「ソコじゃない!」ところを突いても、逆効果
(今日のお話 2231字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は、朝から絵某大手販売会社様において、
新入社員研修「ディスかバリー」の実施。
また午後からは、愛知にて、
こちらも某大手サービス業の会社の
幹部職の方を対象に
「7つの習慣 1日研修」の実施立会いでした。
朝一で千葉、その後、午後から愛知、
そして夜、東京に戻るという、
移動だらけの一日でしたが、
受講された皆様が
意欲的に取り組まれていらっしゃったことに、
感銘を受けておりました。
自分から動く。
ゴールを描いてから始める。
仕事の意義を見出す。
何が最も大事か考えて、時間を使う。
物凄く当たり前のことかもしれませんが、
研修をするたびに、そんな
「当たり前のこと」
だからこそ、できていない、
日々じっくり考えることができない、
当たり前ができていないから、
本来なら出せるはずの期待成果も、
生み出しきれない、
そんな状況に陥っているということを
身につまされます。
だからこそ、時間を作り、
『立ち止まって、本質を考える機会を作ること』
このこと自体に価値があるのだと、
強く思います。
*
さて、
前置きが長くなってしまいましたが、
本日のお話です。
私の友人で、コスメ業界で働き、
店長として素晴らしい成果を出した後、
店長トレーニングを担当していた、
大変優秀な女性がいます。
そんな彼女が、
”コミュニケーションの難しさ”
について、面白い話を聞かせてくれました。
今日は、
「”ソコじゃない!”ところを突いても逆効果」
というテーマについて、
コミュニケーションに関する気付きを
ご共有させていただきたいと思います。
それでは、どうぞ。
■誰もが知る、
有名なコスメの店舗での話。
そのお店は、売上げが伸び悩んでいました。
当然、お店の雰囲気も、
あまりよろしくなかったそうです。
ですが、その店長は一生懸命です。
お店のスタッフを鼓舞し、
意識を高めようとして、
積極的に「褒める」ということを心がけていたそう。
しかし、ある日、
スタッフ(山本さん/仮名)と店長の間に、
こんなことが起こりました。
店長「山本さん、すごいよね!
いつもイイよね。この調子で頑張って!」
山本さん「・・・・」
モチベーションを高めようと褒めたはずなのに、
期待されるリアクションがない。
それどころか、この後、
なぜか山本さんは泣いて帰ってしまったそうです。
一体なぜ?
モチベーションを高めてもらおうと、
「褒めた」はずなのに、なぜなのか?
そんな疑問が店長の頭を駆け巡ります。
■後日、その理由がわかりました。
それは、
『山本さんは、実は叱ってほしかった』
ということだったそうなのです。
店長は、モチベーションを高めようと、
「褒める」ことがいいと思っていた。
しかし、山本さんはその時、
非常に悩んでいたのです。
「仕事が全然思うようにいかない。」
「もっと成長したい。でもどうしたらいいかわからない。」
「店長に相談しても、いつも道筋を示してくれない。」
「これからどうしたらいいのだろう。」
そんな悩み、苦悶が渦巻き、
悶々としていた、そんな心境だった。
だから、店長からは、
そんな「出来てない」と自分で感じている状況を
”褒める”のではなく、
「もっと頑張って、こうなってほしい」
「あなたはまだ、こんなところが足りない」
「こんなことが出来るようになったら、もっと素晴らしい」
そんなヒントが欲しかった。
欲しかったのは、
「賞賛」ではなかったのです。
そんな中、
店長「山本さん、すごいよね!
いつもイイよね。この調子で頑張って!」
なんて言われたら。
当然ながら、
山本さんは「店長、何もわかってない!!」
と、「褒め」に喜ぶどころか、
”自分のことを理解されていない”という、
虚しさ、悲しさ、不信に陥ってしまうのでしょう。
そして、耐え切れず、帰ってしまった、
ということだったそうです。
■もちろん、
山本さんにも非はあるでしょう。
さすがに帰るのは、というのも
あるでしょうが、一旦置いておくとします。
ですが、ここで注目したいのは、
店長が、
『良かれと思ってやったことが、逆効果になった』
という、この事実なのです。
そして、ぜひ考えてみたいのです。
「同じようなこと、私達もついやってしまいがちではないだろうか?」
と。
妻の悩みを聞いている旦那。
色々と聞くうちに、耐えかねて
「じゃあ、こうしたらいいんじゃない?」
と良かれと思ってアドバイスしたら、
「そんなことを言ってほしいんじゃないのよ!!」
と逆ギレされたり、
(ありがちですね)
はたまた、お父さんが
「ドラえもん面白いらしいよ!」といって、
幼稚園の子供を映画に連れて行ったら、
「全然面白くなかった」
と、プリキュアのほうがいいと
不機嫌になってしまったり。
いずれも、
「良かれと」思ってしたはずなのに、
全くの逆効果だった、
そんな経験、一つや二つあるのではないか、
そのように思うのです。
(私も、ものすごーくたくさんあります汗)
■「7つの習慣」において、
”人間関係における原則”として、
こんなことをお伝えしています。
『相手のことを「理解したつもり」になること。
これが信頼を失う一番の要因である。』
と。
すなわち、信頼が築かれた
相手との良好な関係を作るためには、
『とにもかくにも、まず相手を理解すること』
である、というわけです。
(第五の習慣 まず理解に徹し、そして理解される より)
相手のツボじゃない、
全くピンポイントのところを押しても、
それは善意の押し売りでしかありません。
ポイントを外れたところを突いても、
気持ちいいどころか、痛い、または不快なだけ。
すなわち、
【「ソコじゃない!」ところを突いても、逆効果】
ということです。
相手のツボを知ること。
そのために、まず相手を理解すること。
それから突いてこそ、
効果があります。
闇雲に褒めればいいものではなく、
相手を見て、理解して、時に叱る。
そんな、優秀な店長のような立ち回りを、
日頃から心がけたいものですね。
自戒を込めて。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も皆様にとって、素晴らしい1日となりますように。