お客様の声を聞く価値
■おはようございます。紀藤です。
昨日は朝9時から18時までの商談。
昼間に少し時間が空いたので、
久しぶりにとある会社様に飛び込みでご訪問してみました。
(Aさま、急なご訪問にもかかわらず、ありがとうございました!
よいタイミングが来るといいですね)
7つの習慣は最近マンガなどで注目度が上がっています、
また、先日の朝日新聞において1面広告で「7つの習慣」が掲載されました。
(1面広告、全部『7つの習慣』です)
自分事ながら、勢いを感じる今日この頃。
■さて、早速ですが本日のお話です。
先日、
”営業にとって大切なこと”
についてとある本を読みました。
私も営業を始めてからだいぶ経ちますが、
改めて「なるほどなあ」と思わされましたので
今日はその内容について、共有したいと思います。
■さて、皆様、
”SWOT分析”
という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
聞いたことがある、どころか、
大変有名な経営戦略のフレームなので、
かなりお詳しい方も多いと思います。
※念のため、「SWOT分析」についてはこちら↓
<SWOT分析とは> (Wikipediaより引用)
目標を達成するために意思決定を必要としている
組織や個人のプロジェクトやベンチャービジネスなどにおいて、
外部環境や内部環境を、
強み (Strengths)
弱み (Weaknesses)
機会 (Opportunities)
脅威 (Threats)
の4つのカテゴリーで要因分析し、
事業環境変化に対応した経営資源の最適活用を図る経営戦略策定方法の一つ。
■私はそんなに詳しくはありませんが、
平たく言うと、
”会社でも個人でも、目標達成するためには、
自分達に関する「強み」「弱み」「機会」「脅威」を考えることが大事”
という事だと思います。
つまり、SWOT分析をすると、
「目標達成に役立つ」、とも言い換えられるのでしょう。
■さてさて、本題はここから。
ある通信機器の販売をしている会社の、
とある営業所において、
「営業が、もっと売るためには、
”SWOT分析”が大切だ!」
と、営業所長が言ったそうです。
ボスの号令により、
営業メンバーみんなが、それぞれ慣れない
”SWOT分析”によって、
自分達の「強み」を考えました。
・・・とはいえ、伝統的な経営戦略フレーム。
考えれば答えは見つかるもの。
各営業が、それぞれが考えるSWOT分析により、
「ようし、自分達の強みが見つかった!」
となったそうです。
そうして、
「この”強み”をアピールすれば、私たちの商品はもっと売れるはず!」
いきり立ち、早速見つけた『強み』をアピールする営業を始めたそうです。
■ところがどっこい、です。
自分達で考えた、
「これが私たちの『強み』だ!」
と思うものを、声高にいくらアピールしても、
お客様から反応がありません。
はて、どうしたことか?と
よくよく考えてみると、
SWOT分析の中身が
同じチームの営業同士で、答えが全然違う。
皆が思う、”強み”は
それぞれが思い込んでいる”強み”
すなわち、
「自分達が思っている”だけ”の強み」
でしかなかった、ということでした。
当然、そんな的を射ていない『強み』、
芯を捉えていない『強み』を叫んでも、反応がでるはずはありません。
そんなこんなで、この場合での、
”SWOT分析”は機能しなくなった、
となってしまったそうです。
■さて、ここからどんなことが考えられるのでしょうか。
もちろん、ここで言いたいのは、
「SWOT分析が悪い」
とかいう話ではありません。
むしろ素晴らしきフレームですし、
しかるべきコンサルタントが実行すれば、
現実的で、俯瞰された有用なツールになり得るのでしょう。
ただ、ここで大事だと思うのが、
【営業が自分で思う「強み」と、お客様が思う「強み」は違う】
という事実を、私たちは認識しなければならないのではないか、
ということです。
「7つの習慣」では、人は経験や情報によって、
「パラダイムが違う」(”物の見方、考え方”が違う)と言います。
「皆、考え方は違うんだよ」
そう言われれば当然のこと。
しかしながら、不思議なことに、
自ら意識していないと、傾向として
「自分が考えたことが正しい」
と思ってしまいがちなようです。
そして”自分の見ているがまま”に現実を歪めて見てしまい、
先ほどの「ここが強みに違いない!」という状態に陥り、
誤った営業方法をしてしまう、
結果として、成果も上がらない…となってしまう。
もしかしたら、こんな状態もありえるのかもしれません。
■ではどんな見方がよいのでしょうか。
色々あると思いますが、
このケースで考えてみると、それは、
「”お客様が”私たちを選んでくれているポイント」
を重視すること、
にあるのではないかと思うのです。
お客様に選んでいただけるポイントが真実であり、
いかなるものに勝るとも劣らない『強み』であること、
これは否定のしようがないことではないでしょうか。
■もちろん営業以外において、
それが企画でも、人事でも、
誰かに何かの成果を届ける仕事であれば
「自分のどこを選んでもらえたのか?」
「自分のどこが周りから見た強みなのか?」
の声を聞くことによって、
自分自身の『強み』の正体を、客観的に知ることができ、
継続的な成果を生み出すきっかけの一つになるのではないか、
そう思った次第です。
(追記:
ちなみに、上記の営業所の話には続きがあります。
そのSWOT分析が上手くいかなかった後、
営業所員が
”お客様に自分たちをなぜ選んでくれているのか”
を聞いて回ることにしたそうです。
結果、その声から自分達が知らなかった
『本当の強み』が明確化され、腹に落ち、
全営業所の中でもトップクラスの成績を上げることになった、
というハッピーエンドの物語でした。)
最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。
今日が皆様にとって、素晴らしい1日になりますように。