燃料電池車の相乗効果
■おはようございます。紀藤です。
日曜日は、テニスのコーチと一緒に、
黙々と”壁打ち”の練習。
こんなに夢中になれるスポーツは生まれて初めてです。
■さて、今日のお話。
最近注目されているこのニュースについて。
”トヨタは世界に先駆けて燃料電池車(FCV)ミライを国内で発売。
販売店によると官公庁や企業に加え、富裕層の個人などからの引き合いが好調で、
受注台数はすでに1400台超に達している。
トヨタ自動車が燃料電池車関連で保有する約5680件の特許(審査継続中を含む)
を使う実施権を無償で提供すると発表した。
他の自動車メーカーや水素インフラ企業に特許の利用を促し、燃料電池車の普及に弾みをつける狙いがある。
今回の無償提供について
「(燃料電池車の)普及を優先し、開発・市場導入を進める自動車メーカーや
水素ステーション整備を進めるエネルギー会社などと協調した取り組みが重要」
とコメントしている。
(以上、日経新聞より引用)
■「トヨタが特許を無償提供」。
業界全体のことを考えて、
知的財産である特許を敢えて無償公開する。
素晴らしい考えだな、と思うとともに、
この記事を見て、ある話を思い出しました。
それは、1925年(大正14年)にさかのぼります。
日本でラジオ放送が開始されたときのこと。
松下幸之助さん率いる「松下電器(パナソニック)」は、
その5年後(1930年)新しくラジオの分野に進出しました。
ところが、このころ特許魔といわれる発明家がいて、
アメリカの特許を先に読みとっては日本で登録し、
それを売るというようなことをしていた人がいたそうです。
ラジオを作るには、
どうしてもその特許の部分が必要だったため、
多くのメーカーが悩んでいました。
その時、松下幸之助さんは動きました。
発明家の所へいき、
当時の松下電器(パナソニック)の経営規模からすれば法外な金額を払い
特許を買い取らせてもらい、
その特許を買い取った翌日、なんと、
この特許を同業メーカーが自由に使えるように、
それを無償公開すると新聞で発表したそうです。
松下幸之助さんは、こういいました。
【こういうものは、業界みんなで使うべきもの。業界全体で使われるものである】
そうして、ラジオ業界全体の発展に大きく貢献したそうです。
■トヨタのお話も、松下幸之助さんのお話も、
「自社だけがよければそれでいい」
↓
「業界全体で発展するべきだ」
というように発想をより広く考えているところに、
特徴があります。
そして、業界全体が発展することで、
最終的にはそれが自社の利益にもつながっていく。
まさしく”相乗効果”と言える考えのベースではないか、
と思います。
■「相乗効果(シナジー)」というのは、
「7つの習慣」でも語られている言葉です。
【第六の習慣 シナジーを創り出す】
という習慣で、自立をした人が最後に辿り着くゴールでもある、とも言われるこの習慣は、
自分だけでなく、周りの力も合わせることで、
より大きな【第三案】に到達できる、
ということを伝えています。
■私たちも、ともすれば、
「自分が良い成果を挙げればいい」とか、
「自分たちのチームがよければいい」とか、
目先の利益を考えて、小さくまとまってしまう事があるかもしれません。
でも、先のトヨタ、松下幸之助さんの例でも、
全体でより大きな成果を目指すことは、最終的に自分のメリットにもなっていきます。
そう考えてみると、
綺麗事でなく、皆のため、そして自分のために、
「全体の利益のために」を考えてみることが、
やっぱり大切なことなのだろう、と思う次第です。
愛知県民として、燃料電池車の発展を願いながら。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今日が皆様にとって、素晴らしい1日になりますように。