逆境を求める
(今日のお話 1950文字/読了時間1分半)
■おはようございます。紀藤です。
日曜日は、第二領域活動の日でした。
5月に100キロウルトラマラソンに申込をしたので、
制限時間の14時間動き続ける体力をつけるベく3時間テニス。
(といいながら、走るのはあまり好きではないので、
テニスとトレーニングを兼ねられるよう模索中です)
また、午後からは妻と共に保険の見直しなど。
■さて、本日のお話です。
先日、月に1度参加している、
ダイヤモンド経営塾にて『獺祭』で有名な
日本酒メーカーの朝日酒造の桜井社長のお話を聞く機会がありました。
今でこそ飛ぶ鳥を落とす気負いで、
日本酒好きで知らぬ人はいない『獺祭』ですが、
その成長の背後には、たくさんの「逆境」があったそう。
今日はそんな桜井社長のお話から、
「成長のために必要な要素」
について思うところを
共有させて頂きたいと思います。
それでは、どうぞ。
■日本酒業界は、
この40年間に売り上げが1/3になった、
非常に厳しい業界だそうです。
そして例に漏れず、朝日酒造も10年前、
非常に苦境に立たされていました。
旭酒造の桜井社長が、
父から会社を引き継いだ時も、
決して楽な状況ではなかったとのこと。
そもそも山口の日本酒と言っても
イメージもなければ、生命線である
良いお米で有名なわけでもない。
だから、山口の酒は評価が低かったのです。
■そんな中、何とか良い酒を造ろうと、
桜井社長はもがきます。
社長自ら山口の農協へ通い、
「いいお米を提供してください」とお願いをするものの、
3年連続理由もなく断られてしまいます。
良いお米が手に入らないという事は、
起死回生のチャンスも失うという事。
第一の「逆境」です。
やむなく、他の方法を考え、
”農家に直接頼みに行く(=直接販売)”という方法をとるべく、
他の県に頼みにいくわけです。
すると、これがよかった。
結果的に山田錦という非常に高品質の米を、
安定的に手に入れられるようになりました。
■ところが、朝日酒造が酒造りを任せていた
”杜氏(とうじ=酒の職人)”が
FA宣言、すなわち「会社を抜ける」と言い出したわけです。
酒蔵では酒造りは杜氏に任せる、
というのが業界の一般常識。
酒蔵といっても、
杜氏が酒造りのノウハウを持っており、
杜氏がいなければ酒は造れないのです。
桜井社長は、再び
新たな「逆境」に立たされます。
しかし、このことを通じて
「杜氏に頼らず、自らで酒を造れるようになればよい」
と、酒造りを一から社員で勉強し、作り始めます。
当然、失敗の連続です。
米を洗う前の温度、洗った後の水分量、
湿度はどれくらいが最適か、
何もわからないわけですから、
手探りで方法を探すのです。
そして、これがまたよかったのです。
自分達で酒を造る過程で工夫が生まれ、
それがゆえに新しいものが生まれた。
「技術がないなら、もっと”米を磨く”ことで補えばよい」。
そう発想を変え、
現在の『獺祭』の有名商品でもある、
77%も白米を磨いた、
『獺祭 磨き2割3分』
が、誕生することになりました。
■桜井社長は言います。
「”逆境”があったからこそ、獺祭はここまでこれた。
順風満帆にいっていたら、
山口の評価が低いお酒が、
10年間で16倍もの売り上げは達成できなかっただろう。」
と。
そして桜井社長は、更に自分たちを成長させるべく、
「売り上げの1割を海外にする」
という次の目標を掲げます。
日本国内でも十分やっていけるレベルに行ったけれど、
ここでまた「自ら逆境を創り出す」ことで成長し続ける、
という選択をしました。
■このお話は、私達個人個人にも
通ずるところがあるように思います。
「あの大変な時期があったから、成長ができた」
「あの時の苦労が今に活きている」
そう感じている方も、
いらっしゃるのではないかと思います。
『人生万事、塞翁が馬(さいおうがうま)』
(=結局、過ぎてみないと何が良いかわからない、という意)
という中国の言葉がありますが、
一見ネガティブに考えられがちな「逆境」があるがゆえに、
成長があり、より高みを目指すことができる、
桜井社長のお話から、
そんな学びが得られそうです。
『逆境経営』(著:桜井博志)
■きっと、今の自分にできないことや
ちょっと抵抗感があるけど挑戦したいことなど、
心の中にお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
それに取り組み、立ち向かう事は、
順風満帆な穏やかな海岸から、
荒波がうねる大海原へ、航海へ漕ぎ出すがごときことでしょう。
しかし、それを経たときに、
自らのステージが一つ上がったと感じ、
より大きな自信や充実感を得られる、
そのようにも感じます。
逆境を自ら求める。
そんな心構えを持ち、
自らを向上させる挑戦のエネルギーにしたいものだな、
そんなことを感じた次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も、皆様にとって素晴らしい1日になりますように。