を変える ~「燃えよ剣」より~
(今日のお話 1465字/読了時間1分半)
■こんにちは。紀藤です。
今日は朝からテニス。
の予定でしたが、
あまりの強風のため、中止。
そのため、
『13階段』(著:高野和明)
『燃えよ剣 上』(著:司馬遼太郎)
などを黙々と読書。
面白かったです。
(気が付けばこんな時間になっていました汗)
*
今日は、『燃えよ剣』より、
印象深く感じたことを、
感想までに、共有させて頂きたいと思います。
それでは、どうぞ。
■『燃えよ剣』は、
幕末新撰組の副長である土方歳三の、
剣に生き、剣に死んでいった頑なな男の、
生涯を描いた歴史小説。
あまり歴史が詳しくはない私ですが、
非常に興味深く読んでおりました。
非常な名著なので、
きっと色々な感想を持たれる方も多いかと思います。
その中で、私は中盤の、
こんなシーンが非常に印象的でした。
物語の中盤。
新撰組局長の近藤勇と、
副長 土方歳三の意見のすれ違いを、
司馬遼太郎はこんな文章で表しています。
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(近藤)
― これからの新撰組幹部は、国士でなければならぬ。
議論あれば堂々天下に公開し、将軍、老中にも開陳して、
動かすだけの器量を持ってもらわねば困る。
(土方歳三)
- そうかねえ。
歳三は、不服だった。
歳三のみるところ、新撰組はしょせんは、
剣客の集団である。それを今後いよいよ大きくして、
幕府最大の軍事組織にするのが目的であって、
政治結社になるのが目的ではあるまい。
幕府はむしろ、そういう新撰組を迷惑に思うだろう。
-そうかねえ。
(土方は)仏頂面してみせるのだが、
近藤はむしろそんな歳三が不満になってきている。
奔走家としての自分の片腕には、歳三はとてもなれない男である。
(こいつに、学問があったらなあ)
歳三を見る眼が、時に冷たくなっている。
『燃えよ剣 上』 より
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■この小説において、
土方歳三は
「バラガキ(悪餓鬼)のトシ」と呼ばれ、
あくまでも「剣に生きる」「強くある」という、
その一点のみで、己のカンと我流で生きており、
一方、近藤勇は学を求め、
少しずつ考え方が変わっていく、
「知識人」的な生き方を求めすぎていく、
そんな描かれ方をされています。
そこで、近藤、土方それぞれが
「最近のアイツはようわからん」
となってくる様子を、
上記の小説の一端で表しているようでした。
■私は歴史にそんなに詳しいわけではありませんし、
どちらがよかった、とかそんな話でもありません。
ただ思うのが、
『情報を得ると、考えは変わってくる』
というこの1点においては、
あらゆる時代において「真」である、
そのように思ったのです。
海を覆うごとき、
巨大な黒船が来て、坂本竜馬が、
「時代が変わったんだよ」
と言い、維新へと動いていったように
今までの既成概念を叩き壊すような情報に触れ、
それを実感した時に、私たちはこれまでもっていた当たり前を疑い、
自分自身を変容させていくのでしょう。
(「7つの習慣」でも、
”パラダイム(ものの見方・考え方)”は『経験と情報』で作られる”
といいますが、まさしく同様のことですね)
■現代社会も、
「変化が著しい、時代の転換期である」
と識者から言われたりします。
色んな情報が駆け巡り、
何が正しいかわからない時代ではあるものの、
だからこそ、テレビだけ、一部のニュースだけでなく、
自分が普段触れていないところからも、広く、
アンテナを立てることが大事なのだろう、
そのように感じました。
幕末の志士達が、
藩を超えて有識者と交流し、世の中を知り、
危機感を持ち、明治維新を成し遂げた、
そんな歴史を顧みながら、
自分のあり方を考えた次第です。
日本人として、志士のごとく、
誇らしい人物になりたいなあと、
密かに思いながら。
(まだまだですが 汗)