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457号 2015年1月22日

たとえ自分が「小さな石」であったとしても

■おはようございます。紀藤です。

12月が手術や入院で殆ど働いていなかった分、
1月はかなり気合を入れて動き回っています。

■では早速ですが、本日のお話。

「”筋肉質経営”を目指すが、デキの悪い社員をどうすればよいのか?」
の質問に対して、稲盛和夫さんがこう答えました。


昔から「人は石垣、人は城」と言います。

企業を城に見立てれば、従業員は石垣です。

石垣の中には、大きい石もありますし、小さい石もあります。

頑丈な石垣には、大きい石だけではなくて、
その大きな石と石の間に必ず小さな石がたくさん嵌め込まれていて、
この小さな石が、石垣全体を強固にする働きをしているのです。

この小さな石のように、能力はそれほどなくても人間性がすばらしく、
周りの人の心をまとめ、一生懸命、会社のために尽くそうとされている方がいます。

そういう人は、会社を筋肉質で経営するのには無駄だと思われるかもしれませんが、
決してそうではありません。

そういう人を雇用しておくということは、
短期的にロスを生じさせているように見えますが、
長期的に見ると組織を強固にしてくれるので、会社にとって大きな財産となるのです。

「高収益企業のつくり方」
稲盛和夫 著


■最近、「多様性」「ダイバーシティ」などという言葉をよく耳にしますが、
このお話も通ずるところがありますね。

大きな石も、小さな石も、色んな形の石が役割を果たして、
隙間もない強固な石垣(組織)ができる。

なるほど、稲盛さん! です。

しかしながら、一点、
私が気になったのが、このフレーズ。

”小さな石のように、能力はそれほどなくても人間性がすばらしく、
 周りの人の心をまとめ、一生懸命、会社のために尽くそうとされている方。
 このような方は、長期で見ると組織を強固にしてくれる”
と言っている箇所です。


■何が気になったかというと、
”「小さな石」でも何でもよいわけではない”
という点です。

「小さな石」でも、条件がありました。

それは、「人間性」があって「一生懸命」であること。

これが価値を生む、と言っているわけです。

例えば、
「俺は、能力がないから、みんなが頑張ってよ」
「私は、小さな石だから、役に立たないので、だらだら仕事をします」
などなど、「小さな石」であると同時に、
人間としても輝きがなく、
一生懸命でもなく、誰かにぶら下がっている・・・
このような「小さな石」であれば、
石垣の隙間を埋める小さな石ではなく、
砂漠に転がる孤独な小石に成り果ててしまうのでしょう。


■逆に言えば、「小さな石」でも、
「人間性」そして「一生懸命」になることで、
価値をもたらすことができる。

見方によっては、
何となく勇気づけられるお話、
と捉えることもできそうです。

「7つの習慣」においては、
”効果性の高い人生(=得たいものを得続ける人生)”のためには、
「人格が大事である」と説いています。

西洋のコヴィー博士も、東洋の稲盛さんも
「能力を磨くだけでなく、人格を磨くことが大切」
と語るように、人としてどうなのか、
という部分はやっぱり大事なことなのでしょうね。

私も、自分自身の能力に未熟さを感じることが(よく)ありますが、
せめて「人間性」「一生懸命」の部分だけは疎かにしないよう、
改めて頑張ろうと思った次第です。


最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。
今日が皆様にとって、素晴らしい1日になりますように。

【本日の名言】 死んだら葬儀屋も悲しんでくれるくらいに、
一生懸命生きよう。
            マーク・トウェイン

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